6538 キャリアインデックスの業績について考察してみた

6538 キャリアインデックスの業績について考察してみた

PERAGARUアナリスト

四半期業績推移随時更新中

(単位:百万円) 決算期 売上 営業利益 営業利益率
FY2024.Q3 2023.12 955 -85 -8.9%
FY2024.Q4 2024.03 1,135 23 2.03%
FY2025.Q1 2024.06 1,113 115 10.33%
FY2025.Q2 2024.09 991 36 3.63%
(単位:百万円) 決算期 売上 営業利益 営業利益率
FY2017.Q4 2017.03 491 164 33.4%
FY2018.Q1 2017.06 546 176 32.23%
FY2018.Q2 2017.09 566 180 31.8%
FY2018.Q3 2017.12 591 187 31.64%
FY2018.Q4 2018.03 695 211 30.36%
FY2019.Q1 2018.06 630 226 35.87%
FY2019.Q2 2018.09 573 230 40.14%
FY2019.Q3 2018.12 556 201 36.15%
FY2019.Q4 2019.03 598 121 20.23%
FY2020.Q1 2019.06 603 85 14.1%
FY2020.Q2 2019.09 545 59 10.83%
FY2020.Q3 2019.12 473 63 13.32%
FY2020.Q4 2020.03 716 98 13.69%
FY2021.Q1 2020.06 483 82 16.98%
FY2021.Q2 2020.09 494 137 27.73%
FY2021.Q3 2020.12 556 106 19.06%
FY2021.Q4 2021.03 787 202 25.67%
FY2022.Q1 2021.06 670 211 31.49%
FY2022.Q2 2021.09 758 262 34.56%
FY2022.Q3 2021.12 730 230 31.51%
FY2022.Q4 2022.03 900 299 33.22%
FY2023.Q1 2022.06 765 238 31.11%
FY2023.Q2 2022.09 851 193 22.68%
FY2023.Q3 2022.12 795 18 2.26%
FY2023.Q4 2023.03 932 84 9.01%
FY2024.Q1 2023.06 888 109 12.27%
FY2024.Q2 2023.09 789 18 2.28%
FY2024.Q3 2023.12 955 -85 -8.9%
FY2024.Q4 2024.03 1,135 23 2.03%
FY2025.Q1 2024.06 1,113 115 10.33%
FY2025.Q2 2024.09 991 36 3.63%

沿革

2005年11月に株式会社インディビジョンを設立、2006年1月より転職情報サイトの運営を開始。2007年10月アルバイト情報サイトの運営を開始。2013年2月に株式会社キャリアインデックスに商号変更。2016年12月東証マザーズに上場、2017年12月東証一部へ上場。2019年12月6054リブセンスより不動産賃貸サイトを事業譲受にて運営を開始。2022年4月東証の市場区分見直しによりプライム市場へ移行。転職情報、アルバイト・派遣情報、不動産賃貸情報等の複数の求人ポータル情報を集約したサイトの運営が中心

株主構成

有価証券報告書によると2022年9月末時点の筆頭株主は、筆頭株主が代表取締役社長CEOの板倉広高氏で保有割合56.68%。日本カストディ銀行の信託口が10.97%で続き、以降は保有割合5%未満で国内外金融機関、信託銀行信託口、常務取締役COOの齊藤慶介氏などが並ぶ。尚、大量保有報告書によると三井住友DSアセットマネジメントの保有割合が7.10%であると報告されている。外国人株式保有比率は10%以上20%未満

取締役会

取締役は6名(社内4名、社外2名)、監査役3名 (全員社外)、監査役会設置会社である。常務取締役COOの齊藤慶介氏はテクノブレーン株式会社や株式会社パソナ、現6032インターワークスからの出向を経て、2006年10月に同社に入社、2018年6月より現職。取締役CFOの齋藤武人氏は株式会社アイフラッグと株式会社ジェムコ日本経営を経て、2007年4月に同社に入社、2018年6月より現職。取締役CROの星幸宏氏はムーンバット株式会社や、6032インターワークスの取締役副社長を経て、2015年7月に同社に入社、2019年6月より現職。

代表取締役の経歴

代表取締役社長CEOの板倉広高氏は1965年11月生まれ。中央大学を卒業後、1988年4月に6098リクルートホールディングスに入社。ヤフー株式会社や6032インターワークスを経て、2005年11月に同社を設立。代表取締役社長を経て、2018年6月に現職に就任した。

