2734 サーラコーポレーションの業績について考察してみた

2734 サーラコーポレーションの業績について考察してみた

PERAGARUアナリスト

沿革

1909年10月豊橋瓦斯株式会社として豊橋における都市ガス供給を担う会社として創業。1943年9月には豊橋瓦斯と浜松瓦斯が合併し、中部ガス株式会社が設立。1961年から1969年の間に、中部液化ガス株式会社(現ガステックサービス株式会社)、新協産業株式会社(現サーラカーズジャパン株式会社)、中部設備工業株式会社(現株式会社中部)、中部住宅販売株式会社(現サーラ住宅株式会社)を設立。2002年5月ガステックサービス株式会社、株式会社中部、サーラカーズジャパン株式会社などを傘下に収める持株会社として株式会社サーラコーポレーションが設立され、東証一部に上場。2009年10月サーラグループ創立100周年。2016年7月株式会社サーラコーポレーションを持株会社とする体制に移行。その後も展開する事業領域の地域企業の子会社化(株式取得)を続けている、豊橋を主要な事業基盤とし、地域の総合エネルギー企業として、都市ガス、LPガスの供給を中心に、電気販売、バイオマス発電の他、戸建て建設、インフラ設備工事などの幅広く手掛ける

2020年11月期 決算説明会 (機関投資家・アナリスト向け決算説明会)

2020年11月期 決算説明会 (機関投資家・アナリスト向け決算説明会)

株主構成

有価証券報告書によると2020年11月末時点の筆頭株主はサーラコーポレーション従業員持株会で保有比率は7.11%。以下は5%未満の保有で、国内信託銀行等の信託口や銀行などや、代表取締役社長兼グループ代表CEOである神野吾郎氏が保有比率2.02%などで並ぶ。外国人株式保有比率は10%未満。

取締役会

取締役は10名(社内6名、社外4名)、うち監査等委員は3名(社内1名、社外2名)。監査等委員会設置会社である。社内取締役は全員が中部瓦斯(現サーラエナジー株式会社)出身者で、鳥居裕氏は2018年2月よりサーラエナジー社の代表取締役社長に就任している。

代表取締役の経歴

代表取締役社長兼グループ代表CEOの神野吾郎氏は1960年8月生まれ。慶應義塾大学商学部を卒業後、1983年4月に三井信託銀行(現三井住友信託銀行) に入行。1990年8月に中部瓦斯に入社し、2000年8月ガステックサービス株式会社の代表取締役社長に就任。2002年5月株式会社サーラコーポレーションの代表取締役社長に就任。その後グループ会社の取締役も兼任し、2016年11月からは豊橋商工会議所の会頭も務めている。

報告セグメント

「エネルギー&ソリューション事業」、「エンジニアリング&メンテナンス事業」、「ハウジング事業」、「カーライフサポート事業」、「アニマルヘルスケア事業」、「プロパティ事業」の6報告セグメントに大別され、2021年11月期第1四半期の売上高52,493百万円の構成比はエネルギー&ソリューション事業51.5%、エンジニアリング&メンテナンス事業13.9%、ハウジング事業13.8%、カーライフサポート事業6.3%、アニマルヘルスケア事業13.8%、プロパティ事業2%である。通期でみると、利益の太宗はエネルギー&ソリューション事業と、エンジニアリング&メンテナンス事業で稼いでおり、期によっては赤字となる事業もある。

事業モデル

主力のエネルギー&ソリューション事業は、家庭用及び業務用のガス販売を中心に行う。愛知県東部および静岡県西部に天然ガスを主原料とする都市ガスを供給する他、中部地方を中心に宮城から広島まで広域にLPガス・石油製品を供給する。また、中部地方・関東地方では電気販売も行い、2019年7月には東三河バイオマス発電所を建設し営業を開始している。ガス・石油の大型輸送から各戸への配送までの物流や、リフォーム、富士山麓の天然水の宅配、カルチャースクールの運営なども展開する。
エンジニアリング&メンテナンス事業は、オフィスビル、病院や学校、マンション、公園、道路、橋、などの社会インフラ全般の、ガス・上下水道や土木・舗装・港湾工事などの設備工事やそれに付帯するメンテナンス工事を中心に行う。
ハウジング事業は一般顧客を対象に、愛知、静岡西部を中心に高品質な注文・分譲住宅を企画・販売する他、建築資材販売も行う。
カーライフサポート事業は愛知・静岡・東京にフォルクスワーゲン正規ディーラー8店舗、アウディ正規ディーラー3店舗を展開する。
アニマルヘルスケア事業は畜産部門とペット関連部門とに分けられ、動物用医薬品の販売を行う。プロパティ事業では不動産の仲介業務や宴会・ブライダル事業を行う。

競合他社

5020ENEOSホールディングス、5019出光興産、9531東京瓦斯、9532大阪瓦斯などが競合他社として挙げられる。しかし同社は豊橋市を中心として商圏を広げていることと、ガス会社などはそれぞれの地域で強みがあるため、直接的な競合にはなりにくい

連結の範囲

エネルギー&ソリューション事業に携わる会社はサーラエナジー株式会社を始め、合計18社。エンジニアリング&メンテナンス事業に携わる会社は株式会社中部を始め、合計10社。ハウジング事業に携わる会社はサーラ住宅株式会社を始め合計6社、カーライフサポート事業に携わる会社はサーラカーズジャパン株式会社、アニマルヘルスケア事業では株式会社アスコを始め合計4社、プロパティ事業は中部ガス不動産株式会社を始め合計3社、その他3社。合計するとサーラコーポレーションで連結子会社に該当するのは45社。

強み・弱み

豊橋市周辺エリアにおける圧倒的なシェアが同社の強みである。東海地方では、都市ガスエリアのエネルギーシェア47%を有す。収益の柱はエネルギー&ソリューション事業であるが、物流会社やハウスメーカー、道路補修会社や建設会社、不動産会社など様々なインフラ分野の企業を傘下に擁し、多様な収益源を擁することも経営の安定性に寄与している。資源価格の変動が業績に与える影響が大きい点は懸念点である。

2020年11月期 決算説明会 (機関投資家・アナリスト向け決算説明会)

2020年11月期 決算説明会 (機関投資家・アナリスト向け決算説明会)

KPI

①ガス・電気における新規顧客数(前年同期比+2.4%)
②各事業における売上高・営業利益の推移

2020年11月期 決算説明会 (機関投資家・アナリスト向け決算説明会)

2020年11月期 決算説明会 (機関投資家・アナリスト向け決算説明会)

業績

2016年11 月期比で2020年11月期には売上高は約1.4倍、営業利益は約2.2倍へ増加、事業領域を補完すべく積極的にM&Aしてきたことによるところが大きい。ガス原料価格の低下による減収や新型コロナウィルスによる営業活動の停滞により売上高は微減だが、粗利率の改善により営業利益は伸びている。恒常的に営業CFはプラス、投資CFはマイナスで、地域で事業を補完する企業を子会社化した 年にはFCFがマイナスとなることもある。自己資本比率は30%で推移。