5932 三協立山の業績について考察してみた

PERAGARUアナリスト

沿革

1948年10月立山鋳造株式会社を設立。1960年1月立山アルミニウム工業株式会社へ改称、6月三協アルミニウム工業株式会社を設立。2003年12月三協・立山ホールディングス株式会社を設立。2006年6月三協アルミニウム工業株式会社と立山アルミニウム工業株式会社を合併し、三協立山アルミ株式会社へ改称。2007年6月マテリアル事業を分社化し、三協マテリアル株式会社を設立。2012年6月三協立山アルミ株式会社と三協マテリアル株式会社およびタテヤマアドバンス株式会社が合併し、三協立山株式会社となる。12月同社を存続会社として三協・立山ホールディングス株式会社を合併、東証一部に上場。富山県高岡市本社。アルミ建材など金属製品の開発・製造・販売などを営む

株主構成

有価証券報告書によると2020年11月末時点の大株主は、住友化学株式会社7.10%、日本マスタートラスト信託銀行株式会社(信託口)5.05%、三協立山社員持株会3.84%、三協立山持株会3.61%、ST持株会3.43%と並ぶ。そのほか、三井住友信託銀行株式会社、株式会社北陸銀行、住友不動産株式会社などが並ぶ。

取締役会

取締役は13名(社内9名、社外4名)、うち5名は監査等委員(社内2名、社外3名)。監査等委員会設置会社である。代表権を持たない社内取締役のうち監査等委員でない5名は、立山アルミニウム工業株式会社やタテヤマアドバンス株式会社の出身者のほか、日本開発銀行(現株式会社日本政策投資銀行)、株式会社北陸銀行、住友信託銀行株式会社(現三井住友信託銀行株式会社)の出身者である。

代表取締役の経歴

代表取締役社長の平能正三氏は1958年4月生まれ。立命館大学を卒業後、三協アルミニウム工業株式会社に入社。その後取締役として同社のビル事業や国際事業などに携わり、2020年8月に現職へ就任。
代表取締役副社長の黒崎聡氏は1955年11月生まれ。1978年4月三協アルミニウム工業株式会社に入社。最終学歴などの経歴は開示がない。その後三協・立山ホールディングス株式会社の経営企画部長などを経て同社の取締役に就任し、2020年8月に現職へ就任。

報告セグメント

「建材事業」、「マテリアル事業」、「商業施設事業」、「国際事業」の4報告セグメントに大別され、2021年5月期第3四半期の売上高217,897百万円の構成比は、調整前で建材事業60.6%、マテリアル事業12.9%、商業施設事業13.1%、国際事業13.4%である。セグメント利益又は損失は、建材事業1,834百万円、マテリアル事業2,043百万円、商業施設事業1,418百万円、国際事業▲2,547百万円であった。賃貸事業や農業分野事業などを含む「その他」のセグメント損失112百万円と、調整額54百万円を差し引くと、2,582百万円であった。

事業モデル

建材事業は、ビル建材製品、住宅建材製品、エクステリア製品の仕入・製造・販売等を行う。環境配慮とユニバーサルデザインを基本に、「性能」「機能」「ロングライフ」の三要素を盛り込み、安心・安全で快適な空間と生活に寄与することを目指す。主な製品は下図。

同社HP HOME > 事業領域 > 建材事業

マテリアル事業は、アルミニウム及びマグネシウムの鋳造・押出・加工・販売を行う。中強度から高強度に至る6000系合金に加え、6000系以外の材料も拡充を進め、輸送関連や一般機械などをターゲットにした高付加価値商品を提供する。日本アルミニウム協会の実証事業としてJR東海が中心となり進めていた「アルミ水平リサイクル」の取り組みに参画し、再生アルミを鋳造・押出した形材が東海道新幹線新型式車両N700Sの荷棚剤として採用されるなどの産学官連携事例もある。
同社HP HOME > 事業領域 > マテリアル事業

商業施設事業は、店舗用汎用陳列什器の販売、規格看板・その他看板の製造・販売、店舗及び関連設備のメンテナンス等を行う。スーパーマーケット、ドラッグストア、家電量販店など、ほかにもさまざまな導入事例を持つ。
国際事業は、中国・タイ・欧州など、海外でのアルミニウム鋳造・押出・加工・販売を行う。主要分野は自動車・鉄道・航空機・建材である。
生産設備は、富山県、石川県、神奈川県に13の工場を有する、その他に国内子会社でも富山県、東京都、愛知県など複数の工場を持ち、海外はドイツ、タイ、中国、フィリピンに生産設備を保有する。2020年5月期の地域ごとの売上高は日本が86.3%で、その他(海外)は13.7%と2011年に掲げた長期の成長戦略にそって、約10年間で1%だった海外売上高比率をここまで高めてきた。
各事業における環境は、建材事業では住宅設備需要が減少、マテリアル事業・国際事業ではアルミニウム形材の国内外における需要が減少、商業施設事業では小売業における新規出店需要が減少するなど、厳しい状況が続く。同社は、コストダウンの推進や業務効率化による販管費抑制などの収益改善を進めている。

競合他社

住宅設備機器等を手掛ける5938LIXIL(直近決算期売上高1兆6944億円)、アルミ形材の製造・販売などを行う5940不二サッシ(直近決算期売上高1,017億円)、アルミニウム等の非鉄金属を扱う5741UACJ(直近決算期売上高6,151億円)などが挙げられる。

連結の範囲

同社及び連結子会社49社、持分法適用関連会社7社の計57社で構成される

強み・弱み

エクステリア建材事業において、特にカーポートの商品開発力に長けていることを強みとしている。国内外の景気動向、為替動向、資材価格市況、建設工事受注高や住宅着工戸数の変動、国内鉱工業生産、民間消費動向等の影響を受けやすい点が弱み。

KPI

事業環境指標として、下記を挙げている。
①新設住宅着工戸数
②非木造建築物着工床面積
③アルミ形材押出重量
④建築着工棟数
⑤ドイツ自動車生産台数
⑥タイ自動車生産台数
⑦アルミ地金価格平均値

2021年5月期第3四半期 決算説明資料

業績

2016年5月期から2020年5月期までの5期をみると、売上高は332,168百万円から313,691百万円、経常利益は5,395百万円から1,611百万円となっている。各事業環境指数が前年度を下回る状況が続き、2018年5月期以降当期純損失となっている。営業CFは恒常的にプラス、投資CFは恒常的にマイナス。自己資本比率は30%台で推移しており、2021年5月期第3四半期は30.8%。