3921 ネオジャパンの業績について考察してみた

3921 ネオジャパンの業績について考察してみた

PERAGARUアナリスト

四半期業績推移随時更新中

(単位:百万円) 決算期 売上 営業利益 営業利益率
FY2024.Q1 2023.04 1,645 393 23.89%
FY2024.Q2 2023.07 1,579 209 13.24%
FY2024.Q3 2023.10 1,732 481 27.77%
FY2024.Q4 2024.01 1,659 213 12.84%
(単位:百万円) 決算期 売上 営業利益 営業利益率
FY2018.Q1 2017.04 598 162 27.09%
FY2018.Q2 2017.07 529 88 16.64%
FY2018.Q3 2017.10 568 154 27.11%
FY2018.Q4 2018.01 617 28 4.54%
FY2019.Q1 2018.04 663 187 28.21%
FY2019.Q2 2018.07 653 120 18.38%
FY2019.Q3 2018.10 661 156 23.6%
FY2019.Q4 2019.01 684 65 9.5%
FY2020.Q1 2019.04 778 172 22.11%
FY2020.Q2 2019.07 776 173 22.29%
FY2020.Q3 2019.10 781 204 26.12%
FY2020.Q4 2020.01 1,407 150 10.66%
FY2021.Q1 2020.04 1,322 282 21.33%
FY2021.Q2 2020.07 1,299 287 22.09%
FY2021.Q3 2020.10 1,304 253 19.4%
FY2021.Q4 2021.01 1,400 98 7%
FY2022.Q1 2021.04 1,362 275 20.19%
FY2022.Q2 2021.07 1,480 366 24.73%
FY2022.Q3 2021.10 1,536 350 22.79%
FY2022.Q4 2022.01 1,542 256 16.6%
FY2023.Q1 2022.04 1,496 309 20.66%
FY2023.Q2 2022.07 1,440 301 20.9%
FY2023.Q3 2022.10 1,526 350 22.94%
FY2023.Q4 2023.01 1,545 281 18.19%
FY2024.Q1 2023.04 1,645 393 23.89%
FY2024.Q2 2023.07 1,579 209 13.24%
FY2024.Q3 2023.10 1,732 481 27.77%
FY2024.Q4 2024.01 1,659 213 12.84%

沿革

1992年2月ネオジャパン株式会社として東京電力UNIX大規模ネットワークOAシステムの構築を目的に東京都で創業。2001年4月よりグループウェア『desknet’s』を販売開始。2015年11月東証マザーズに上場、2018年1月東証一部へ変更。2019年6月に米国、12月にマレーシアへ子会社設立。2019年8月に基幹システムや組込システムの開発を行う株式会社Pro-SPIREを連結子会社化。

株主構成

有価証券報告書によると2020年7月末時点での筆頭株主は、創業者で代表取締役社長の斎藤晶議氏37.47%と同氏の資産管理会社株式会社プロシードゥス6.05%と併せて43.52%を保有する。次いで、専務取締役の大坪慶穣氏で16.56%、社員又は元社員とみられる松倉二美氏7.55%が保有。5%未満の株主には、データサーバーを利用するエクイニクス・ジャパン・エンタープライズ株式会社1.77%やネオジャパン従業員持株会2.09%の他、信託口や個人が並ぶ。外国人株式保有比率は10%以下である。

取締役会

取締役は6名(社内3名、社外3名)、監査役は3名(全員社外)、監査役会設置会社である。専務取締役である大坪氏は設立当初からのメンバーであり、同社の大株主でもある。

代表取締役の経歴

代表取締役社長の斎藤晶議氏(戸籍名:斎藤章浩氏)は1961年12月生まれ。1980年4月に現在のNTTに入社し、1990年8月に株式会社ビジネスインフォアに転職。1992年2月に「コンピュータの力で日本企業と社会のコミュニケーションを変えていく」という理念を掲げ同社を設立

