3556 リネットジャパングループの業績について考察してみた

3556 リネットジャパングループの業績について考察してみた

PERAGARUアナリスト

沿革

2007年7月インターネットによる書籍の宅配買取・販売を目的に株式会社リサイクルブックセンターを三重県で設立。2000年8月日本最大級のオンライン書店『eBOOKOFF』サイトをトヨタ自動車株式会社GAZOOモール内に開設。2000年12月株式会社イーブックオフに、2005年10月ネットオフ株式会社に社名変更。2013年3月小型家電リサイクル回収を目的としてリネットジャパン株式会社を設立。2014年9月リネットジャパン株式会社を株式交換により完全子会社化し、同年10月リネットジャパングループ株式会社に社名変更。2016年12月東証マザーズへ上場。2018年1月カンボジアにおける人材の送出し事業を目的として、METREY HR CO,LTD.(現連結子会社)設立。「ReNet.jp」ブランドで展開する小型家電リサイクル事業や「NET OFF」ブランドで展開するインターネット・リユース事業などを営む

株主構成

有価証券報告書によると2020年9月末時点の筆頭株主は、代表取締役社長の黒田武志氏で20.4%を保有。同氏の資産管理会社である合同会社TKコーポレーションが4.2%を保有し、併せて24.6%を保有。そのほか5%未満の保有で、株式会社SBI証券、豊田通商株式会社、信託銀行の信託口や証券投資信託口などが並ぶ。

取締役会

取締役は4名(社内3名、社外1名)、監査役は3名(社内1名、社外2名、1名は常勤)、監査役会設置会社である。代表権を持たない社内取締役2名の経歴は、小型家電リサイクル事業担当の中村俊夫氏が株式会社大阪有線放送(現株式会社USEN)出身者、海外事業担当の松尾俊哉氏が山一證券株式会社、楽天株式会社、トランスコスモス株式会社などの経歴を有する。

代表取締役の経歴

代表取締役社長の黒田武志氏は1965年11月生まれ。大阪市立大学を卒業後、トヨタ自動車株式会社に入社。1998年4月株式会社ブックオフウェーブの代表取締役社長に就任。その後2000年7月に同社を設立し、現職へ就任。国内外におけるグループ企業の役員を複数兼任。

報告セグメント

2021年9月期第1四半期より、従来までのリユース事業と小型家電リサイクル事業を統合した「国内Re事業」と、海外事業の事業内容を明確にするためにセグメント名称を変更した「海外金融・HR事業」の2報告セグメントに大別される。同四半期の営業収益1,825百万円の構成比は、国内Re事業85.6%、海外金融・HR事業14.4%である。また、各セグメントの営業利益は、国内Re事業324百万円、海外金融・HR事業28百万円となっており、全社費用を差し引くと合計216百万円であった。

事業モデル

国内Re事業では、リユース及びリサイクルビジネスを展開する。リユースビジネスでは、「NET OFF」で展開する自社サイトにてユーザーから多様な商品を宅配買取し、自社運営のインターネット店舗やアマゾンなど提携会社の運営サイトを通じて販売を行う。同社によると、同社が取り扱うメディア・ホビー商材のカテゴリーでは、インターネットを利用した買取・購入形態への移行が加速しており、同カテゴリーにおけるネット市場は今後も成長するとみられる。リサイクルビジネスでは、不要となった使用済小型電子機器等を有償で宅配回収するとともに、PCや携帯電話を破棄する際のデータ消去サービスも有償で提供する。また、回収した機器をリユース販売または部品に含まれるレアメタルを中間処理会社に売却するなど、全国300市区町村以上の自治体と提携してサービスを展開している。
海外金融・HR事業では、カンボジアでの車両販売事業、リース事業、マイクロファイナンス事業、人材の送出し事業を展開する。同社によると車両販売事業、リース事業は新型コロナウィルスの影響により短期的な市場回復は望めず、新規営業は凍結し債権回収を進めているとのこと。一方マイクロファイナンス事業は、カンボジアの貧困層の生活再建に貢献しつつ金融事業をけん引しており、今後も同社グループの成長事業として位置付け、更なる強化を図るとしている。

同社HP トップページ>企業情報>ネットリサイクル事業

同社HP トップページ>企業情報>ネットリユース事業

同社HP トップページ>企業情報>カンボジア事業

競合他社

国内Re事業におけるリサイクルビジネスは、小型家電リサイクル法の認定事業者免許取得が必要なため参入障壁が高い。加えて、宅配便での回収スキームを展開する同社のビジネスモデルは独自性が高く、競合は少ないとみられる。リユースビジネスでは大小さまざまな企業と競合する。海外金融・HR事業では、カンボジアの市場拡大に伴い、大手の金融機関やノンバンクが参入済みで、今後も参入する企業は増加するとみられる。

連結の範囲

2021年9月期第1四半期にネットオフ株式会社を新たに設立し、これにより同社グループは、同社及び連結子会社11社にて構成される。それぞれ国内Re事業、海外金融・HR事業を営む。

強み・弱み

全国で唯一の小型家電リサイクル法の認定事業者であり、全国で300を超える市町村等の自治体からHP等を通じて公式に案内されていることは大きな強み。優位性の高いビジネスモデルである。新型コロナウィルスの影響で海外事業の収益力が低下している点が懸念される。

KPI

下記の指標が2021年9月期第1四半期における各事業セグメントのKPIとみられる。
国内Re事業
①リユース:買取点数(2019年9月期第1四半期比+39.2%)
②リユース:平均日商推移(前年同期比+2,878千円)
③リサイクル:連携自治体数(2020年12月303市区町村)
④リサイクル:回収申込件数(2019年9月期第1四半期比+156.8%)
海外金融・HR事業
①マイクロファイナンス:PAR30(30日以上の延滞比率)

業績

2016年9月期から2020年9月期までの5期で、営業収益は3,729百万円から6,836百万円と1.8倍へ、経常利益は171百万円から241百万円と1.4倍になっている。なお、直近決算期ではカンボジア経済の先行きが不透明であることから海外事業は減収減益となっており、返済リスケジュールによる回収不足額等に備え、貸倒引当金繰入額等の特別損失1,711百万円を計上している。営業CFは2017年9月期以降マイナス、投資CFは恒常的にマイナス。2021年9月期第1四半期の自己資本比率は16.0%。