3751 日本アジアグループの業績について考察してみた

3751 日本アジアグループの業績について考察してみた

PERAGARUアナリスト

沿革

1988年に不動産の売買・仲介を目的として株式会社日星地所創業。1989年3月株式会社ジー・イー・ニッセイ、1991年4月株式会社ジー・エフ・シー、1998年3月株式会社ジー・エフに商号変更。2004年10月には東証マザーズに上場。2009年2月同社を存続会社として旧日本アジアグループ株式会社および旧株式会社モスインスティテュートを合併し、商号を日本アジアグループ株式会社に変更。2015年5月東証一部に変更太陽光、測量、不動産、金融等の事業を展開している。2020年秋頃より、MBOへの賛同表明などが相次ぎ、旧村上ファンド系の投資会社シティインデックスイレブンスによる敵対的買収の実態が明らかになっており、主力事業子会社2社の売却による敵対的買収の回避を試みている最中。

株主構成

四半期報告書によると2020年9月末時点筆頭株主は8708藍沢證券で保有割合12.56%、次いでJAPAN ASIA HOLDING LIMITEDが9.56%、日本マスタートラスト信託銀行の信託口が6.61%で続き、以降は保有割合5%未満で国内銀行信託口、みずほ銀行、野村證券の海外顧客アカウント、同社代表取締役が並ぶ。尚、大量保有報告書によると旧村上ファンド系の投資会社シティインデックスイレブンスと共同保有者の持ち分が30.77%であることが報告されている。またシティインデックスイレブンス社は2021年4月26日付で同社株式の公開買付け開始のプレスリリースを行っている。同社経営権取得を図るものとみられるが、同社は本公開買付けに対する意見表明を留保している。外国人株式保有比率は20%以上30%未満

取締役会

取締役は5名(社内3名、社外2名)、監査役3名 (社内1名、社外2名)、監査役会設置会社である。社内取締役は野村證券、山一證券などを経験する金融業界出身者で構成される。

代表取締役の経歴

代表取締役会長兼社長の山下哲生氏は1951年12月生まれ。慶應義塾大学を卒業後、1978年4月に大蔵省入省。野村證券にて経験後、1998年12月香港にてJapan Asia Holdings Limitedを取締役の呉文繍氏とともに創業。2001年5月同社の前身となる日本アジアホールディングス株式会社を創業、以降グループ主要会社の代表取締役等を経て、2013年5月現職に就任した。

報告セグメント

「空間情報事業」、「グリーン・エネルギー事業」、「森林活性化事業」の3報告セグメント及び報告セグメントに含まれない、保険代理店業務等を含む「その他」で構成される。2021年3月期売上高91,146百万円の構成比は、空間情報事業が64.2%、グリーン・エネルギー事業が20.0%、森林活性化事業が15.5%、残りがその他だった。また同期の営業利益は、グリーン・エネルギーで太宗が計上され、空間情報事業とその他が赤字。グリーン・エネルギーの営業利益率は17.8%だった。

事業モデル

空間情報事業は空間の測量データを元に、解析し、災害対策など様々なサービスに利用、建設や開発等のコンサルティングなどを展開している。傘下の国際航業株式会社およびその連結子会社での事業が中心で、セグメント売上高の8割を占める。公官庁、自治体との取引の比重が高く、年度末に納期および売上が偏重する傾向にある。また2018年4月に子会社化した株式会社ザクティにて、イメージソリューション事業としてOEMおよび法人向けデジタルカメラの製造を行っており、同事業はセグメント売上高のおよそ2割を占めるが、営業利益は3期連続赤字

国際航業株式会社HP TOP>事業紹介
グリーン・エネルギー事業では、太陽光を中心とした再生可能エネルギーを源とした売電事業および電力小売事業を行う。保有する太陽光発電所の規模は2021年3月時点で全国108か所、約252.4MW(=およそ一般家庭50,000世帯分の年間使用電力)。
森林活性化事業は、地域の林業事業体と連携した林業生産事業に取り組む。ほかにも森林不動産サイトを運営するほか、製材・プレカット・木造建築事業や木造住宅用下地材の製造・販売事業、戸建住宅事業を展開する子会社を傘下に保有する。また全国に約5,053haの

競合他社

空間情報事業は同社とともに業界大手として、9232パスコ(2021年3月期売上高55,029百万円)、9233アジア航測(2020年9月期売上高30,120百万円)が挙げられる。ほかに地理情報配信サービスを行う2303ドーン(2020年5月期売上高■百万円)などが競合と考えられる。グリーン・エネルギー事業における売電事業は多数の企業が参入している状態。

連結の範囲

同社グループは、同社、連結子会社99社および持分法適用関連会社3社で構成される(2020年3月末時点)。主要な子会社として空間情報事業にて航空測量を行う国際航業株式会社、グリーン・エネルギー事業を行うJAG国際エナジー株式会社が挙げられるが、同社は2021年3月1日付で上記2社を売却予定であることを発表している

強み・弱み

空間情報事業は、航空写真測量のパイオニアとして培ってきた技術、信用力が強み。また公官庁からの受注も多く(2016年3月期第2四半期の受注額に占める割合68%)、経済動向に業績が左右されづらいものと考えられる。また、グリーン・コミュニティの創造を標榜しており、事業内容も含めSDGs等が意識された投資資金の流入が期待できる。一方でグリーン・エネルギー事業における売電収入は買取価格や天候に左右される。また発電所建設資金を始め、必要資金の多くを借入調達していることから金利リスクを負っている。また、主力事業子会社2社の売却が実行された際には、売上、収益ともに劇的に変化するものと考えられる

KPI

①空間情報事業(国際航業連結)受注高・受注残高
②デジカメ市場月次出荷台数(2021年3月83万台)
③太陽光発電量(http://solarpower.japanasiagroup.jp/pcsmt/にて確認可能)

2021年3月期 決算説明資料

業績

売上高は2019年度における株式会社ザクティの子会社化もあり2016年3月期から約1.3倍となったものの、2020年3月期及び2021年3月期はデジタルカメラ市況の低迷、コロナ禍における営業制限からザクティにおけるイメージソリューション事業の売上が減少したことなどから連続減収となった。営業利益は低下基調で、特に2019年3月期は前述ザクティの業績不振により前期比▲45.0%の減益となった。フリーCFは太陽光設備投資などでマイナス推移が続いていたが、2020年3月期から2期連続プラス。自己資本比率は20%前後から10%台前半に低下基調。