4366 ダイトーケミックスの業績について考察してみた

PERAGARU管理人

ダイトーケミックスの事業概要

ダイトーケミックス株式会社は、大阪府大阪市鶴見区に本社を置く半導体・医療・写真用などの感光性材料製造を行う会社である。
・沿革
1931年に大東化学工業所として設立し、顔料「群青」の製造販売を開始する。1949年に株式会社大東化学工業所に改組し、1991年に現社名であるダイトーケミックス株式会社に変更する。1992年に大阪証券取引所市場第二部に株式上場し、2013年には東京証券取引所市場第二部に株式上場を果たす。
1978年に電子材料中間体分野に進出し、現在では半導体集積回路や液晶ディスプレイなどのフォトレジストに使用される感光性材料の他、有機合成試薬、酸化防止剤、写真の現像液、毛織物の媒染剤、染料の成分となる原料類を製造販売している。
・株主構成
主要株主は、東京応化工業株式会社(4.86%)、日本生命保険(4.66%)、ダイトーケミックス取引先持株会(4.61%)、日本トラスティ・サービス信託銀行(4.49%)であり、代表取締役永松 真一を筆頭に山田 基昭、南 修一、住友 朱之助、中村 あつ子4名の取締役の他9名の役員が在籍し、従業員数は196名となっている。
・報告セグメントと事業の構成、ビジネスモデル
ダイトーケミックス株式会社の報告セグメントは化成品事業(売上高構成比率87%)と環境関連事業(同比率13%)の2つに分けられる。化成品事業は電子材料、イメージング材料、医薬中間体、その他化成品に分けられ、環境関連事業は産業廃棄物処理、化学品リサイクル、非電子部品に分けられる。受注方法は販売先からの問い合わせ後、製造計画や品質のすり合わせ、見積もり作成を行っている。販売先の要望に応えるため研究員が直接応対し、実験検討から製造、納品までの安定供給を実現している。

・業績
2016年3月期決算以降2018年3月期決算まで売上高は9,751百万円から12,509百万円まで2,758百万円まで増加したが、2019年3月期売上高12,068百万円、2020年3月期売上高12,417百万円と横ばい傾向となっている。これに対して営業利益は、2018年3月期決算1,142百万円から2020年3月期決算812百万円と減少傾向となっている。経常利益においても、2018年3月期決算1,175百万円から2020年3月期決算600百万円へと営業利益と同様の減少傾向となっている。営業利益率及び経常利益率の減少の主な要因として原料費比率の上昇、設備投資をしたことによる減価償却費の増加が挙げられる。
この他2020年3月期決算では持分法による投資損失として208百万円の営業外費用を計上している。これは2019年12月12日に当社の持分法適用関連会社であるDAITO-KISCO Corporationにおいて発生した火災の災害損失として、42億32百万ウォン(3億97百万円)に対する持分(50%) 相当額を営業外費用の「持分法による投資損益」の減益項目となっている。
持分法による投資損失である208百万円を一過性の損失であると仮定するならば、2018年3月期決算1,175百万円から2020年3月期決算600百万円までの経常利益減少額517百万円のうち309百万円の収益改善が必要と判断できる。これに対し減価償却費は2017年3月期から2020年3月期まで408百万円から658百万円へと250百万円の増加が見られる。今後は肥大化した固定費の削減と設備投資計画の効率化が必要になってくると考えられる。

化成品事業

化成品事業の2020年3月期売上高は11,107百万円(前年比104.7%)であり、2020年3月期売上高12,417百万円の89.5%を占めている。
化成品事業のうち電子材料において、半導体用感光性材料については、主力製品の需要増加により、販売数量、売上高ともに増加している。また、フラットパネルディスプレイ周辺材料についても、販売製品の構成変化により、販売数量は減少するものの売上高は増加している。この結果、電子材料の売上高は、前連結会計年度比4.0%増の7,260百万円となった。
イメージング材料において、写真材料については、インスタント写真用材料の増加により、販売数量、売上高ともに増加した。イメージング材料は、需要の減少により、販売数量、売上高ともに減少した。また、印刷材料は、販売数量、売上高ともに若干増加した。この結果、イメージング材料の売上高は、前連結会計年度比0.3%減の2,245百万円となった。
医薬中間体については、主力製品は堅調に推移したが、国内の顧客向け開発品の需要の減少により、販売数量は増加、売上高は減少となった。この結果、医薬中間体の売上高は、前連結会計年度比12.2%減の999百万円となった。
その他化成品については、開発品により販売数量は前年度並、売上高は増加した。 この結果、その他化成品の売上高は、前連結会計年度比14.7%増の3億円となった。

環境関連事業

環境関連事業の2020年3月期売上高は1,610百万円(前年比111.6%)であり、2020年3月期売上高12,417の13.0%を占めている。
産業廃棄物処理分野についは、受託の構成変化により、受託量は減少、売上高は増加した。化学品リサイクル分野については、非電子部品関連は、順調に推移したが、電子部品関連かは低調に推移したため、受託量、売上高ともに減少した。この結果、売上高は、前連結会計年度比12.3%増の16億12百万円となった。