7463 アドヴァンの業績について考察してみた

PERAGARUアナリスト

沿革

1975年3月、輸入セラミックタイルの販売を目的とし、株式会社アドヴァンとして設立。1982年には規格石材の輸入販売を開始。建材のファブレスメーカーとしてタイルや大理石、水回り周辺といった商品の開発・輸入・販売を手掛け成長。1995年10月には日本証券業協会に株式を店頭登録。2000年3月、東証一部へ上場。2021年7月1日を変更日として、社名変更を計画しており、新商号は株式会社アドヴァングループとなる予定

株主構成

2020年9月末時点の保有比率に直近の大量保有報告書を加味すると、大株主は株式会社不二総業が25.2%、山形兄弟株式会社が4.6%、日本マスタートラスト信託銀行株式会社(信託口)が4.4%となっており、以下信託銀行の信託口や創業者の親族とみられる株主が続いている。外国人株式保有比率は10%以上20%未満。なお、積極的な自社株買いを実施しており、発行済株式総数に占める自己株式の保有比率は23.6%である。

取締役会

取締役は6名(社内4名、社外2名)、監査役は3名(社外2名、1名は常勤)、監査役会設置会社である。代表取締役会長山形雅之助氏の、従兄弟である山形朋道氏、く義理の母である山形さとみ氏が社内取締役となっている。社外取締役は東急建設株式会社の榎本氏と、イオンリテール株式会社出身の合田氏の2名。

代表取締役の経歴

代表取締役会長の山形雅之助氏は1970年1月生まれ。明治大学商学部卒業後、1993年2月に同社入社。1998年6月、取締役商品部長に就任。2002年6月の同社代表取締役専務、2004年4月の同社代表取締役社長就任を経て、2019年6月より現職である同社代表取締役会長に就任した。尚、前任の創業者山形雅二氏に次いで2代目社長であった。
代表取締役社長の末次廣明氏は1957年1月生まれ。福岡県立水産高校卒業。1985年12月に同社入社。1996年6月、同社取締役東京支店営業二部長に就任。2008年4月の同社取締役副社長営業統括、2018年4月の同社代表取締役副社長営業統括就任を経て、2019年6月より現職である同社代表取締役社長に就任した。

報告セグメント

「建材関連事業」、「不動産賃貸事業」、「その他」の3報告セグメントに大別され、2021年3月期の報告セグメント合計の売上高20,453百万円の構成比は建材関連事業77.6%、不動産賃貸事業10.1%、その他12.3%となっている。なお、調整額は▲3,685百万円であった。連結財務諸表計上額は16,768百万円と示されており、決算短信の表紙の売上高及びPLの数値と一致しない、詳細不明。調整前セグメント別利益は建材関連事業4,171百万円、不動産賃貸事業1,161百万円、その他571百万円、調整額は▲1,818百万円、営業利益は4,085百万円で連結財務諸表計上額と一致した。

事業モデル

主力事業の建材関連事業は、法人向けに店舗や商業施設など、個人向けに住宅やマンションなどへ、タイルや石材をはじめとする床壁材、暖炉やストーブ、蛇口などの水回り商品などを販売する。自社生産設備を持たないファブレスメーカーとして、海外メーカーと共同で商品を開発・製造し、輸入販売している。建材・家具業界では、一般向けと業者向けに2割程度の価格の開きがあることが多いが、カタログやウェブサイトで販売価格を明示し、購入者の属性にかかわらず同一価格で販売する点が特徴。東京、大阪、名古屋、福岡、沖縄の国内5カ所にショールームを展開。
不動産賃貸事業では同社本社ビルや物流センター、社宅の賃貸・管理を手掛ける。
その他に分類されているのは物流管理業とHRB事業。物流管理業は、同社が国内3か所に擁する物流センターなどでの入出庫管理が中心。HRB事業は海外メーカーから輸入した煉瓦・鉢などのガーデニング関連商品を国内のホームセンターなどへ卸売販売する。
今後の見通しについては、2020年に業務提携を開始した名門イタリアキッチンブランド、アルクリネア社、ヴェネタ・クッチーネ社との関連事業が、業績に寄与する可能性がある。また2021年7月に予定される新商号「株式会社アドヴァングループ」使用開始に伴い、総合建材メーカーとしてさらに存在感を高めていくことが課題となるとみられる。

2020年3月期有価証券報告書

競合他社

建材メーカーとして競合する企業は多いが、海外からの輸入石材やタイルを専業に取り扱う点で目立った競合はいない。キッチンや水回りの一部の建材では、カタログ販売が主で消費者へも水回りの建材などを販売する3187サンワカンパニー (2020年9月期売上高10,463百万円)などが挙げられる。

連結の範囲

アドヴァン管理サービス株式会社、アドヴァンロジスティクス株式会社、株式会社ヤマコーの3社が連結子会社に該当する。アドヴァン管理サービス株式会社は不動産賃貸事業、アドヴァンロジスティクス株式会社は物流管理業務、株式会社ヤマコーは建材関連事業の仕入業務をそれぞれ担う。

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強み・弱み

ファブレス建材メーカーとして世界350社と取引し、20,000もの取扱商品数を誇る。また同社製品は品質・デザイン性の高さに定評がある。一方、仕入れを海外に依存する同社の性質上、仕入先国の政治・経済情勢、為替相場が経営上のリスクとなり得る。デリバティブ評価損益が経常利益にあたる影響が大きい点も弱みと言える。更に重くて嵩張る商品の性質上その海上運搬にかかるコストとしてCIF価格などにも影響をうけるものと見られる。

KPI

2021年3月期の主要KPIは以下のとおり。
①建材関連事業売上高15,880百万円(前年同期比▲22.2%)
②不動産賃貸事業売上高127百万円(前年同期比+7.9%)
③その他売上高760百万円(前年同期比+25.7%)

業績

2017年3月期から2021年3月期まで過去5期分の経営状況をみると、売上高は2020年3月までおおむね200億円、営業利益は50億円前後で堅調に推移してきたが、経常利益はデリバティブ評価益が20億円前後計上され20 19年3月期は72億円、2020年3月期は81億円と好調な期もあった。2021年3月期は新型コロナウイルスの影響もあり170億円で前期比▲19.1%となった。営業利益も40億円で前期比▲22.2%となった。営業CFはプラスで投資CFはマイナス傾向。財務CFは年度により変動があるものの直近3期は連続してマイナス推移。2021年3月期の自己資本比率は71.8%であった。