7068 フィードフォースの業績について考察してみた

7068 フィードフォースの業績について考察してみた

PERAGARUアナリスト

四半期業績推移随時更新中

(単位:百万円) 決算期 売上 営業利益 営業利益率
FY2024.Q2 2023.11 1,077 312 28.97%
FY2024.Q3 2024.02 987 238 24.11%
FY2024.Q4 2024.05 1,099 352 32.03%
FY2025.Q1 2024.08 1,052 351 33.37%
(単位:百万円) 決算期 売上 営業利益 営業利益率
FY2019.Q4 2019.05 210 36 17.14%
FY2020.Q1 2019.08 217 32 14.75%
FY2020.Q2 2019.11 227 45 19.82%
FY2020.Q3 2020.02 474 141 29.75%
FY2020.Q4 2020.05 608 197 32.4%
FY2021.Q1 2020.08 551 128 23.23%
FY2021.Q2 2020.11 594 187 31.48%
FY2021.Q3 2021.02 714 283 39.64%
FY2021.Q4 2021.05 728 291 39.97%
FY2022.Q1 2021.08 672 250 37.2%
FY2022.Q2 2021.11 700 257 36.71%
FY2022.Q3 2022.02 740 206 27.84%
FY2022.Q4 2022.05 893 217 24.3%
FY2023.Q1 2022.08 904 160 17.7%
FY2023.Q2 2022.11 976 242 24.8%
FY2023.Q3 2023.02 1,021 285 27.91%
FY2023.Q4 2023.05 1,065 342 32.11%
FY2024.Q1 2023.08 1,066 335 31.43%
FY2024.Q2 2023.11 1,077 312 28.97%
FY2024.Q3 2024.02 987 238 24.11%
FY2024.Q4 2024.05 1,099 352 32.03%
FY2025.Q1 2024.08 1,052 351 33.37%

沿革

2006年3月株式会社フィードフォースとして東京都に設立。2006年8月のRSS統合管理ツール「RSS Suite」リリースに始まり、SEO集客ソリューション、ソーシャルログインサービス、データフィード最適化ソリューション、データフィード広告運用サービス、データフィード統合管理プラットフォーム、広告出稿自動化ツールなどインターネット上の広告の効果的な配信を可能にする様々なツールやサービスを提供。中でも、複数の広告配信媒体に自動で変換したデータを元に広告表示させるデータフィード広告に強みを持つ。2019年7月東証マザーズへ上場

株主構成

有価証券報告書によると2020年11月末時点の大株主は、代表取締役社長塚田耕司氏の資産管理会社である合同会社理力が30.9%、同氏個人で29.3%を保有し、併せて60.2%を保有。取締役の阿部圭司氏が9.7%、株式会社マイナビが3.3%。そのほか、信託銀行の信託口などが並ぶ。

取締役会

取締役は8名(社内3名、社外5名)、社外5名のうち3名は監査等委員。監査等委員会設置会社である。代表取締役以外の社内取締役2名のうち、喜多宏介氏は株式会社日本システムディベロップメント(現株式会社NSD)や大和証券株式会社を経て、2006年9月に同社へ入社。もう1名の西山真吾氏は建設省(現国土交通省)や日興シティグループ証券株式会社(現SMBC日興証券株式会社)を経て、2017年1月に同社へ入社。

代表取締役の経歴

代表取締役社長の塚田耕司氏は1968年7月生まれ。京都大学を卒業後、安田信託銀行株式会社(現みずほ信託銀行株式会社)に入社。その後2006年3月に同社を設立。2020年2月より、連結子会社アナグラム株式会社の取締役も兼任。

報告セグメント

「プロフェッショナルサービス事業」、「SaaS事業」、「DX事業」の3報告セグメントに大別され、2021年5月期第2四半期連結累計期間の売上高1,145百万円の構成比は、プロフェッショナルサービス事業75.2%、SaaS事業24.8%。DX事業は2021年5月期第1四半期より追加されたセグメントで売上はなく、新事業の開発に係る支出や子会社設立による支出によりセグメント損失となっている。また営業利益315百万円の構成比は、プロフェッショナルサービス事業85.0%、SaaS事業15.0%である。

