四半期業績推移随時更新中
(単位:百万円) | 決算期 | 売上 | 営業利益 | 営業利益率 |
FY2023.Q4 | 2023.12 | 670 | 212 | 31.64% |
FY2024.Q1 | 2024.03 | 698 | 260 | 37.25% |
FY2024.Q2 | 2024.06 | 750 | 299 | 39.87% |
FY2024.Q3 | 2024.09 | 802 | 282 | 35.16% |
(単位:百万円) | 決算期 | 売上 | 営業利益 | 営業利益率 |
FY2020.Q3 | 2020.09 | 283 | 35 | 12.37% |
FY2020.Q4 | 2020.12 | 313 | 83 | 26.52% |
FY2021.Q1 | 2021.03 | 337 | 145 | 43.03% |
FY2021.Q2 | 2021.06 | 382 | 145 | 37.96% |
FY2021.Q3 | 2021.09 | 413 | 83 | 20.1% |
FY2021.Q4 | 2021.12 | 444 | 45 | 10.14% |
FY2022.Q1 | 2022.03 | 439 | 208 | 47.38% |
FY2022.Q2 | 2022.06 | 468 | 195 | 41.67% |
FY2022.Q3 | 2022.09 | 497 | 120 | 24.14% |
FY2022.Q4 | 2022.12 | 533 | 116 | 21.76% |
FY2023.Q1 | 2023.03 | 555 | 270 | 48.65% |
FY2023.Q2 | 2023.06 | 587 | 271 | 46.17% |
FY2023.Q3 | 2023.09 | 622 | 122 | 19.61% |
FY2023.Q4 | 2023.12 | 670 | 212 | 31.64% |
FY2024.Q1 | 2024.03 | 698 | 260 | 37.25% |
FY2024.Q2 | 2024.06 | 750 | 299 | 39.87% |
FY2024.Q3 | 2024.09 | 802 | 282 | 35.16% |
沿革
2010年8月に東京都文京区において、4776サイボウズの100%子会社(旧社名サイボウズスタートアップス株式会社)として創業。新規クラウドサービスを手掛ける会社として設立された。2014年3月にはMBOによりサイボウズから独立。2017年1月、現本社所在地である東京都品川区五反田に移転する。2019年7月にはサイボウズから独立した会社であることを明確にすることを目的に、社名をトヨクモ株式会社に商号変更。2020年9月、東証マザーズへ上場。2022年4月、東証の市場区分見直しにより、グロース市場へ移行した。おもにサイボウズの業務システム「kintone」と連携可能なアプリケーションをクラウドで提供するほか、「安否確認サービス」を提供している。
株主構成
有価証券報告書によると、2022年6月末時点の筆頭株主は、代表取締役社長山本裕次氏の個人資産管理会社である株式会社ナノバンクで保有比率は48.1%。また同氏は個人名義で5.9%を保有する第3位株主でもあることから、山本氏個人で過半数の株式を実質的に占有する。次いで旧親会社で、現在も業務上の結びつきが強い4776サイボウズが7.8%。ほか、取締役の田里友彦氏が5.9%、ベンチャーキャピタル(インキュベイト2号投資事業有限責任組合)やサムライキャピタルなどが上位株主として名を連ねる。2022年3月更新のコーポレート・ガバナンス報告書によると、外国人株式保有比率は10%未満だ。
取締役会
同社の取締役は5名(社内4名、社外1名)、監査役3名(常勤1名、全員社外)である。また、同社は監査役会設置会社である。代表権を持たない社内取締役は3名。経営管理本部長である石井和彦氏はサイボウズ出身であるが、そのほか2名(マーケティング本部長田里智彦氏、開発本部長木下正則氏)は同社設立後に入社。
代表取締役の経歴
代表取締役社長である山本裕次氏は1968年生まれ。関西大学工学部を卒業後、野村證券株式会社に入社し、およそ10年勤務。外資系証券勤務を経て、2000年4月にサイボウズへ入社、2005年から2014年3月まで執行役員を務めた。 2010年8月にサイボウズ子会社として同社設立後、一貫して代表取締役社長を務める。
報告セグメント
