2734 サーラコーポレーションの業績について考察してみた

2734 サーラコーポレーションの業績について考察してみた

PERAGARUアナリスト

四半期業績推移随時更新中

(単位:百万円) 決算期 売上 営業利益 営業利益率
FY2022.Q2 2022.05 59,822 3,222 5.39%
FY2022.Q3 2022.08 54,744 -321 -0.59%
FY2022.Q4 2022.11 61,827 969 1.57%
FY2023.Q1 2023.02 64,154 3,004 4.68%
(単位:百万円) 決算期 売上 営業利益 営業利益率
FY2017.Q2 2017.05 58,271 3,536 6.07%
FY2017.Q3 2017.08 42,949 -765 -1.78%
FY2017.Q4 2017.11 50,946 -425 -0.83%
FY2018.Q1 2018.02 51,665 2,547 4.93%
FY2018.Q2 2018.05 56,714 2,876 5.07%
FY2018.Q3 2018.08 45,767 -530 -1.16%
FY2018.Q4 2018.11 54,454 603 1.11%
FY2019.Q1 2019.02 50,799 1,860 3.66%
FY2019.Q2 2019.05 56,343 2,971 5.27%
FY2019.Q3 2019.08 47,171 -329 -0.7%
FY2019.Q4 2019.11 59,497 1,055 1.77%
FY2020.Q1 2020.02 53,290 2,359 4.43%
FY2020.Q2 2020.05 57,472 3,234 5.63%
FY2020.Q3 2020.08 46,607 -427 -0.92%
FY2020.Q4 2020.11 54,333 774 1.42%
FY2021.Q1 2021.02 52,493 2,876 5.48%
FY2021.Q2 2021.05 61,323 3,431 5.59%
FY2021.Q3 2021.08 53,736 -277 -0.52%
FY2021.Q4 2021.11 60,383 562 0.93%
FY2022.Q1 2022.02 58,455 3,021 5.17%
FY2022.Q2 2022.05 59,822 3,222 5.39%
FY2022.Q3 2022.08 54,744 -321 -0.59%
FY2022.Q4 2022.11 61,827 969 1.57%
FY2023.Q1 2023.02 64,154 3,004 4.68%

沿革

1909年10月豊橋瓦斯株式会社として豊橋における都市ガス供給を担う会社として創業。1943年9月には豊橋瓦斯と浜松瓦斯が合併し、中部ガス株式会社が設立。1961年から1969年の間に、中部液化ガス株式会社(現ガステックサービス株式会社)、新協産業株式会社(現サーラカーズジャパン株式会社)、中部設備工業株式会社(現株式会社中部)、中部住宅販売株式会社(現サーラ住宅株式会社)を設立。2002年5月ガステックサービス株式会社、株式会社中部、サーラカーズジャパン株式会社などを傘下に収める持株会社として株式会社サーラコーポレーションが設立され、東証一部に上場。現在は東証プライム。2009年10月サーラグループ創立100周年。2016年7月株式会社サーラコーポレーションを持株会社とする体制に移行。その後も展開する事業領域の地域企業の子会社化(株式取得)を続けている、豊橋を主要な事業基盤とし、地域の総合エネルギー企業として、都市ガス、LPガスの供給を中心に、電気販売、バイオマス発電の他、戸建て建設、インフラ設備工事などの幅広く手掛ける

株主構成

四半期報告書によると2022年5月末時点の大株主は、日本マスタートラスト信託銀行 株式会社(信託口)が8.10%、サーラコーポレーション従業員持株会が7.66%、株式会社日本カストディ銀行(信託口)が5.67%。以下5%未満の保有で、信託銀行やメガバンク、代表取締役社長兼グループ代表CEOである神野吾郎氏などが並ぶ。

取締役会

取締役は11名(社内7名、社外4名)、うち3名は監査等委員。監査等委員会設置会社である。社内取締役の大半が中部瓦斯(現サーラエナジー株式会社)の出身者。

代表取締役の経歴

代表取締役社長兼グループ代表CEOの神野吾郎氏は1960年8月生まれ。慶應義塾大学を卒業後、1983年4月に三井信託銀行(現三井住友信託銀行) に入行。1990年8月に中部瓦斯株式会社に入社し、2000年8月ガステックサービス株式会社の代表取締役社長に就任。2002年5月株式会社サーラコーポレーションの代表取締役社長に就任。その後グループ会社の取締役も兼任し、2016年11月からは豊橋商工会議所の会頭も務めている。
代表取締役専務の松井和彦氏は1955年3月生まれ。2004年に中部瓦斯株式会社(現サーラエナジー株式会社)へ入社し、2010年より取締役を務めている。2011年に同社の常務取締役へ就任し、2012年より現職を務めている。

