4387 ZUUの業績について考察してみた

PERAGARUアナリスト

沿革

2013年4月株式会社ZUUとして金融とテクノロジーを融合させたフィンテックに関わるサービスの展開を目的に東京都で設立、直後より金融資産3,000万円以上あるいは年収700万円以上の富裕層向け金融経済メディア「ZUU online」をリリース。2016年4月東南アジアのアッパーマス~富裕層向けの金融経済メディア「ZUU online」東南アジア向けをリリース。2018年6月東証マザーズへ上場。2019年1月融資型クラウドファンディング(ソーシャルレンディング)比較サイト「クラウドポート」を事業譲受し、同年12月にクラウドファンディングを運営する3社の出資比率を引き上げ子会社化し、金融サービスの運営会社へ。「ZUU online funding」をリリース。

株主構成

有価証券報告書によると2020年9月末時点の筆頭株主は、代表取締役の富田和成氏が60.2%を保有。社外取締役の赤羽雄二氏が3.6%を保有。そのほかに、信託銀行の信託口や、国内外の証券会社も確認される。

取締役会

取締役は4名(社内2名、社外2名)、監査役は3名(全員社外、1名は常勤)、監査役会設置会社である。取締役の原田佑介氏は、株式会社ディー・エヌ・エーなどのコンサルティング業務などを経験し、同社へ入社。

代表取締役の経歴

代表取締役の富田和成氏は1982年9月生まれ。一橋大学在学中にIT分野にて起業。大学卒業後、野村證券株式会社に入社。2013年4月に同社を設立し、現職へ就任。

報告セグメント

「フィンテック・プラットフォーム事業」、「クラウド・ファンディング事業」の2報告セグメントに大別され、直近2021年3月期第3四半期では、売上高1,856百万円の95.9%はフィンテック・プラットフォーム事業、4.1%はクラウド・ファンディング事業にて計上されている。

事業モデル

フィンテック・プラットフォーム事業は、金融領域特化型メディアの「ZUU online」や「MONEY TIMES」「fuelle」などを運営し、月間訪問ユーザー数は1,000万人を超え、一部を有料・無料の会員登録制で公開する。会員の4人に1人がエグゼクティブ層。それらのメディアへの広告掲載枠を金融や不動産企業等へ販売するほか、自社メディアをリード・ジェネレーションやリード・ナーチャリングとして顧客企業が見込み客を獲得し育成するマーケティング手段として提供するほか、送客支援サービスを実施する。自社メディアの会員による証券口座開設などが代表的な送客例である。そのほか、日本M&Aサービスとの合弁会社ZUUM-Aで経営者を中心に会員として抱える『THE OWNER』を運営し、大規模オンラインセミナー等の開催も行う。またセールステックとして、それらのコンテンツマネジメントシステムをクラウドで提供する『MP Cloud』サービスや、組織の経営戦略から営業施策をコンサルし最適化するクラウドサービス『PDCA Cloud』も販売する。
クラウド・ファンディング事業は、融資型・株式型クラウドファンディングの運営会社『Unicon』や『COOL』をグループに抱え、購入型クラウドファンディング『ZUU online funding』も立ち上げ中。それら金融サービスの直接運営者である。。
同社によると、グループを取り巻く事業環境は、インターネット広告市場の拡大と、Fintech市場の拡大が好調なことから良好である。

競合他社

金融領域に特化したメディアは、①総合サイトのマネーコーナー、②金融サービス会社のHP、③金融専門誌のオンライン版、④独自メディアなど複数の競合企業が存在する。同社が属する④の領域では3994マネーフォワードの運営する『MONEY PLUS』、6038イードの運営する『マネーの達人』などが挙げられる。

連結の範囲

同社グループは、同社及び連結子会社6社(内、1社はシンガポール)で構成され、いずれもフィンテック・プラットフォーム事業を行う。2019年12月にクラウドファンディング事業を行う株式会社ユニコーンと株式会社COOL SERVICE及びその子会社株式会社COOLの株式保有比率を50%未満から、それぞれ52.4%と80%へ引き上げ連結子会社化している。

強み・弱み

金融サービスへの興味・関心が高いユーザーを自社プラットフォーム上に囲い込んでいいる点が最大の強み。。一方で、広告・マーケティング収入への依存度が高く、景気動向の影響を受けやすいことが懸念点である。

KPI

金融プラットフォームを確立し、金融機関のDXを推進する等のサービスを「フィンテックサービス」、『MP Cloud』や『PDCA Cloud』など中心に経営者向けのオムニチャネルプラットフォームを構築するなどのサービスを「セールステックサービス」とし、各ドメイン別の売上高の伸び率をKPIとして開示している。また、会員数に替わる指標として月間訪問ユーザー数もKPIとなり得る。
フィンテックサービスの売上高伸び率 2021年3月期第3四半期 +70.1%
セールステックサービスの売上高伸び率 2021年3月期第3四半期 +57.7%
月間訪問ユーザー数 2020年3月期 10,527千人(前期比+57.3%)

2021年3月期 第3四半期決算資料説明資料

業績

過去4期分の経営状況をみると、売上高は堅調に増加し2017年3月期の729百万円から1,847百万円へ2.5倍となった。一方、成長投資や買収子会社ののれん償却などにより、2020年3月期経常損益は▲125百万円と損失を計上。恒常的に投資CFはマイナス、営業CFは利益に準ずるところが大きく、2020年3月期はマイナスであった。自己資本比率は7割前後で安定している。