報告セグメント

「ソフトウェア事業」、「システム開発サービス事業」、「海外事業」の3報告セグメントに大別され、2021年1月期第3四半期の売上高3,925百万円の構成比はソフトウェア事業64.6%、システム開発サービス事業35.7%、海外事業0.1%である。営業利益822百万円は、ソフトウェア事業が8割以上を占め、海外事業は黒字化していない。

事業モデル

ソフトウェア事業の主力商品はグループウェア『desknet’s NEO』。960以上の民間企業や官公庁、自治体に導入され430万人以上の使用実績を持つ。クラウド版とパッケージ版で提供し、2021年1月期第2四半期のクラウドサービス売上比率は59.7%、2020年1月期のストック事業比率は77%であった。スケジュール管理やタイムカード、会議室予約などの基本機能から購買予約や仮払精算等まで27のアプリケーションを実装。顧客基盤は業種を問わず大企業から中小企業まで幅広い。そのほか、ビジネスチャット『ChatLuck』やWebブラウザでのメール管理と送受信をする情報送受信システム、SAF(営業支援)システム、CRM(顧客情報管理)システムなども取り扱う。
システム開発サービス事業は子会社の株式会社Pro-SPIREで展開し、自動車や携帯電話等の組込型のシステムを受託し、開発・納品する。また、顧客先企業へ常駐しシステム開発の支援を行うビジネスも展開する。
海外事業は、海外子会社2社で企業向けDaaSクラウドサービスの提供や現地パートナーの発掘等を行い、今後事業展開する方針。
コロナ禍でリモートワークが定着し、社内のコミュニケーションを図ることや、情報共有、業務効率改善などを目的にクラウドサービスを導入する企業は増えた。社内機能が徐々にクラウドサービスへ切り替わり、グループウェア市場は引き続き拡大することが見込まれる。

同社HP ホーム>製品・サービス>製品・サービス一覧

競合他社

グループウェア市場は、4776サイボウズの『サイボウズOffice』がトップシェアで『サイボウズGaroon』と併せて市場の半分以上を占め、次いでMicrosoft社の『Microsoft office365』と2社で市場の太宗を握るとみられる。その他にもNECやIBM、富士通、Googleなどのグループウェアが存在し、競合は多い。同社によると、ローカライズを含めた機能面、コスト面に同社に優位性があるとのこと。

連結の範囲

株式会社Pro-SPIRE、DELUCUI Inc(米国)、NEOREKA ASIA Sdn. Bhd.の3社が連結子会社に該当する。株式会社Pro-SPIRE以外の子会社は米国籍、マレーシア籍となっている。2020年1月期に連結子会社化した株式会社Pro-SPIREはシステム開発サービス事業を手掛けており、2021年1月期より12か月分の通期連結となる

強み・弱み

自社開発のdesknet’s NEOで幅広い企業への豊富な導入実績と顧客の高い満足度が強み。日経コンピュータの実施するグループウェア/ビジネスチャット部門での顧客満足度調査において5年連続NO.1の実績を持つ。新たに連結化し今後拡大を図るシステム開発サービス事業の従業員数は100名を超えたところだが、IT人材や優秀な新卒の確保は厳しさが増しており懸念点である。

KPI

ソフトウェア事業 期末累積ユーザー数 2020年1月期 415万人(前期比+25ユーザー
クラウドサービスのユーザー数 2021年1月期 33.8万人 (前年同期比+11.5%)
desknet’s NEOの導入社数 HP上 960団体以上
システム開発サービス事業の従業員数 2020年1月期末 107名

2021年1月期第2四半期決算説明資料

業績

会社予想では2021年1月期は売上高5,331百万円、営業利益900百万円を計画しており、2016年1月期比の5年間で売上高・営業利益ともに2倍を超える見込み。株式会社Pro-SPIREの連結開始による業績寄与もあるが、単体でも高い成長率を維持してきた。営業CFはプラスで安定推移し、その約半分程度の投資CF拠出してきた。自己資本比率は単体で7割を維持し連結でも6割程度である。

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