報告セグメント

「エネルギー&ソリューション事業」、「エンジニアリング&メンテナンス事業」、「ハウジング事業」、「カーライフサポート事業」、「アニマルヘルスケア事業」、「プロパティ事業」の6報告セグメント及び「その他」に大別され、2022年11月期第2四半期の売上高118,277百万円の構成比はエネルギー&ソリューション事業50.5%、エンジニアリング&メンテナンス事業13.4%、ハウジング事業15.7%、カーライフサポート事業6.4%、アニマルヘルスケア事業11.4%、プロパティ事業1.7%、その他0.9%である。セグメント利益は、エネルギー&ソリューション事業4,519百万円、エンジニアリング&メンテナンス事業1,409百万円、ハウジング事業211百万円、カーライフサポート事業5百万円、アニマルヘルスケア事業514百万円、プロパティ事業▲188百万円、その他61百万円であり、調整額を差し引いた営業利益は6,243百万円であった。

事業モデル

主力のエネルギー&ソリューション事業は、家庭用及び業務用のガス販売を中心に行う。愛知県東部および静岡県西部に天然ガスを主原料とする都市ガスを供給する他、中部地方を中心に宮城から広島まで広域にLPガス・石油製品を供給する。また、中部地方・関東地方では電気販売も行い、2019年7月には東三河バイオマス発電所を建設し営業を開始している。ガス・石油の大型輸送から各戸への配送までの物流や、リフォーム、富士山麓の天然水の宅配、カルチャースクールの運営なども展開する。
エンジニアリング&メンテナンス事業は、オフィスビル、病院や学校、マンション、公園、道路、橋、などの社会インフラ全般の、ガス・上下水道や土木・舗装・港湾工事などの設備工事やそれに付帯するメンテナンス工事を中心に行う。
ハウジング事業は一般顧客を対象に、愛知、静岡西部を中心に高品質な注文・分譲住宅を企画・販売する他、建築資材販売も行う。
カーライフサポート事業は愛知・静岡・東京にフォルクスワーゲン正規ディーラー8店舗、アウディ正規ディーラー3店舗を展開する。
アニマルヘルスケア事業は畜産部門とペット関連部門とに分けられ、動物用医薬品の販売を行う。プロパティ事業では不動産の仲介業務や宴会・ブライダル事業を行う。
コロナ禍の長期化や原材料価格の高騰などにより、先行きが不透明な状況となっている。しかし、エネルギー&ソリューション事業で取扱う都市ガスは、家庭用をはじめ工業用、業務用のガス販売量が増加しているとみられ、原料費調整制度に基づき都市ガス販売価格を上方調整するとともに、LPガス販売価格を改定したことにより、売上高は増加している。

競合他社

5020ENEOSホールディングス(直近決算期売上高109,217億円)、5019出光興産(直近決算期売上高66,867億円)、9531東京瓦斯(直近決算期売上高21,451億円)、9532大阪瓦斯(直近決算期売上高15,868億円)などが競合他社として挙げられる。しかし同社は豊橋市を中心として商圏を広げていることと、ガス会社などはそれぞれの地域で強みがあるため、直接的な競合にはなりにくい

連結の範囲

同社グループは、同社、子会社45社及び関連会社16社で構成され、エネルギー&ソリューションズ事業、エンジニアリング&メンテナンス事業、ハウジング事業、カーライフサポート事業、アニマルヘルスケア事業、プロパティ事業を主な事業とし、さらに自動車部品製造、割賦販売及びリース等、その他の事業活動を展開する。

強み・弱み

豊橋市周辺エリアにおける圧倒的なシェアが同社の強みである。東海地方では、都市ガスエリアのエネルギーシェア47%を有す。収益の柱はエネルギー&ソリューション事業であるが、物流会社やハウスメーカー、道路補修会社や建設会社、不動産会社など様々なインフラ分野の企業を傘下に擁し、多様な収益源を擁することも経営の安定性に寄与している。資源価格の変動が業績に与える影響が大きい点は懸念点である。

KPI

各事業の重要指標として以下が開示されている。詳細は下図参照。

2022年11月期第2四半期 決算説明会資料

業績

2017年11月期から2021年11月期までの5期をみると、売上高は199,675百万円から227,935百万円、経常利益は4,491百万円から8,312百万円と増収増益。事業領域を補完すべく積極的にM&Aしてきたことによるところが大きい。ガス原料価格の低下による減収や新型コロナウィルスによる営業活動の停滞により2020年11月期は微減となったが、直近期には回復。営業CFは恒常的にプラス、投資CFは恒常的にマイナス。2022年11月期第2四半期の自己資本比率は38.1%。

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