3916 デジタル・インフォメーション・テクノロジーの業績について考察してみた

PERAGARUアナリスト

沿革

1982年7月東洋コンピュータシステム株式会社として設立され、ソフトウェア開発業務を開始。2002年1月に東洋コンピュータシステム株式会社を完全子会社化して、東洋アイティーホールディングスを設立。2006年1月にデジタル・インフォメーション・テクノロジー株式会社へ商号変更。2014年7月には自社ソフトのウェブセキュリティーソリューション「WebARGUS」を開発。2015年6月に東証JASDAQへ上場、2016年5月に東証二部へ変更、2017年3月に東証一部へ変更。

株主構成

有価証券報告書によると2020年12月末時点の筆頭株主は、代表取締役社長の市 川聡氏の資産管理会社とみられるNIインベストメント株式会社で13.0%を保有し、同氏の個人保有3.75%と併せて16.75%を占める。次いで取締役会長の市川憲和氏が12.8%、DIT 社員持株会3.0%の他に、国内外の信託銀行の信託口や三菱UFJ銀行等の金融機関が並ぶ。

取締役会

取締役は9名(社内6名、社外3名) 、監査役3名 (社内1名、社外2名)、監査役会設置会社である。取締役の橋本氏は創業者の市川憲和氏と株式会社DTSで共に勤務し、1998年に同社の前身である東洋テクノ株式会社に入社。2008年に他社から入社した望月氏を除き、残る3名の取締役はいずれもプロパー社員とみられる。

代表取締役の経歴

代表取締役社長の市川聡氏は1972年4月生まれ。明治国際医療大学を卒業後、2004年3月に同社へ入社。創業者で取締役会長の市川憲和氏の息子で2代目社長。2015年5月に取締役、2017年7月に代表取締役専務執行役員を経て、2018年7月に現職へ就任した。

報告セグメント

「ソフトウェア開発事業」と「システム販売事業」の2報告セグメントに大別される。直近2020年6月期第2四半期の売上高7,065百万円の構成は、ソフトウェア開発事業が6,747百万円で95.3%、システム販売事業が325百万円で4.5%を占める。

2021年6月期第1四半期決算説明資料

事業モデル

ソフトウェア開発事業は、「ビジネスソリューション事業」「エンベデッドソリューション事業」「自社製品事業」の3事業に細分化される。「ビジネスソリューション事業」では、Web系から基幹系に至る業務システム開発から運用、組込システムの開発から検証に至るまで、領域をまたいだソリューションを顧客に提供。顧客業種別売上は製造業35%、金融業22%、通信業17%、サービス業8%、運輸業5%、公共5%と、幅広い業種を顧客に抱え、直近では医薬、公共系の新規顧客が増加している。上場企業から中小企業まで幅広く取引がある。「エンベデッドソリューション事業」では、車載機器、モバイル機器等へのソフトウェアの組込開発を行っている。「自社製品事業」では、自社ソフトの開発販売業務を行っており、ウェブサイト改ざんの検知・復旧ソリューションソフトの「WebARGUS」や、Excel業務イノベーションプラットフォーム「xoBlos」が主力。2021年より電子契約クラウドの販売も開始。
システム販売事業では、主に中小企業向け情報処理コンピュータ「楽一」の代理店販売を行っている。

2021年6月期第1四半期決算説明資料

競合他社

金融系システム開発に強い4674株式会社クレスコ(直近決算期売上高39,337百万円)、大企業向けシステムの提供を行う3837アドソル日進株式会社(同13,315百万円)などが競合として挙げられる。

連結の範囲

連結子会社はDITマーケティングサービス株式会社と、米国所在のDIT America, LLC. の2社である。米国子会社は組込検証事業が主軸。

強み・弱み

「事業領域・顧客層の幅広さ」と「自社製品」の2点が事業の強み。幅広い顧客のニーズに社内で一貫してソリューション提供できるプラットフォームが出来上がっている。またネットへのセキュリティー意識の高まりから、情報セキュリティー分野の自社製品の売れ行きも好調である。ビジネスソリューション事業において、2020年度の大型受注による特需が剥落しており、受注案件と採算の管理は課題である。

KPI

2017年6月期から2020年6月期の中期経営計画では売上高100億円、営業利益10億円、営業利益率10%を、それぞれKPIとして挙げている。
①売上高:2017年6月期100億円達成(2020年6月期は13,495百万円)
②営業利益:2019年6月期達成(2020年6月期は1,352百万円)
③営業利益率:2020年6月期(10.0%)達成

業績

売上高と営業利益は安定的な成長を継続しており、2020年6月期で10期連続増収増益を達成。営業CFは安定してプラス、営業CFの1~2割程度の金額を投資CFで毎期拠出し、財務CFは恒常的にマイナスである。自己資本比率は7割前後で推移し、無借金。