7162 アストマックスの業績について考察してみた

7162 アストマックスの業績について考察してみた

PERAGARUアナリスト

四半期業績推移随時更新中

(単位:百万円) 決算期 売上 営業利益 営業利益率
FY2022.Q3 2021.12 2,796 -13 -0.46%
FY2022.Q4 2022.03 5,446 550 10.1%
FY2023.Q1 2022.06 2,070 26 1.26%
FY2023.Q2 2022.09 3,725 -369 -9.91%
(単位:百万円) 決算期 売上 営業利益 営業利益率
FY2017.Q4 2017.03 967 52 5.38%
FY2018.Q1 2017.06 974 37 3.8%
FY2018.Q2 2017.09 1,169 44 3.76%
FY2018.Q3 2017.12 1,462 8 0.55%
FY2018.Q4 2018.03 2,581 77 2.98%
FY2019.Q1 2018.06 2,043 82 4.01%
FY2019.Q2 2018.09 5,764 26 0.45%
FY2019.Q3 2018.12 0 0 0%
FY2019.Q4 2019.03 3,313 52 1.57%
FY2020.Q1 2019.06 1,783 -103 -5.78%
FY2020.Q2 2019.09 4,105 60 1.46%
FY2020.Q3 2019.12 2,751 -29 -1.05%
FY2020.Q4 2020.03 3,293 -94 -2.85%
FY2021.Q1 2020.06 1,649 89 5.4%
FY2021.Q2 2020.09 2,191 -5 -0.23%
FY2021.Q3 2020.12 2,045 33 1.61%
FY2021.Q4 2021.03 6,395 145 2.27%
FY2022.Q1 2021.06 1,822 -4 -0.22%
FY2022.Q2 2021.09 2,705 -6 -0.22%
FY2022.Q3 2021.12 2,796 -13 -0.46%
FY2022.Q4 2022.03 5,446 550 10.1%
FY2023.Q1 2022.06 2,070 26 1.26%
FY2023.Q2 2022.09 3,725 -369 -9.91%

沿革

2012年10月にアストマックス・トレーディング株式会社が単独株式移転によって、アストマックス株式会社を設立し、大証JASDAQ(スタンダード)に上場。2013年7月に東証と大証の統合に伴い、東証JASDAQ(スタンダード)に上場。2016年8月にヤフー株式会社と資本・業務提携契約を締結。本社は東京都品川区。資産運用事業と太陽光等の再生可能エネルギー事業が柱

株主構成

2021年3月期第2四半期報告書によると2020年9月末時点の大株主は、筆頭株主が株式会社大和証券グループ本社で17.6%、次いで前取締役会長の小倉啓満氏の資産管理会社とみられる有限会社啓尚企画が9.1%、代表取締役会長の牛嶋英揚氏が5.1%、マネックスグループ株式会社が4.4%、山本純也氏が3.2%、持分法適用関連会社であるアストマックス投信投資顧問株式会社の前取締役会長の白木信一郎氏が2.8%、常務執行役員の小幡健太郎氏が2.5%等、証券会社等の金融機関と、取締役や資産管理会社等が並ぶ。外国人株式保有比率は10%未満。

取締役会

取締役は4名(社内2名、社外2名)、監査役4名 (全員社外)、監査役会設置会社である。社外取締役の橋本昌司氏は弁護士資格を保有しており、三井安田法律事務所や渥美総合法律事務所等の数社を経て、2017年6月に現職に就任。GMOリサーチ株式会社の取締役や株式会社坪田ラボの社外取締役を兼任する。社外取締役の溝渕寛明氏は住友商事株式会社を経て、住友商事九州株式会社の代表取締役社長を歴任。2020年6月に現職に就任した。

代表取締役の経歴

代表取締役会長の牛嶋英揚氏は1955年7月生まれ。1978年4月に住友商事株式会社に入社。1993年4月に同社の連結子会社であるアストマックス・トレーディング株式会社に入社後、常務取締役と代表取締役社長を経て、2010年7月に代表取締役会長に就任。2012年に現職に就任した。
代表取締役社長の本多弘明氏は1956年10月生まれ。神戸商科大学を卒業後、1979年4月に住友商事株式会社に入社。ウェストエルビー・アーゲー東京支店を経て、アストマックス・アセット・マネジメント株式会社の代表取締役社長やアストマックス・トレーディング株式会社の代表取締役社長に就任。2020年6月に現職に就任した。