報告セグメント

マーケティング事業とDX事業の2報告セグメント。2022年5月ContractS株式会社の子会社化によりDX事業が新設された。2023年3月期第2四半期売上高1,616百万円のうち、マーケティング事業が90%超を占める。DX事業のセグメント利益は赤字。マーケティング事業のうち、転職サービスが約30%、アルバイト・派遣が約25%、不動産が約45%という構成。

2023年3月期第2四半期決算説明資料

事業モデル

人材領域は転職情報サイト「CAREERINDEX」、アルバイト・派遣情報サイト「Lacotto」、ファッション業界転職情報サイト「FashionHR」の運営や、マーケティングソリューションサービスを提供。各サイトでは、パートナー企業が運営するポータルサイトの情報を集約して、ユーザーに求人情報や賃貸情報を提供。同社は当事業モデルを「ポータルオブポータルズ」モデルと呼ぶ。ユーザーは各サイトを無料で利用でき、同社サイトから複数の求人への応募や物件への問い合わせが可能。パートナー企業からの集客代行料を主な収入源とする。CAREERINDEXでは、パートナー企業のポータルサイトに加えて、ハローワーク求人情報を独自に集約。ユーザーがハローワーク求人に応募した際に、募集企業へ応募情報を無償で提供するサービス「キャリアポスト」も展開する。マーケティングソリューションサービスでは、ユーザーの集客を同社サイトに限定しない集客代行サービスを提供。代理店収入と、ユーザーからの求人応募に応じて発生する課金収入が収入源である。
不動産賃貸領域は2019年12月に6054リブセンスより事業譲受し運営を開始。入居決定で引越し祝い金がもらえる賃貸情報サイト「キャッシュバック賃貸」や「DOOR賃貸」といった賃貸住宅情報サイトを運営
DX事業では転職およびアルバイト・派遣のデータベースを活用した営業支援ツール「Leadle」やWeb面接ツール「Biograph」を法人向けに提供している。2022年7月からは先述の子会社化により契約マネジメントシステム「ContractS CLM」が加わった。
主要顧客は株式会社リクルートと株式会社LIFULで、2022年3月期は2社で売上高の41.7%を占めた。
2021年の国内のインターネット広告媒体費は、前年比122.8%の2兆1,571億円となり拡大が続いている。

2023年3月期第2四半期決算説明資料

競合他社

役員に出身者の多い製造業に特化した求人サイトを運営する6032インターワークス(2022年3月期売上高2,525百万円)、アルバイト求人サイト「バイトル」を運営する2379ディップ(2022年2月期39,515百万円)などが競合として挙げられる。

連結の範囲

DX事業を担う株式会社マージナルとContractS株式会社の2社にプラスし、2022年11月よりシェアオフィス等のマッチングプラットフォームの提供を行う株式会社ユースラッシュを子会社化した。

強み・弱み

転職サイトCAREERINDEXでハローワークインターネットサービスに掲載されている求人を集約するサービスは独自性があり競合も少ない点は強み。ユーザーがCAREERINDEX上で応募書類を作成してハローワーク求人に応募すると、募集企業に直接応募書類が郵送されるサービスを無料で展開。直接ハローワークに赴き、ユーザー自身で応募書類を郵送するなどの従来の手間を無くす高い利便性で、ハローワークインターネットサービスの認知度向上にもなる。懸念点は主要顧客への高依存であり、2022年3月期は上位5社の売上高が全体の53.0%を占める。

KPI

下図のような各事業領域の新規会員登録数や求人応募数、問い合わせ件数、契約社数およびARPUがKPIとなる。

2023年3月期第2四半期決算説明資料

業績

売上高は2018年3月期以降2,300百万円で横ばいだったが、2022年3月期は新サービスや機能強化が奏功し、前期比+31.8%の増収となった。営業利益率は人材サービスの多様化を図ったものの収益化が伴わなかった2020年3月期に13.0%に落ち込んだが、以降は回復し2022年3月期は32.7%フリーCFは2020年3月期に不動産賃貸領域の事業譲受によりマイナスとなった以外はプラス。自己資本比率は2022年3月期で70.4%。有利子負債の増加により一時低下したが回復してきた。

関連ありそうな記事