「法人向けクラウドサービス事業」の単一セグメント。同事業は「安否確認サービス」と「kintone連携サービス」そして2021年11月にリリースされた「トヨクモスケジューラー」の3つから構成される。2022年12月期第3四半期のサービス有償契約数は安否確認サービスが3,042件、kintone連携サービスが7,639件である。有償契約数は順調に増加しており、年間平均の解約率も0.61%と低水準で推移している。
事業モデル
企業理念は「情報サービスをとおして、世界の豊かな社会生活の実現に貢献する」こと。シンプルで初心者でも安心して使えるアプリケーションの開発・提供を通じて、企業における生産性向上に寄与することを目指す。
3つのサービスはどれも無料の試用期間を設けており、操作の習得から導入がスムーズな点が特徴。個別のカスタマイズをおこなわないためサポートの負担が少なく、コストを抑えて運営できる。収益は有償契約数の増加によって継続的に積み上がるストック型のビジネスである。
「安否確認サービス」は同社独自のサービス。東日本大震災などに代表される大規模災害の発生に備えるツールを提供する。TVコマーシャルの積極活用により、認知度が高い。酒田市役所や公益財団法人などの地公体の他、ラクスル株式会社、TDK株式会社、株式会社マーベラスなどの大手企業や、中堅・中小企業など幅広い顧客への導入実績を有す。
「kintone連携サービス」は、サイボウズが提供する業務システム「kintone」と連携し、帳票出力や外部公開のWebフォーム作成、データ自動バックアップ、メール送信サービスなどが可能なサービスをクラウド上で提供する。安否確認サービス同様に、地公体から大企業、中堅・中小企業まで幅広い導入実績を有す。
「トヨクモスケジューラー」は社内・社外に関わらず簡単に日程調整をおこなえるグループスケジューラーで、10ユーザーまでは無料で利用できる。
同サービスの今後の成長は、kintoneに依存する部分が大きい。非公表ながらkintone連携サービス内でのシェアは高い水準を獲得しており、今後も積極的な拡販はせず、引き合いベースで対応するとの同社方針である。
競合他社
「安否確認サービス」は企業のBCP対策の一環として近年では多くの企業が導入しており、競合多数の市場である。9735セコム(2022年3月期売上高1兆498億円)が最大手で、安否確認サービスだけでなく、ホームセキュリティを含む広く危機管理関連サービスを提供する。また、9432NTT(2022年3月期売上高12兆1,564億円)の子会社であるNTTコミュニケーションズも法人向けの安否確認サービスを提供。このほか、非上場企業にも複数競合が存在し、各社間のサービス競争は激しくなっている。
連結の範囲
2021年12月期において、連結対象となる関連会社を持たない。
強み・弱み
営業員を抱えず、問い合わせにはオンラインや電話でのサポートに徹する体制で、間接コストを抑え効率的に事業運営している点は強み。顧客ごとのカスタマイズをおこなわず、ユーザーフレンドリーなアプリケーション提供にこだわった画一的な製品提供も効率的な事業体制に寄与。なお2022年12月期の従業員数は40人である。一方で、「安否確認サービス」と「kintone連携サービス」の2つに収益を依存する構造はリスクといえる。「安否確認サービス」は東日本大震災後に提供を開始したサービスであり、実際に大規模災害が発生した際に、当初想定したサービスが提供できるかどうかが未知数な点は潜在的な懸念材料である。
KPI
有償契約数の獲得状況に応じて収益を計上するビジネスモデルであることから、下記の項目をKPIとして開示している。
①有償契約数:10,681件 (2022年12月期第3四半期)
②安否確認サービス契約数:3,042件 (2022年12月期第3四半期)
③kintone連携サービス契約数:7,639件 (2022年12月期第3四半期)
④月次解約率:0.61%(2022年12月期第3四半期)
⑤広告宣伝費:312百万円 (2022年12月期第3四半期)
同社では営業員の配置による営業活動を行わない代わりに、近年では認知度向上のために積極的に広告宣伝をおこなう。そのため、広告宣伝にどれだけ資金を投じられるかも、同社の経営状況を図る一つのバロメータと考えられる。
業績
2020年9月に上場したため、開示のない情報もあるが、売上高は直近5期で271百万円から1,576百万円へと5.8倍になった。また経常利益も5百万円から421百万円へ84倍に成長した。
営業CFはプラス、投資CFはマイナス、自己資本比率はおおむね60%台で推移している。