3922 PR TIMESの業績について考察してみた

PERAGARUアナリスト

沿革

2005年12月株式会社ベクトルの100%子会社として、株式会社キジネタコムを東京都に設立。2007年2月株式会社PR TIMESへ商号変更。2007年4月より主力事業のニュースリリース配信サービス「PR TIMES」の運営を開始。2016年3月東証マザーズに上場。2018年8月に東証一部に市場変更。

株主構成

有価証券報告書によると2020年8月末時点の筆頭株主は、株式会社ベクトルで保有比率は58.28%。次いで代表取締役社長の山口拓己氏が5.41%を保有し、その他の大株主は国内外の信託銀行等の信託口や証券会社と機関投資家がメインである。外国人株式保有比率は10%以上20%未満。

取締役会

取締役は5名(社内3名、社外2名)、監査役は3名(社内1名、社外2名)、監査役会設置会社である。取締役である三島映拓氏、戸崎康之氏は大株主である株式会社ベクトル出身者で、戸崎氏はベクトルの経営戦略本部長も現任している。三島氏はベクトルでの兼任はなく、2007年4月からのPR TIMESの運営スタートにも関わり、同年8月に同社へ入社。

代表取締役の経歴

代表取締役社長である山口拓己氏は1974年1月生まれ。東京理科大学を卒業後、1996年4月山一證券に入社。1997年4月株式会社ガルフネットコミュニケーション、1999年10月デロイトトーマツコンサルティング株式会社を経験後、2006年3月株式会社ベクトルへ入社。2007年1月同社取締役を経て、2009年5月より現職へ就任。株式会社グッドパッチの社外取締役も務める。

報告セグメント

「プレスリリース配信事業」の単一セグメント。既存の「PR TIMES」によるプレスリリース配信事業に加えて、新規事業として広報・PR効果測定サービス「Webクリッピング」、タスク管理ツール「Jooto」も展開するがどちらもまだ有料課金率は低く投資段階のため収益開示はない。

事業モデル

企業が新製品やサービスの発表、イベントやキャンペーンの告知に利用可能なプレスリリース配信サービス「PR TIMES」のWebメディアを運営、企業からの利用料が主たる収益源。「PR TIMES」の主要機能は3つ、1つ目は「PR TIMES」のサイトへのプレスリリース掲載、2つ目は12,000媒体超のメディアリストから配信したいメディアを選び素材資料としても配信できること、3つ目は同社が業務提携するYOMIURI ONLINE(読売新聞)、産経ニュース、朝日新聞デジタル、毎日新聞Web、東洋経済ONLINEなどのウェブメディアやニュースアプリへの転載。配信毎の従量課金プラン、月・半年・年間契約の定額プラン、FAX配信、リリース原稿作成、Webクリッピングレポート作成などの「オプションプランなどを具備。2020年11月末時点での国内上場企業利用率は43.1%、パートナーメディアは199媒体、サイト閲覧数は月間5,221万PVを誇る

競合他社

上場企業では同社の様なプレスリリース配信サービスを行っている企業は無く、非上場企業ではいくつか見られるが、規模や認知度は「PR TIMES」が圧倒的である。

連結の範囲

株式会社ベクトルが親会社で、2020年3月付で連結子会社であった株式会社マッシュメディアを吸収合併し、現在は連結子会社に該当する企業はない。

強み・弱み

多種多様な提携メディア・媒体数、利用企業数が強み。また、同様のビジネスを展開する競合先がないことも強みの一つ。メディアとの広範かつ親密なネットワーク構築には相応の参入障壁の高さが認められるが、プレスリリース配信サイトの開発・構築は比較的参入障壁が低いため、価格競争や資本力を持つ企業が同サービスを模倣し、本格参入した場合には脅威となりうる。

KPI

様々な指標の開示があるが、KPIとして重要と考えられるものの2020年11月末の実績は下記。
PRTIMES利用企業数 47,324社
プレスリリース件数 21,746本/月
提携メディア数 12,148媒体

業績

2016年2月期から2020年2月期の過去5期間において、売上高は2.6倍、経常利益は3.1倍と急成長中。2021年2月期第3四半期の売上高は3,770百万円(前年同期比+30.7%)、営業利益は1,375百万円(同+171.2%)、当期純利益1,085百万円(同+295.4%)。コロナ禍で企業のプレスリリース件数は一時的に減少したものの、緊急事態宣言解除後はインターネットユーザーの増加、利用企業者数の増加によりプレスリリース件数は過去最多となっている。また、営業CFは恒常的にプラスで推移し、投資CFは営業CFの範囲内で恒常的にマイナス。自己資本比率は利益剰余金の蓄積に8割をこえて高まっていたが、ストックオプションの権利行使により自己株式取得・処分が生じ2020年3月期は74.3%へ低下した。