7970 信越ポリマーの業績について考察してみた

7970 信越ポリマーの業績について考察してみた

PERAGARUアナリスト

沿革

1960年9月、4063信越化学工業の全額出資により塩ビ加工メーカーとして設立。1981年2月、米国に販売子会社を設立して以降、海外現地法人設立を進める。1983年12月に東証二部上場、1985年9月東証一部に変更となった。2022年4月市場区分の見直しによりプライム市場へ移行。半導体ウエハー容器が主力の樹脂加工メーカー

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株主構成

有価証券報告書によると2022年3月末時点の筆頭株主は、親会社の4063信越化学工業で保有割合53.34%。次いで日本マスタートラスト信託銀行の信託口が9.10%で続き、以降は保有割合5%以下で国内銀行信託口、生保、海外金融機関、国内信託銀行が並ぶ。外国人株式保有比率は10 %以上20%未満

取締役会

取締役は5名(社内3名、社外2名)、監査役は4名(社内1名、社外3名)、監査役会設置会社である。社内取締役は2名がプロパー、次項の代表取締役が信越化学工業出身者。

代表取締役の経歴

代表取締役社長 社長執行役員の小野義昭氏は1944年1月生まれ。横浜国立大学卒業後、1967年4月4063信越化学工業に入社。2003年6月に取締役就任。その後新規製品部長、常務取締役、代表取締役専務・シリコーン事業本部長などを歴任後、2013年6月に同社入社、代表取締役社長に就任した。

報告セグメント

「電子デバイス」、「精密成型品」、「住環境・生活資材」の3報告セグメント、および報告セグメントに含まれない工事関連事業などの「その他」で構成される。2023年3月期第1四半期における売上高25,226百万円の構成は電子デバイスが22.2%、精密成型品が45.3%、住環境・生活資材が25.7%、残りがその他だった。精密成型品事業の半導体ウエハー容器の利益率が高いこともあり、営業利益は8割弱が同事業で計上される。

事業モデル

電子デバイス事業では入力デバイスなどエレクトロニクス関連分野を中心に事業展開、主力の自動車用キースイッチのほか、ノートパソコン用タッチパッド、ディスプレイ関連製品、コンポーネント関連製品を製造する。自動車関連電装メーカーの他、モバイル機器メーカー、電子部品メーカーなどが販売先
精密成型品事業は半導体シリコンウエハー容器やOA機器用部品、医療機器用部品を製造し、各業界のメーカーに販売をおこなっている。
住環境・生活資材事業ではスーパーや外食産業向けのラッピングフィルムのほか、建設資材として使われる塩ビパイプ関連製品や自動車やスマホに用いられる機能性コンパウンドなどの製造販売を行う。業務用塩ビ小巻ラップは国内トップシェア。導電性ポリマーなどの新規材料事業も手掛ける。
全社の地域別売上高は日本が5割強、中国が2割弱を占める。海外売上高比率は49.6%(2022年3月期)。国内8か所、海外14ヶ所(後述、連結の範囲参照)の生産、販売拠点にて事業を展開している。
事業環境は半導体産業や電子部品産業の需要拡大が続く。自動車関連産業は回復がみられるものの部品調達不足により出荷が伸びていない。またウクライナ紛争の長期化の影響などによる原材料価格の高騰が懸念される。

2022年3月期アニュアルレビュー

競合他社

半導体ウエハー容器専業メーカーの4238ミライアル(2022年1月期売上高11,661百万円)や、化学メーカーの4220リケンテクノス(2022年3月期売上高109,923百万円)などが挙げられる。

連結の範囲

親会社は4063信越化学工業。同社の連結子会社は16社が該当し、精密成型品等の販売を行う信越ファインテック株式会社の他、米国、マレーシア、オランダ、中国、インドネシア、ハンガリー、シンガポール、インド、タイ、ベトナムに製造、販売を行う現地法人を持つ。

強み・弱み

信越化学グループの一員として材料開発から加工までを一貫して行う総合力、グローバルな生産・販売体制と長年培ってきた高度な技術力が強み。一方で自動車業界の需要低迷継続販売比率の高い中国経済の鈍化がリスク要因となる。また事業活動を営むアジア、北米、欧州等の為替や原材料となる原油価格の変動も業績に影響を与える。

KPI

①半導体市場規模(2023年予測679,650百万米ドル、電子情報技術産業協会調べ)
②世界自動車生産台数(2020年7,762万台、前年比▲15.8%、日本貿易振興機構調べ)
③為替
④原油価格

業績

直近5か年(2018年3月期~2022年3月期)の業績をみると、コロナ禍の影響から2020年3月期、2021年3月期と減収減益だったが、均してみれば長期的にはその水準を切り上げている。営業利益率は2018年3月期の9.0%から2022年3月期は10.5%と改善してきている。自己資本比率は概ね70%台後半で借入金ゼロの無借金経営。設備投資と研究開発費に一定額を拠出しており、投資CFは恒常的にマイナス。フリーCFは毎期プラスを維持している。

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