3539 JMホールディングスの業績について考察してみた

3539 JMホールディングスの業績について考察してみた

PERAGARUアナリスト

四半期業績推移随時更新中

(単位:百万円) 決算期 売上 営業利益 営業利益率
FY2022.Q3 2022.04 34,564 1,713 4.96%
FY2022.Q4 2022.07 35,213 1,370 3.89%
FY2023.Q1 2022.10 35,299 1,504 4.26%
FY2023.Q2 2023.01 39,114 2,502 6.4%
(単位:百万円) 決算期 売上 営業利益 営業利益率
FY2017.Q3 2017.04 25,140 788 3.13%
FY2017.Q4 2017.07 26,751 779 2.91%
FY2018.Q1 2017.10 26,344 761 2.89%
FY2018.Q2 2018.01 28,967 1,767 6.1%
FY2018.Q3 2018.04 25,969 1,109 4.27%
FY2018.Q4 2018.07 27,009 812 3.01%
FY2019.Q1 2018.10 27,090 934 3.45%
FY2019.Q2 2019.01 29,226 1,708 5.84%
FY2019.Q3 2019.04 26,949 980 3.64%
FY2019.Q4 2019.07 30,013 978 3.26%
FY2020.Q1 2019.10 29,861 856 2.87%
FY2020.Q2 2020.01 32,144 1,954 6.08%
FY2020.Q3 2020.04 32,369 1,981 6.12%
FY2020.Q4 2020.07 32,584 1,926 5.91%
FY2021.Q1 2020.10 31,468 1,636 5.2%
FY2021.Q2 2021.01 34,460 2,527 7.33%
FY2021.Q3 2021.04 30,979 1,397 4.51%
FY2021.Q4 2021.07 32,916 1,015 3.08%
FY2022.Q1 2021.10 34,314 1,328 3.87%
FY2022.Q2 2022.01 36,754 2,264 6.16%
FY2022.Q3 2022.04 34,564 1,713 4.96%
FY2022.Q4 2022.07 35,213 1,370 3.89%
FY2023.Q1 2022.10 35,299 1,504 4.26%
FY2023.Q2 2023.01 39,114 2,502 6.4%

沿革

1945年に食肉の小売・卸売を目的に茨城県に同社の前身となる丸八肉店を創業。1964年株式会社霞ストアー(現 8196カスミ)との取引開始、精肉部門的な位置づけとして1975年12月カスミ畜産株式会社を設立、個人事業を法人事業に変更。1978年8月株式会社ジャパンミートを設立、食肉卸を展開。1983年10月小売1号となる勝田店を開設。1984年12月惣菜製造販売を目的に株式会社ジャパンデリカを設立。1993年ジョイフル本田内に守谷店開設、その後『生鮮館』14店舗を開設。1997年株式会社ジャパンデリカの事業目的を外食産業に変更、焼き肉や漫遊亭1号店の水戸50号店を開設。2002年株式会社カスミ畜産をジャパンミート株式会社に商号変更。2013年株式会社花正を子会社化し「肉のハナマサ」の運営を開始。2016年4月東証二部へ上場、2018年7月東証一部へ変更。2020年2月持株会社体制への移行に伴い、株式会社JMホールディングス設立。茨城県を中心に関東近郊でスーパーマーケット事業、業務用スーパー『肉のハナマサ』、焼肉店などの外食産業などを展開する

株主構成

有価証券報告書によると2021年1月末時点の大株主の上位には境家の3名が並び41.35%を占め、その他にも境和美氏や婚姻関係のある藤原一族2名の持ち分も併せると、47.13%となる。保有比率の多い順に代表取締役社長の境正博氏が19.21%、次いで取締役会長の境弘治氏12.04%、取締役副会長の境和弘氏10.10%。その他には、藤原ひろみ氏4.00%、JMホールディングス従業員持株会3.22%、株式会社ジョイフル本田3.00%、境和美氏2.77%、常務取締役の藤原克朗2.01%、信託銀行の信託口等が続く。外国人株式保有比率は2020年10月末時点10%以上20%未満。

取締役会

取締役は9名(社内7名、社外2名)、監査役は4名(社内1名、社外3名、2名は常勤)、監査役会設置会社である。取締役会長の境弘治氏は代表取締役社長の境正博氏の父。取締役副会長の境和弘氏は弘治氏の弟、常務取締役藤原克朗氏は弘治氏の義弟。取締役総務部長の阿部耕生氏は株式会社ハナマサを経て2016年同社へ入社、2019年10月より現職。

