7970 信越ポリマーの業績について考察してみた

PERAGARUアナリスト

沿革

1960年9月、信越化学工業株式会社の全額出資により塩ビ加工メーカーとして設立。1981年2月、米国に販売子会社を設立して以降、海外現地法人設立を進める。1983年12月に東証二部上場、1985年9月東証一部に変更となった。半導体ウエハー容器が主力の樹脂加工メーカー。

同社HP TOP>製品情報>事業別

株主構成

有価証券報告書によると2020年9月30日時点の筆頭株主は、親会社の信越化学工業株式会社で保有割合53.14%。次いで日本マスタートラスト信託銀行の信託口が5.60%で続き、以降は保有割合5%以下で国内銀行信託口、生保、海外金融機関、国内信託銀行が並ぶ。また2020年12月24日更新のコーポレート・ガバナンス報告書によると、外国人株式保有比率は10 %以上20%未満である。

取締役会

取締役は11名(社内9名、社外2名)、監査役は3名(全員社外)、監査役会設置会社である。社内取締役は7名がプロパー、2名が信越化学工業出身者で構成されている。

代表取締役の経歴

代表取締役社長の小野義昭氏は1944年1月生まれ。横浜国立大学卒業後、1967年4月信越化学工業株式会社に入社。2003年6月に取締役就任。その後新規製品部長、常務取締役、代表取締役専務・シリコーン事業本部長などを歴任後、2013年6月に同社入社、代表取締役社長に就任した。

報告セグメント

「電子デバイス 」、「精密成型品」、「住環境・生活資材」の3報告セグメント、および報告セグメントに含まれない工事関連事業などの「その他」で構成される。2021年3月期第3四半期累計期間における売上高55,782百万円の電子デバイスが22.9%、精密成型品が45.0%、住環境・生活資材が23.6%、残りがその他だった。精密成型品事業の半導体ウエハー容器の利益率が高いこともあり、営業利益は8割超が同事業で計上される。

事業モデル

電子デバイス事業では入力デバイスなどエレクトロニクス関連分野を中心に事業展開、特に自動車関連入力デバイスがセグメント売上の約7割を占める。自動車関連電装メーカーの他、モバイル機器メーカー、電子部品メーカーなどが販売先。
精密成型品事業は半導体シリコンウエハー容器やOA機器用部品、医療機器用部品を製造し、各業界のメーカーに販売をおこなっている。
住環境・生活資材事業ではスーパーや外食産業向けのラッピングフィルムがセグメント売上高の約3割を占めるほか、建設資材として使われる塩ビパイプ関連製品や自動車やスマホに用いられる機能性コンパウンドなどの製造販売を行う。導電性ポリマーなどの新規材料事業もてがける。
全社の地域別売上高は日本が5割強、中国が2割弱を占め、国内7か所、海外14ヶ所(後述、連結の範囲参照)の生産、販売拠点にて事業を展開している。
事業環境はコロナ禍の影響による自動車業界の需要低迷がみられる一方、半導体業界では底堅い需要が続く。ラッピングフィルムはスーパー向けが堅調も、外食産業向けの落ち込みが大きかった。

2020年3月期アニュアルレビュー

競合他社

半導体ウエハー容器専業メーカーの4238ミライアル(2021年1月期売上高9,733百万円)や、化学メーカーの4220リケンテクノス(2020年3月期売上高98,808百万円)などが挙げられる。

連結の範囲

親会社は信越化学工業株式会社。同社の連結子会社は14社が該当し、精密成型品等の販売を行う信越ファインテック株式会社の他、米国、マレーシア、オランダ、中国、インドネシア、ハンガリー、シンガポール、インド、タイ、ベトナムに製造、販売を行う現地法人を持つ。

強み・弱み

グローバルな生産・販売体制と長年培ってきた高度な技術力が強み。一方で自動車業界の需要低迷継続や販売比率の高い中国経済の鈍化がリスク要因となる。また事業活動を営むアジア、北米、欧州等の為替や原材料となる原油価格の変動も業績に影響を与える。

KPI

①半導体市場規模(2021年予測469,403百万米ドル、電子情報技術産業協会調べ)
②世界自動車生産台数(2019年9,179万台、日本貿易振興機構調べ)
③為替
④原油価格

業績

直近5か年(2016年3月期~2020年3月期)の業績をみると、売上高、営業利益ともに単年での上下はあるが、均してみれば長期的にはその水準を切り上げている。営業利益率は2016年3月期の5.5%から2020年3月期は9.7%と全報告セグメントともに改善してきている。自己資本比率は概ね70%台後半で借入金ゼロの無借金経営。設備投資と研究開発費に一定額を拠出しており、投資CFは恒常的にマイナス。フリーCFは毎期プラスを維持している。