3696 セレスの業績について考察してみた

PERAGARUアナリスト

沿革

2005年1月株式会社セレスを設立し、5月よりポイントサイト「モッピー」のサービスを提供開始。20014年10月東証マザーズに上場。2016年12月東証一部へ変更。2020年7月フリーランス向けの資金調達支援サービス「nugget」を提供開始。本社は東京都世田谷区。ポイントサイト「モッピー」の運営やアフィリエイト運営を柱とし、ブロックチェーンやファクタリングサービスも提供

株主構成

有価証券報告書によると2020年12月末時点の筆頭株主は、代表取締役社長の都木聡氏が設立した有限会社ジュノー・アン ド・カンパニーで10.73%、なお同氏は個人でも4.78%を保有し、併せて15.51%の保有。次いで前取締役の高橋秀明氏が6.36%、インキュベイトキャピタル5号投資事業有限責任組合が5.05%、株式会社日本カストディ銀行が証券投資信託口で4.7%、株式会社サイバーエージェントが4.5%、野村證券株式会社が4.4%等、資産管理会社やベンチャーキャピタル、信託銀行等の信託口などが並ぶ。外国人株式保有比率は10%未満。

取締役会

取締役は9名(社内5名、社外4名)、うち監査等委員3名 (全員社外)、監査等委員会設置会社である。取締役副社長の野崎哲也氏は株式会社インタースペースを経て、2007年4月同社へ入社。2009年3月より取締役。常務取締役の小林保裕氏は第一生命保険株式会社と三菱UFJモルガン・スタンレー証券株式会社を経て、2006年10月同社取締役へ就任。取締役の吉田教充氏はSCSK株式会社や株式会社ディー・エヌ・エー等を経て、2017年3月へ同社に入社。他1名の取締役はプロパーである。

代表取締役の経歴

代表取締役社長の都木聡氏は1971年11月生まれ。上智大学経済学部を卒業後、野村證券株式会社と株式会社サイバーエージェントを経て、2005年1月に同社を設立。連結子会社1社の代表取締役も兼任する。

報告セグメント

「モバイルサービス事業」と「フィナンシャルサービス事業」の2報告セグメントに大別される。2020年12月期では売上高20,213百万円の内、モバイルサービス事業が20,253百万円で、フィナンシャルサービス事業はまだほとんど売り上げが立っていない
セグメント利益はモバイルサービス事業が利益率10%台で推移しており、フィナンシャルサービス事業はマイナスが続く。連結営業利益は1,496百万円であった。

2020年12月期決算説明会資料

事業モデル

主力のモバイルサービス事業は、ポイントメディア、コンテンツメディア、アフィリエイトプログラム、デジタルトランスフォーメーション事業から構成される。ポイントメディアでは、日本最大規模のポイントサイト「モッピー」を運営。サイトの登録会員は広告閲覧やアプリのダウンロード等のアクションに応じて、現金や電子マネーと交換可能なポイントを獲得できる。同サイトの主な収入源はアフィリエイト広告収入である。会員数は290万人を超え、サイト内のポイント残高は20億ポイント(2020年12月末)を超える。2021年夏以降に銀行振り込みやクレジットカードによるサイト内へのポイントチャージ機能や、実店舗でのスマホ決済、ユーザ間でのポイント送金機能を随時搭載予定であり、アクティブユーザーの獲得を狙う。
コンテンツメディアでは、採用課金型求人サイト「モッピーバイト」やゲームアプリ情報サイト「LookApp」等の各種メディアの運営を行う。主な収入源は各種メディアを通したアフィリエイト広告収入と課金収入である。アフィリエイトプログラムではポイントメディアとコンテンツメディアを活かして、自社アフィリエイトプログラム「AD.TRACK」を運営。自社及び他社メディアでの広告配信を通した代理店収入獲得を目指す。デジタルトランスフォーメーション事業では連結子会社の株式会社ゆめみで、飲食業界や小売業界向けにデジタルマーケティング支援を実施する。
フィナンシャルサービス事業は、暗号資産関連事業とファクタリングサービス事業、投資育成事業から構成される。暗号資産関連事業では連結子会社の株式会社マーキュリーにて、暗号資産販売所「CoinTrade」を2021年3月に開業。ファクタリングサービスではフリーランス向け資金調達支援サービス「nugget」を2020年7月に提供開始。独自のアルゴリズムに基づいて請求書の買い取りを行い、最短60分で資金調達が可能なシステムを展開する。投資育成事業では、同社事業に関連するベンチャー企業に投資を行い、投資リターンによる収益確保を目指す。

競合他社

主力のアフェリエイト事業では、「A8.net」を運営する2461ファンコミュニケーションズ(2020年12月期売上高29,379百万円)、2491バリューコマース(2020年12月期売上高29,171百万円)など、複数の競合が存在する。ポイントサイトでは株式会社オズビジョンの「ハピタス」や株式会社ちょびリッチの「ちょびリッチ」などのサイトが競合するとみられる。

連結の範囲

連結子会社4社と非連結子会社2社、持分法適用関連会社1社を持つ。主要な連結子会社はモバイルサービス事業におけるデジタルトランスフォーメーション事業を担う株式会社ゆめみと、フィナンシャルサービス事業における暗号資産関連事業を担う株式会社マーキュリーである。

強み・弱み

日本最大級のポイントサイト「モッピー」の媒体力は強み。またモッピーの持つ媒体力を起点に、自社アフィリエイトプログラム「AD.TRACK」やデジタルトランスフォーメーション事業を組み合わせ、収益多角化を図っている。一方で、既存のモバイルサービス事業とは領域の大きく異なるファイナンシャル事業で、規制業法への適切な対応や信用リスク当の管理を遵守しながら事業として収益化していけるかは懸念点である。

KPI

KPIにはポイントメディア会員数とアフィリエイトプログラム取扱高の2つが挙げられる。2020年12月期の実績は下記。
①ポイントメディア「モッピー」会員数:290万人(連続性がないため前年比は下図参照)
アフィリエイトプログラム取扱高:10,983百万円(前年比63.4%)

2020年12月期決算説明会資料

業績

売上高は連結化した2018年12月期から2020年12月期の過去3期で約1.9倍に増加。2019年12月期にプラス転換し、2020年12月期は前年比約2.3倍に拡大。営業CFはプラスを継続、投資CFはマイナスを継続。財務CFは2019年12月期を除いてプラスである。自己資本比率は2020年12月期で40.1%と、前期の47.3%から悪化