4958 長谷川香料の業績について考察してみた

4958 長谷川香料の業績について考察してみた

PERAGARUアナリスト

沿革

1903年5月、東京都にて前身の長谷川藤太郎商店を設立、香料の取扱を開始。1948年12月には法人化され、株式会社長谷川藤太郎商店を設立した。1961年12月に株式会社長谷川藤太郎商店の一切の業務を引き継ぐ形で長谷川香料株式会社が設立され、現在は化粧品や食品に用いられる香料の製造および販売事業を行っている。尚、1978年12月には米国に、1990年11月にシンガポール(現在は閉鎖)に現地法人を設立するなど、米国、アジアに事業展開している。株式は2000年3月に東証二部に上場、2001年3月に東証一部へ変更となった

株主構成

有価証券報告書によると2020年9月末時点の大株主は、保有割合が多い順に株式会社長谷川藤太郎商店15.96%、JPモルガンチェース銀行の米国住所、英国住所が合わせて17.93%、以降は保有割合5%未満となっている。しかしながら大量保有報告書によると、ファースト・イーグル・インベストメン・トマネジメント(米国)が13.00%(2018年2月2日付報告)、バーガンディAM(カナダ)が6.13%(2020年9月16日付報告)、マサチューセッツ・ファイナンシャル・サービセズ(米国)が7.33%(2020年10月22日付報告)保有とされている。尚、2020年12月17日更新のコーポレート・ガバナンス報告書によると、外国人株式保有比率は30%以上である。

取締役会

取締役は7名(社内5名、社外2名)、監査役は4名(社内1名、社外3名)、監査役会設置会社である。社内取締役はプロパー3名、現在の三井住友銀行出身者2名で構成される。

代表取締役の経歴

代表取締役会長の長谷川徳二郎氏は1938年12月生まれ。1963年4月に同社に入社。1978年11月に取締役に就任した後、1998年12月、代表取締役社長に。2014年12月より現職へ就任
代表取締役社長の海野隆雄氏は1947年3月生まれ。1970年4月に現在の三井住友銀行に入行。2004年6月より現SMBCファイナンスサービス株式会社の代表取締役社長を務めた後、2008年6月に同社常勤顧問として入社。事務管理部門、海外事業部門を歴任した後、2017年11月に同社代表取締役社長に就任した

報告セグメント

「日本」、「アジア」、「米国」の、地域別3報告セグメントに大別される。2021年9月期第1四半期売上高12,164百万円の構成比でみると日本70.3%、アジア17.5%、米国12.2%、セグメント利益の構成比は日本52.7%、アジア41.4%、米国5.9%。アジアに関しては中国子会社などでの売上構成の変化により売上原価率が改善、売上高構成に比して利益の構成比が高まった。

事業モデル

天然香料や合成香料を原料として調達し、調合を行い調合香料として販売を行う。調達先は多岐に渡る。調合香料はフレグランス部門とフレーバー(食品)部門に大別されるが、フレーバー部門向けが同社売上高の86%を占める。同部門の販売先業界別割合は飲料業界向けが約33%、乳業業界向けが約25%と続く

2020年9月期 決算説明会資料

競合他社

同社HP トップ>会社情報>価値創造ストーリー

香料で国内1位の4914高砂香料工業(2020年3月期売上高1,524億円)が挙げられる。同社は世界10位、国内2位に位置する。

連結の範囲

日本国内にて農畜産物の加工・販売を行う長谷川ビジネスサービス株式会社、海外現地法人として、米国のT.HASEGAWA U.S.A.,INC.、中国の長谷川香料(上海)有限公司、長谷川香料(蘇州)有限公司、マレーシアのT HASEGAWA FLAVOURS(KUALA LUMPUR)SDN.BHD,、インドネシアPT.HASEGAWA FLAVOURS AND FRAGRANCES INDONESIAの合計6社が該当する。

強み・弱み

変化していく顧客ニーズに対応するため恒常的な設備投資、研究開発費の支出が必要なこと、持ち合い株式の状況からは取引先の食品メーカー、生活用品メーカーと相応の関係性が構築されており参入障壁が高いと考えられ、同社の国内2位という規模は強みと言える。一方で、取引先の最終製品の売行き、原材料の調達価格は同社の業績に影響を与えるため、取引先業界や調達先の更なる多様化が求められること、国内市場は成熟しており、今後成長が見込める東南アジア等への更なる展開が課題となる。

KPI

香料市場規模(2018年約279億ドルで前年比約6%増加、同社2020年9月期決算説明会資料より)
為替動向(米ドル、人民元、マレーシアリンギットなど)
原材料調達価格(原油や精油から抽出される化合物、天然の動植物など多岐に渡る)

2020年9月期 決算説明会資料

業績

業績は長期間では緩やかな安定成長で推移しており、2016年9月期売上高475億円から2019年9月期は504億円まで増収したが、2020年9月期は取引の多い飲料業界がコロナ禍により販売低調だったことや、得意先の新商品発売延期・中止の影響から501億円と減収となった。経常利益は50億円~60億円で推移している。フリーCFは2017年9月期に子会社取得によりマイナスとなった以外はプラス。自己資本比率は概ね80%前後で、無借金経営