8200 リンガーハットの業績について考察してみた

8200 リンガーハットの業績について考察してみた

PERAGARUアナリスト

沿革

1962年7月長崎市鍛冶屋町にとんかつ浜勝を創業。1964年3月株式会社「浜かつ」を設立。1970年6月浜勝商事株式会社(法律上の存続会社)設立。1974年8月「長崎ちゃんめん」(現・「長崎ちゃんぽん」)及び「ぎょうざ」を主力商品にしたチェーン店の第1号店を長崎市に開店。1979年3月浜勝商事株式会社を株式会社浜勝に商号変更。1982年8月株式会社浜勝を株式会社リンガーハットに商号変更。1985年10月福証へ上場。1998年7月東証へ上場。2000年2月東証一部及び大証一部に指定。長崎ちゃんぽんリンガーハット・とんかつ濱かつ・長崎卓袱浜勝などを運営する。

株主構成

有価証券報告書によると2020年8月末時点の大株主は、株式会社日本カストディ銀行(信託口4)4.23%、日本マスタートラスト信託銀行株式会社(信託口)2.68%、株式会社十八銀行2.61%、第一生命保険株式会社2.51%と並ぶ。そのほかに、信託銀行の信託口、公益財団法人米濵・リンガーハット財団、株式会社三菱UFJ銀行、アサヒビール株式会社などが並ぶ。

取締役会

取締役は7名(社内5名、社外2名)、監査役は3名(社内1名、社外2名、1名は常勤)、監査役会設置会社である。代表権を持たない社内取締役3名はいずれもプロパー

代表取締役の経歴

代表取締役社長の佐々野諸延氏は1960年8月生まれ。熊本商科大学を卒業後、1983年2月に同社へ入社。2020年3月に現職へ就任。株式会社ミヤタ、リンガーハットジャパン株式会社、浜勝株式会社、リンガーフーズ株式会社、リンガーハット開発株式会社の取締役を兼任している。同氏の前任は秋本英樹氏、なおその更に前任の米濵和英氏が兄・豪氏と共に同社を創業した共同創業者の1人であった
代表取締役専務の福原扶美勇氏は1962年9月生まれ。1997年9月に同社へ入社。入社前の経歴は開示がない。2019年3月に現職へ就任。リンガーハットジャパン株式会社、浜勝株式会社、リンガーフーズ株式会社、リンガーハット開発株式会社の取締役ほか、海外子会社の 役員なども兼任している。

報告セグメント

「長崎ちゃんぽん事業」、「とんかつ事業」、「設備メンテナンス事業」の3報告セグメントに大別され、2021年2月期の売上高34,049百万円の構成比は、長崎ちゃんぽん事業77.9%、とんかつ事業21.6%、設備メンテナンス事業0.5%である。セグメント利益又は損失は、長崎ちゃんぽん事業▲4,734百万円、とんかつ事業▲757百万円、設備メンテナンス事業127百万円であり、調整額を差し引くと▲5,403百万円であった。

事業モデル

長崎ちゃんぽん事業は、長崎ちゃんぽん専門店として「長崎ちゃんぽんリンガーハット」をチェーン展開している。2021年2月期においては、直営店425店舗、フランチャイズ店190店舗、合計615店舗を展開。主な商品はちゃんぽん、皿うどん、餃子など。商品施策として、春にはあさりとあおさをふんだんに使用した「あさりたっぷりちゃんぽん」、夏には国産野菜と中華クラゲの食感を楽しめる「冷やしちゃんぽん」と、エスニックな酸味と辛味に加え、国産パクチーを使用した「トムヤムクンちゃんぽん」、秋冬には大粒のかきを使用した「かきちゃんぽん」など、季節に合わせたメニューを販売している。フランチャイズ店からはロイヤリティ5%、その他広告宣伝費3%(PR費用等)を収受しているとみられる。
とんかつ事業は、とんかつ専門店として、「とんかつ濱かつ」、「長崎卓袱浜勝」、「とんかつ大學」をチェーン展開している。2021年2月期においては、直営店72店舗、フランチャイズ店17店舗、合計89店舗を展開。商品施策として、春には「明太子と大葉」、「二種のチーズと黒こしょう」の2種類の「重ねかつ」と「海鮮ふらい」を、夏には紀州南高梅と国産大葉を使用した「重ねかつ」と「梅しそ巻」、秋冬には定番である「牡蠣ふらい」など、季節に合わせたメニューを販売している。
設備メンテナンス事業は、同社グループ内店舗の設備維持メンテナンスに係る工事受注や機器類の保全などを主な事業としている。

同社HP TOP > 事業紹介

新型コロナウィルスの影響により、外食産業を取り巻く環境は非常に厳しいものとなっている。ライフスタイルや消費行動が店内飲食からテイクアウトやデリバリーサービスなどの中食へとシフトする中、同社も中食への対応に注力している。依然として先行きは不透明だが、同社は創業60周年へ向けて企業価値向上に取り組むとしている。

競合他社

外食チェーンは多数存在するが、同社の主力商品である「ちゃんぽん」は参入障壁が高く、競合は少ないとみられる。

連結の範囲

同社及び連結子会社10社、持分法適用関連会社3社の合計14社にて構成され、長崎ちゃんぽん事業、とんかつ事業、設備メンテナンス事業を行う。

強み・弱み

同社が提供する長崎の郷土料理「ちゃんぽん・皿うどん」は、独自性が高いことが強み。外食産業に対する消費者ニーズの変化などの影響を大きく受ける点は懸念点ではあるが、5年ほど前にヒットしたダイエット食の麺抜きちゃんぽん「野菜たっぷり食べるスープ」など、商品開発力でもって対応している点は評価できる。季節によって売上高が変動する傾向にあり、いわゆる「稼ぎ時」に台風、酷暑、厳寒など天候の悪影響が及んだ場合、売上高への影響が懸念される。

KPI

月次情報を開示しており、KPIとなり得る。2021年4月度実績は下記。
①純既存店売上高・客数・客単価
②出店形態別の店舗数 リンガーハット610店 浜かつ85店 その他5店
③外食全体の売上動向

2021年4月度 月次情報

業績

2017年2月期から2021年2月期までの5期をみると、売上高は41,129百万円から34,049百万円、経常損益は3,158百万円から▲5,561百万円となっている。新型コロナウィルスの影響により多くの店舗が休業や営業時間短縮を余儀なくされ、大幅な減収減益となった。営業CFは直近期よりマイナスとなり、投資CFは恒常的にマイナス。自己資本比率は、2020年2月期は54.7%であったが、2021年2月期は26.8%へ低下。