事業モデル

デジタルマーケティング分野に特化し、GoogleやFacebookなどのデジタルプラットフォーマーと呼ばれる企業が提供するインターネット媒体へ配信する広告データの作成・広告運用サービスや関連ツールを企業へ提供する。同社ではデータフィードサービスやデータフィード広告運用を中心に手掛け、連結子会社アナグラム株式会社ではリスティング広告などの運用型広告を専門に取り扱う。サービスによって料金体系は異なり、広告額に対する一定料率か月額固定料金に一部従量課金の組み合わせ。
サービス別の売上高を見ると、プロフェッショナルサービス事業の6割程度がアナグラム株式会社によるもの。次いで大手企業を含む200社以上に導入実績を持つSaaS事業の「ソーシャルPLUS」、ダイナミック広告の運用で国内トップクラスの実績をもつプロフェッショナルサービス事業の「Feedmatic」がそれぞれ3億円弱である。

2021年5月期第2四半期 決算説明資料(決算補足資料)

プロフェッショナルサービス事業は、広告運用の企画、設計、運用を行うサービスで機械学習による効果最大化を前提とした「Feedmatic」、多様な媒体に合わせ、変換・最適化・配信するデータフィード運用ASPサービス「DF PLUS」、SEO支援サービス「Contents Feeder」を提供する。
SaaS事業は、ECサイトの商品情報を元に、自動で最適化した広告配信が可能なサービス「EC Booster」、フィード広告のパフォーマンスを引き出すための広告運用者向け統合管理プラットフォーム「dfplus.io」、SNS登録情報を利用した顧客リーチのサポートサービス「ソーシャルPLUS」を提供する。
DX事業は、「テクノロジーを使ったデジタルアセット活用の基盤づくり」を通じて企業のDX(デジタル・トランスフォーメーション)を支援する新サービスの展開を予定する。
同社によると、インターネット広告市場は利用者の増加や端末の普及、企業活動におけるインターネット利用の増加などにより急速に拡大を続けているが、2020年4月以降、新型コロナウィルス感染拡大による広告出稿の変動などの影響が及んでいる。データフィード広告は「ディスプレイ型広告」や「検索連動型広告」で活用されており、消費者の興味に合う広告を表示できることや、配信先を広げられること、データ変換コストが削減できることから急成長している分野である。

競合他社

同社が展開するデータフィード広告の分野は競合他社が多数存在するが、導入実績や知名度の観点から同社は業界のリーディングカンパニーの一角と見られる。6094フリークアウト、4751サイバーエージェント、コマースリンク株式会社はいずれもデータフォームの関連サービスを提供するが、同社の「DE PLUS」とデータ接続しており協業体制にある。

連結の範囲

同社グループは、同社及び連結子会社2社と持分法適用会社1社の合計3社で構成される。連結子会社のアナグラム株式会社、持分法適用関連会社の株式会社アンノウンは、どちらもコンサルティング事業やマーケティング支援業務などを営む。連結子会社の株式会社リワイヤは、金融機関向けのパッケージソフトウェアや情報システム、コンサルティング等を提供する。

強み・弱み

大手企業への豊富な導入実績が強み。インターネット広告市場は景気変動の影響を受けやすく、顧客企業の予算に変更が生じた場合に業績への影響が懸念される。

KPI

サービスの利用案件数がKPIとみられる
①プロフェッショナルサービス事業 2020年5月期 225件(前期比+89件)
②SaaS事業 2020年5月期 702件(前期比+96件)

業績

開示されている連結経営指標は2020年5月期のみで、売上高は1,526百万円、経常利益は371百万円であった。営業CFの5割程度の金額を投資CFとして計上しており、自己資本比率は18.3%。また、単体で比較すると、2016年5月期から2020年5月期までの5期で売上高は2.8倍、2018年5月期まで経常損失であったがそれ以降はプラスに転じている。

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