3994 マネーフォワードの業績について考察してみた

3994 マネーフォワードの業績について考察してみた

PERAGARUアナリスト

四半期業績推移随時更新中

(単位:百万円) 決算期 売上 営業利益 営業利益率
FY2023.Q4 2023.11 8,796 -1,765 -20.07%
FY2024.Q1 2024.02 9,544 -992 -10.39%
FY2024.Q2 2024.05 10,320 -835 -8.09%
FY2024.Q3 2024.08 9,809 -1,010 -10.3%
(単位:百万円) 決算期 売上 営業利益 営業利益率
FY2017.Q3 2017.08 732 -45 -6.15%
FY2017.Q4 2017.11 965 -77 -7.98%
FY2018.Q1 2018.02 905 -123 -13.59%
FY2018.Q2 2018.05 1,091 -98 -8.98%
FY2018.Q3 2018.08 1,130 -286 -25.31%
FY2018.Q4 2018.11 1,468 -289 -19.69%
FY2019.Q1 2019.02 1,397 -984 -70.44%
FY2019.Q2 2019.05 1,661 -574 -34.56%
FY2019.Q3 2019.08 1,882 -309 -16.42%
FY2019.Q4 2019.11 2,216 -579 -26.13%
FY2020.Q1 2020.02 2,393 -631 -26.37%
FY2020.Q2 2020.05 2,821 -614 -21.77%
FY2020.Q3 2020.08 2,756 -358 -12.99%
FY2020.Q4 2020.11 3,348 -1,201 -35.87%
FY2021.Q1 2021.02 3,466 80 2.31%
FY2021.Q2 2021.05 3,994 -36 -0.9%
FY2021.Q3 2021.08 3,833 -445 -11.61%
FY2021.Q4 2021.11 4,339 -661 -15.23%
FY2022.Q1 2022.02 4,755 -1,638 -34.45%
FY2022.Q2 2022.05 5,086 -2,158 -42.43%
FY2022.Q3 2022.08 5,455 -2,510 -46.01%
FY2022.Q4 2022.11 6,181 -2,163 -34.99%
FY2023.Q1 2023.02 6,791 -1,625 -23.93%
FY2023.Q2 2023.05 7,296 -1,582 -21.68%
FY2023.Q3 2023.08 7,497 -1,357 -18.1%
FY2023.Q4 2023.11 8,796 -1,765 -20.07%
FY2024.Q1 2024.02 9,544 -992 -10.39%
FY2024.Q2 2024.05 10,320 -835 -8.09%
FY2024.Q3 2024.08 9,809 -1,010 -10.3%

沿革

2012年5月、東京都にてマネーブック株式会社を設立し、12月に現社名へ商号変更。お金の見える化サービス『マネーフォワードME』をリリースした。翌2013年11月には『マネーフォワード クラウド会計・確定申告』をリリース。
2017年9月東証マザーズに上場し、2021年6月に東証一部へ市場変更、2022年4月には東証の市場区分見直しにともないプライム市場へ移行している。
同社は法人・個人・金融機関向けにオンライン金融プラットフォームを提供するフィンテック企業である。

代表取締役の経歴

代表取締役社長CEOの辻庸介氏は1976年6月生まれ。京都大学農学部を卒業後、ペンシルバニア大学ウォートン校MBA修了。2001年4月、ソニー株式会社(現:ソニーグループ株式会社)に入社した。2004年1月にマネックス証券株式会社へ出向し、同社へ転籍した後マーケティング部部長・COO補佐まで務めた。2012年に当社を設立して以来、現職を務める。

報告セグメント

「プラットフォームサービス事業」の単一セグメントである。
また手がける事業は大きく下記5種類に大別される。
* Businessドメイン(法人向けサービスを提供)
* Homeドメイン(個人向けサービスを提供)
* Xドメイン(金融機関向けサービス開発)
* Financeドメイン(決済サービスなど新たなファイナンスサービスを開発))
* SaaS Marketing ドメイン(SaaS企業のマーケティング支援)

事業モデル

第11期 有価証券報告書

多くのドメインでサブスクリプション収入を代表とするストック型収益とフロー型収益の2軸を基本とする。
Businessドメインのフロー型収入はイベント協賛金やコンサルティング売上など。またHomeドメインでは広告掲載料やイベント運営収入である。
Xドメインはサブスクリプション収入がメインであり、Financeドメインはサービス利用による手数料収入をおもな収益源とする。
SaaS Marketingドメインでは月額基本料によるサブスクリプション収入と、サービスの内容・ボリュームに応じた課金、コンサルティング料も収益となる。
国内SaaS市場は2026年度には1兆6,681億円に達すると見込まれ、これは2021年度の180%にあたる。インボイス制度の導入やキャッシュレス決済の普及が追い風となっている。

競合他社

4478フリーがクラウド会計ソフトを提供する企業として競合する。ほか、弥生会計を提供する弥生株式会社(株主は米投資ファンドのKKR)などが挙げられる。

強み・弱み

提供サービスの柔軟性が強み。利用者の事業規模・事業形態・ニーズに合わせて各サービスを単体で利用でき、複数のサービスを組み合わせて連携させるとより利便性が高まる。サブスクリプション収入の取りこぼしも防げ、ユーザーは財務管理をマネーフォワードひとつで一元管理できる。
一方で売上高は成長しているものの5期続く赤字・営業CFのマイナスは懸念材料。企業の成長にともなう人件費・販管費の増加が原因とみられる。2023年11月期も赤字の予想が立っており6期連続の赤字となる見込みであり、コストの回収が急がれる。

KPI

ストック型収益は2017年11月期から右肩上がりで推移。売上高に対する人件費の割合はおおむね50%前後で推移していたが、2022年11月期より60%程度まで上昇している。一方、広告宣伝費は2022年11月期では30%前後だったが、2023年11月期第1四半期~第3四半期においては20%を下回る水準である。

業績

2018年11月期~2022年11月期の5年間で売上高を4.7倍に伸ばしてきた。一方、経常損失は11.6倍にまで膨らんでいる。2022年11月期は売上高21,477百万円、経常損失は9,581百万円であった。なお2023年11月期第3四半期(累計)は売上高21,584百万円(前年同期比41.1%)、営業損失4,564百万円(前年同期4,605百万円)、経常損失4,943百万円(前年同期7,356百万円)だ。

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