3480 ジェイ・エス・ビーの業績について考察してみた

3480 ジェイ・エス・ビーの業績について考察してみた

PERAGARUアナリスト

沿革

1976年12月株式会社京都学生情報センターを設立。1990年7月株式会社ジェイ・エス・ビーを設立し、株式会社京都学生情報センターの業務を引き継ぐ。1992年4月大学生活協同組合京都事業連合と業務提携。2005年4月学生専用賃貸マンションファンド「STAF」を組成。2015年9月株式会社ジェイ・エス・ビー北海道から同九州を合併し、株式会社ジェイ・エス・ビー・ネットワークへ改称。2017年7月東証二部に上場。2018年7月東証一部へ変更。学生マンションの管理戸数で業界トップクラス。

株主構成

有価証券報告書によると2020年10月末時点の大株主は、岡靖子氏で保有比率は40.16%である。岡氏は同社の取締役会長である。第2位は株式会社日本カストディ銀行で保有比率は12.45%。第3位はOMインベストメント株式会社で保有比率は5.93%。4位以下は機関投資家が中心の株主構成である。外国人株式保有比率は10%未満である。

取締役会

取締役は10名(社内7名、社外3名)、監査役は3名(社内1名、社外2名)、監査役会設置会社である。社内取締役は1名のプロパーを除き他は全員が中途入社で、その経歴は出光興産、ビジネス・コープ(現ベネフィット・ワン)、などさまざまである。

代表取締役の経歴

代表取締役社長の近藤雅彦氏は1970年11月生まれ。第一経済大学(現日本経済大学)を卒業後の1995年4月株式会社ダイエーコンビニエンスシステムズ(現株式会社ローソン)入社。1995年12月株式会社ジェイ・エス・ビー入社。2007年4月株式会社ジェイ・エス・ビー中国四国代表取締役就任。2008年4月株式会社ジェイ・エス・ビーの執行役員就任。その後は子会社の代表取締役や役員を務め、2020年10月より同社の代表取締役社長に就任。

報告セグメント

「不動産賃貸管理事業」、「高齢者住宅事業」の2報告セグメントに大別され、2021年10月期第1四半期の売上高10,808百万円の構成比は不動産賃貸管理事業92.5%、高齢者住宅事業6.4%(報告セグメントにはない「その他」で1%程の売上高)である。賃貸入居需要の繁忙期である第2四半期に新規契約数が増加するため、業績は四半期ごとの変動が激しく、第1四半期は不動産賃貸管理事業が赤字傾向。2020年10月期は利益の9割以上を不動産賃貸管理事業が占めた

事業モデル

不動産賃貸管理事業では、顧客を大学生に絞り、学生中心の学生マンション賃貸を手掛け、企画開発や仲介・管理運営までを一括して行う。当社オリジナル使用の学生マンションを中心に、不動産オーナーへ企画提案し、竣工後に当社が一括借上で家賃保証を行いながら、学生等へ転貸する。
高齢者住宅事業は、不動産オーナーに対してサービス付き高齢者向け住宅の企画提案をし、竣工後に一括借り上げして運営する。子会社のグランユニライフケアサービスで「グランベゾン」「グランヴィル」のブランドで展開し、入居者や一部は近隣住民へ介護サービスを提供する。
その他事業では、就職活動支援、外国人留学生向けの日本語学校運営、不動産販売等を行う。
学生を取り巻く環境を見ると、18歳人口が減少する中、大学進学率は上昇している。2018年を境に、大学進学率は上昇するが大学進学者数は減少している。下宿率を見ると、女子の学生比率の上昇等もあって自宅生の比率が上昇傾向にある。市場そのものの成長は見込めないが、家具家電付き、セキュリティの強化、Wi-Fi対応、食事つき、女子学生専用等の多様化するニーズに応える良質な学生向けマンションへのニーズは一定程度見込めるもよう。

競合他社

学生向けの賃貸マンションを同社同様の規模で提供する上場企業はない。非上場企業だと、株式会社学生情報センターなどが挙げられる。その他にも学生食堂や大学生協のように学生の住まいを斡旋している企業はあるが、競合とはなりづらい。

連結の範囲

株式会社ジェイ・エス・ビー・ネットワーク営業店・管理センター、総合管財株式会社、リビングネットワークサービス株式会社、株式会社OVO、株式会社グランユニライフケアサービス、株式会社ジェイ・エス・ビー・フードサービス、株式会社東京学生ライフ、株式会社湘南学生ライフ、株式会社スタイルガーデン、株式会社Mewcketの10社が連結子会社に該当する。

強み・弱み

学生向けの賃貸マンションの企画開発・仲介・管理までを一括して行う点に強みがある。現在の管理戸数は7万戸を超え、学生向けの賃貸マンションでトップ。学生向けに特化していることから、入退去の時期が掴みやすく、稼働率が99%台後半で推移していることも強みである。建築費の増加やサブリース費用の増加は懸念される点である。また、少子高齢化による学生人口の減少も同社の懸念される点である。

KPI

2020年10月期の実績は下記。
①管理戸数 724,848戸(前期比+9.7%)
②入居率 99.8%(同▲o.1pt)
③借上物件数 38,590戸(同+12.1%)
④高齢者住宅管理戸数666戸(前年比+11.6%)

2020年10月期 決算説明(資料)

業績

2020年10月期の連結決算によると売上高は48,058百万円(前年比+12.6%)、営業利益で4,338百万円(前年比+26.7%)、当期純利益で2,761百万円(前年比+19.7%)と増収増益を達成している。2016年10月期の決算と比べてみても売上高や営業利益、当期純利益はほぼ倍増している。管理戸数が順調に増えていることや、高い入居率が業績をけん引している。営業CFも5,003百万円、自己資本比率も40%台で推移しており、財務面も安定している。