代表取締役の経歴

代表取締役社長の境正博氏は1975年9月生まれ。1996年東京商科学院専門学校を卒業後、食肉企業のダイリキ株式会社を経て、1999年11月に同社入社。2009年9月より現職に就任。
元代表取締役副社長管理本部長の森俊郎氏は1957年11月生まれ。1976年4月株式会社東京銀行(現 8306三菱UFJ銀行)入行、2000年5月より同社へ入社。経営企画室長、常務取締役を経て2009年9月に就任。なお、一身上の都合による辞任で、20201年3月末をもって退任しており、1月18日の公表時点で後任未定だったもよう。

報告セグメント

「スーパーマーケット事業」の単一セグメントであるが、食品スーパーマーケットとして精肉、食品、青果、鮮魚、惣菜販売の「スーパーマーケット事業」、「外食事業」、「イベント関連事業」、「アウトソーシング事業」を展開している。2021年7月期はスーパーマーケット事業が売上高の96.4%を占める。

2021年7月期 第2四半期決算説明資料

事業モデル

スーパーマーケット事業は、精肉専門店として創業後、青果・鮮魚・惣菜の専門の子会社を合併して業容を拡大。2013年9月株式会社花正の株式取得後、関東圏において都心部から郊外に店舗網を有することとなり、積極展開してきた。
ブランドは5つで、株式会社ジャパンミートが運営する大型商業施設内店舗「ジャパンミート『生鮮館』」14店舗、関東近郊に単独でスーパーマーケットを展開する「ジャパンミート『卸売市場』」10店舗、「食肉卸売りセンター MEAT Meet」4店舗の3つと、株式会社パワーマートが北関東において地域密着型で展開するスーパーマーケット「パワーマート」4店舗、株式会社花正が東京23区を中心に業務用スーパーとして展開する「肉のハナマサ」53店舗である。
『生鮮館』は、商圏が広く集客力のあるホームセンター「ジョイフル本田」及び「マルイ」の店舗内出店である。各店舗で、特色のある品ぞろえと売り場づくりを行っており、販売では「異常値販売」という特定商品の大量陳列方式を定期実施し、精肉加工では加工物流センターと店舗内加工を併用し販売の機会ロスを減らすなどに努める。仕入れでは、加工物流センターの大量備蓄を整備しており食材価格の変動を受けにくい体制を構築している。
その他の事業は株式会社ジャパンデリカが外食店「焼肉や漫遊亭」と「とんかつや漫遊亭」の運営、ATT株式会社が肉フェスなど食肉を中心としたイベント関連事業、アウトソーシング事業の株式会社アクティブマーケティングシステムがスーパーマーケットのレジ業務受託を行う。

競合他社

食品スーパーマーケット大手2強は8267イオン(直近決算期売上高 86,042億円)セブン&アイ・HD(同 66,443億円)。競合としては冷凍食品など食材販売の『業務スーパー』をFC展開している3038神戸物産(同 3,408億円)、埼玉県中心の食品スーパーマーケット8279ヤオコー(同 4,604億円)などに加えて、7532パン・パシフィック・インターナショナルが運営する日配品や生鮮品、冷蔵品にも注力する総合ディスカウントストアのドン・キホーテなども挙げられる。

連結の範囲

株式会社ジャパンミート、株式会社花正、株式会社パワーマート、株式会社ジャパンデリカ、AATJ株式会社、株式会社アクティブマーケティングシステム、株式会社タジマの7社が連結子会社に該当する。株式会社ジャパンミート、株式会社花正は、売上高の連結売上高に占める割合が10%を超えている(2020年7月末現在)。

強み・弱み

精肉の専門ノウハウやグループの精肉調達力を活かし一般顧客に低価格・高品質な食材や商品、サービスを提供できることが強み。一方で、生鮮食品、加工食品等の食品を取り扱っているため、不適切な食材の提供や異物混入など不可抗力による食品供給の停止や有害物質・放射能等の汚染による財政面への影響の可能性があることや、計画通りに人材を確保し育成することが難しく、自然災害・事故等が発生した場合や新型コロナウイルス等の感染症が流行した場合、仕入れ・流通・販売活動が阻害される、景気や個人消費の低迷、競合他社の進出等による競争激化などが懸念する点である。

KPI

下記3つが同社のKPIとなり得る。
スーパーマーケット既存店 2020年7月期売上高126,958百万円(前年同期比+12.1%)
業態別既存店売上高推移
店舗状況

2021年7月期 第2四半期決算説明資料
2021年7月期 第2四半期決算説明資料

業績

売上高・利益とも安定的な成長を継続しており、2016年7月期から2020年7月期まで5期間で売上高は約1.3倍、経常利益は1.2倍となった。2020年7月期売上高は、新型コロナウイルス感染症拡大により、まとめ買い需要、内職需要の増加により126,958百万円(前期比+12.1%)。営業CFは安定してプラス。2021年7月第二四半期時点の自己資本比率は58.0%であった。

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