報告セグメント

「アセット・マネジメント事業」、「ディーリング事業」、「再生可能エネルギー関連事業」、「電力取引関連事業」、「小売事業」の5つの報告セグメントに大別される。
2021年3月期は、全社費用等の調整前の営業収益12,411百万円に対してアセット・マネジメント事業が133百万円で1.1%、ディーリング事業が641百万円で5.2%、再生可能エネルギー関連事業が1,370百万円で11.0%、電力取引関連事業が10,083百万円で81.2%、小売事業が152百万円で1.2%を占める。
アセット・マネジメント事業の利益率はマイナスが続く。ディーリング事業は期によって変動が大きく、利益率がマイナスから30%台を推移する。再生可能エネルギー関連事業は1桁台前半の利益率である。電力取引関連事業は利益率マイナスが続き、当期より新しく追加された小売事業はマイナスである。

事業モデル

主力の再生可能エネルギー関連事業では、再生可能エネルギーを利用した発電および電気の供給事業を行っており、新たな太陽光発電所の開発や地熱発電の事業化に取り組む。既に開発済みの太陽光発電所では、売電・運用管理を行う 。国内に17の発電所を有する。電力取引関連事業では、小売電気事業者への業務代行サービスやシステムの販売支援サービスを提供。小売事業では、2016年4月から始まった電力自由化に伴う多様な電力調達方法に対応して、電力やガスの卸売り販売を行う。アセット・マネジメント事業では、機関投資家・個人投資家や国内年金基金等の金融資産運用業務や、ヘッジファンドやプライベートエクイティファンドへ投資をするファンド・オブ・ファンズ業務、ベンチャーキャピタルファンドの運営業務等を行う。同事業を担う主要連結子会社であったASTAN社株式を、2019年4年にヤフー株式会社に一部譲渡し、非連結化したことから2020年3月期より売上高構成比率が低下。ディーリング事業では国内外の取引所で商品先物や金融先物の自己勘定取引を行う。
その他の事業として、同社の持つ再生可能エネルギー関連技術のノウハウを農業に活用した地方創成ビジネスを実施する。

競合他社

アセット・マネジメント事業、再生可能エネルギー関連事業の太陽光発電および地熱発電のいずれも競合は多い。

連結の範囲

連結子会社を10社、持分法適用関連会社を2社持つ。 主要な連結子会社には、再生可能エネルギー関連事業と電力取引関連事業、ディーリング事業を担うアストマックス・トレーディング株式会社や、アセット・マネジメント事業を担うアストマックス・ファンド・マネジメント株式会社が挙げられる。

強み・弱み

強みとして、従来のアセット・マネジメント事業や、再生可能エネルギー関連事業を筆頭とするリアルビジネスといった多様な収益源が挙げられる。同社は金融市場の影響を受けやすいアセット・マネジメント事業とディーリング事業が柱であったが、市場環境に左右されない収益柱の構築として2012年より再生可能エネルギー関連事業等のリアルビジネスを展開。国内に17の発電所を有する、主力事業へと成長した。またディーリング事業で培った市場取引の経験を、電力取引関連事業の電力調達取引等に活かす。アセット・マネジメント事業と再生可能エネルギー関連事業間では再生可能エネルギーを投資対象とするファンドを組成する等、事業間シナジーを図る。懸念点としては、事業化を進める地熱発電事業において調査井で想定していた熱水や蒸気を得らない場合に、投資費用を回収できないリスクが挙げられる。

KPI

KPIには、アセット・マネジメント事業における運用資産残高と電力販売実績の2つが挙げられる
①運用資産残高:3,132億円(2021年3月)

2021年3月期第3四半期決算発表会資料

②電力販売実績(2020年度):1,509万件(2020年10月)

2021年3月期第3四半期決算発表会資料

業績

売上高は2016年3月期から2021年3月期の過去5年間で4倍に増加。経常利益は期によって損失に転じる期もあり、2020年3月期はASRAM社の非連結化に伴う管理コストの増加によりマイナスであったが21年3月期には262百万円まで戻した。営業CFは2019年3月期を除いてプラスを継続。投資CFは21年3月期を除いてマイナスを継続。財務CFは2018年3月期を除いてプラス。自己資本比率は2021年3月期で46.0%

※本記事公開時点で、2021年3月期の決算短信のみ公表があるため、数値や図など、決算短信で確認可能なもののみ最新地を用い、会社からの公表待ちのものについては2021年3月期第3四半期の決算公表時までに開示された資料を参照した。

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