8260 井筒屋の業績について考察してみた

8260 井筒屋の業績について考察してみた

PERAGARU管理人

沿革

1935年7年に株式会社井筒屋百貨店を設立し、百貨店事業を開始。1951年10月に株式会社井筒屋に商号変更。1972年9月に東証二部に上場。1973年7月に東証一部に上場。本社は福岡県北九州市。小倉店(本店)と山口県の山口店の百貨店2店舗のほか、北九州を地盤にショップを展開する

株主構成

四半期報告書によると、2021年8月31日時点の筆頭株主は井筒屋共栄持株会で9.5% 、次いで9031西日本鉄道が9.2%、その他は保有割合5%未満で8511日本証券金融、日本マスタートラスト信託銀行株式会社の信託口、株式会社福岡銀行、立花証券株式会社、株式会社SBI証券と続く。その他には国内の金融機関や個人投資家が並ぶ。外国人株式保有比率は10%未満

取締役会

取締役は6名(社内4名、社外2名)、監査役4名 (社内2名、社外2名)、監査役会設置会社である。社内取締役2名がプロパーとみられる。取締役常務執行役員の兼石一郎氏は株式会社山口銀行株式会社北九州銀行を経て同社に入社。2017年5月に現職に就任した。

代表取締役の経歴

代表取締役社長の影山英雄氏は1952年11月生まれ。明治大学商学部を卒業後、1975年4月に同社に入社。営業本部や社長室を経て、2006年5月に執行役員、2010年3月に社長執行役員に就任。2010年5月に現職に就任した。

報告セグメント

「百貨店業」、「友の会事業」の2セグメントに大別される。報告セグメントに含まれない事業セグメントとして情報サービス事業を含む「その他」がある。2022年2月期第3四半期の売上高38,311百万円の内、百貨店業が38,311百万円で100%を占め、友の会事業の売上高は内部売上によって計上される。
セグメント利益率は、百貨店業が1桁前半、友の会事業がマイナスを推移する。

事業モデル

百貨店業では北九州を中心に店舗を展開し、衣料品や雑貨、食料品等の販売や喫茶店やレストランの運営を行う小倉本店と山口店が同事業の中核的な収益源であり、 その他に福岡県や山口県、大分県にサテライトショップを展開する。同社と連結子会社の株式会社山口井筒屋が百貨店の運営を行う。慶弔ギフトの販売や国内外での輸入製品の卸売や、百貨店内のレストラン経営、店舗内清掃はそれぞれ連結子会社や非連結子会社が担う。新型コロナ流行の影響やオンラインショップ等の登場により、百貨店業界は売上が減少傾向にある。同社でも2018年以降3店舗を閉鎖。小倉本店では2019年に好調な化粧品や時計売り場の拡大・新設や閉店した店舗の人気ショップの移設を実施。主力の小倉本店と山口店への経営資源の集中化を進める
友の会事業では連結子会社の株式会社井筒屋友の会が、百貨店に対して前払い式の商品販売の取次を行う。会員である顧客が毎月一定額を積み立てることで、1年後に13か月分の商品券を付与されたり、会員カードの提示で関連施設を優待価格で利用できたりするサービスを提供する。
その他事業では、関連会社の株式会社ニシコンが情報処理サービスを提供する。

競合他社

百貨店国内最大手の3099三越伊勢丹 (2021年3月期売上高816,009百万円)、 若者向けを中心に全国展開をする8252丸井グループ (同220,832百万円) 、 九州・中四国を中心にショッピングモールを展開する8273イズミ (2021年2月期営業収益679,778百万円)が競合として挙げられる。

連結の範囲

連結子会社4社と非連結子会社1社、持分法適用関連会社1社を持つ。連結子会社で山口店を運営する株式会社山口井筒屋は売上高が連結売上高の10%以上を占めるが、同じく連結子会社でレストラン経営を行う株式会社レストラン井筒屋と共に債務超過状態にある。

強み・弱み

強みとして北九州地方での地盤の強さが挙げられる。同社は北九州市で唯一の百貨店であり、市内の中心地に店舗を構える。高年齢層を中心に顧客基盤を確立してきたが、サテライトショップの積極展開や若年層向けブランドの誘致を行い、幅広い年齢層へのアプローチを実施。不採算店舗は閉店に踏み切り、主力店舗へ経営資源の集中化を行う等、臨機応変な市場対応を行う。懸念点としては、地方部の人口減少による売上高の減少リスクが挙げられる。

KPI

KPIには①売上高営業利益率、②売上高経常利益率が挙げられる
①売上高営業利益率(2021年2月期):1.5%
②売上高経常利益率(同):0.6%

業績

売上高は2017年2月期から2021年2月期にかけて▲36.6%に減少。2018年2月期から2020年2月期にかけては不採算店舗の閉店が売上高の減少に影響した。2021年2月期は新型コロナ流行による休業や時短営業、インバウンド需要の減少により、前期比▲23.6%の減少となった。経常利益は2017年2月期から2018年2月期にかけて▲23.2%の減益となったものの、2020年2月期にかけて不採算店舗の閉店により収益力が改善して+83.6%に増益。2021年2月期は▲165百万円の経常損失となった。フリーCFは2020年2月期を除いてプラスを推移。2020年2月期は有形固定資産取得に伴い、投資CFの支出が増加した。自己資本比率は10%後半を推移する

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