4395 アクリートの業績について考察してみた

4395 アクリートの業績について考察してみた

PERAGARUアナリスト

沿革

2014年5月インディゴ株式会社のSMS配信サービス事業を会社分割し、株式会社アクリートとして設立。同年9月海外SMSアグリゲーター向けにSMPP国際ゲートウェイサービスを開始。2015年3月配信したSMSに対する返信が可能となる双方向SMSサービスを開始。2018年7月東証マザーズへ上場。2020年11月米Forbesのアジア版「Forbes Asia」が選ぶ「Asia’s 200 Best Under A Billion」を初受賞。本社は東京都千代田区。大量かつ安定したSMS配信を行うことができる大規模配信プラットフォームで、企業から個人向けのSMS配信の代行事業を展開する。インディゴ株式会社は9984ソフトバンクグループの孫正義会長の実弟・孫泰蔵氏が東京大学在学中の1996年に創業したベンチャー企業。2003年よりSMS配信サービスを提供、2010年より法人向けSMS配信事業を開始。

株主構成

有価証券報告書によると2020年12月末時点の筆頭株主は、同社の保有株式運用を行う関連会社のBANA1号有限責任事業組合で9.73%。以下NSL DTT CLIENT ACCOUNT 3 5.02%、5%未満の保有割合で国内外の証券会社、信託銀行の信託口など金融機関が続く。外国人保有比率は20%以上30%未満

取締役会

取締役は6名(社内4名、社外2名)、監査役は3名(社内1名、社外2名)、監査役会設置会社である。専務取締役の池田裕太氏は、株式会社トーメン(現8015豊田通商)入社後、アダムネット株式会社(現2665三井情報)、9437NTTドコモを経て、2018年6月池田裕太行政書士事務所を開業後、2019年3月に同社に入社。取締役サービスデベロップメント部長の上川佳一氏はインディゴ株式会社などを経て2015年2月に同社に入社。取締役セールス&パートナーシップ部長の浦田泰裕氏はNTTドコモを経て2019年8月に同社に入社。

代表取締役の経歴

代表取締役社長の田中優成氏は1968年5月生まれ。1993年立命館大学国際関係学部を卒業後、トーメン(8015豊田通商)入社。その後2007年インディゴ入社。2014年5月同社取締役、2018年3月同社専務取締役を経て、2019年1月より現職に就任。

報告セグメント

「SMS配信サービス事業」の単一セグメント。2020年12月期売上高1,731百万円の構成比は国内SMS56.1%、海外SMS43.9%。国内売上高のうち個人認証が38.8%だった。

事業モデル

企業から個人向けにSMS配信を代行するサービス(SMS配信サービス)を直接販売、販社・代理店経由もしくは海外SMSアグリゲーター向けのSMPP国際ゲートウェイサービス通じて提供する。SMS配信サービスの用途は、会員登録、端末変更、パスワード配信などを行う際の携帯電話番号を用いた個人認証手段、採用情報、期限告知、支払催促、予約確認、WEBへの誘導、問合せ対応、キャンペーン、CRMなどのマーケティング・コミュケーション手段、IoT分野でのSIMを利用した遠隔操作手段など多岐にわたる。NTTドコモ、KDDI,ソフトバンクなどの携帯電話事業と複数宛先に大量配信を可能にする同社開発の法人向けSMS配信サービスシステムによる接続を行うことで、大量配信・MNP対応を可能としている。SMS配信サービスは、企業から個人への一方向のSMS配信だけではなく、個人からの返信が可能な双方向サービス、電話自動対応により顧客目的ごとに異なるSMS配信を行うIVRサービスも行う。

同社HP TOP

競合他社

SMS送信サービス「空電プッシュ」のNTTコムオンライン・メーケティング・ソリューション株式会社、SMSLINKの株式会社ネクスウェイなどが競合として挙げられる。

連結の範囲

連結の対象となる親会社・子会社を持たない。

強み・弱み

日本初携帯電話番号認証を開始するなどSMSマーケットのパイオニアとして経験やノウハウをもち、国内最大規模のSMS取扱実績をもつことが強み。本人認証とサービス業においてベンダー別売上金額がいずれもシェア1位(出典:ITR「ITR Mark,et View: ECサイト構築/CMS/SMS送信サービス/電子契約サービス市場2020」SMS送信サービス市場)、海外法人A2P-SMS直収配信数1位(ミックITリポート2020年11月号:デロイトトーマツミック経済研究所株式会社)。またSMS配信システムの品質の高さや豊富な導入実例ももつ。一方で携帯電話事業者によるSMSの送信単価の引き上げなどなんらかの契約変更があった場合や拡大する市場への新規参入企業の増加の可能性などが懸念点である。

KPI

配信数や契約企業数などがKPIとなるが開示はない。新型コロナウイルス感染症の世界的な感染拡大の影響を受け、ニューノーマルと呼ばれる、社会・経済活動の大きな変容に伴い、ITサービス系の二段階認証が伸長。国内-個人認証の売上高の推移はKPIのかわりとなり得る。
・国内-個人認証売上高2020年月期378百万円(前年同期比+42%)

2020年12月期決算説明会資料

業績

売上高・利益ともに安定的な成長を継続しており、2016年12月から2020年12月期までの5年間で売上高4.9倍、経常利益は39百万円から345百万円まで8.7倍に成長。営業CFは恒常的にプラスで推移、財務CFは2018年12月期と2019年12月期を除きマイナスである。自己資本率は2020年12月期77.8%。