9637 オーエスの業績について考察してみた

9637 オーエスの業績について考察してみた

PERAGARUアナリスト

四半期業績推移随時更新中

(単位:百万円) 決算期 売上 営業利益 営業利益率
FY2024.Q1 2023.04 1,801 77 4.28%
FY2024.Q2 2023.07 1,987 117 5.89%
FY2024.Q3 2023.10 1,711 47 2.75%
FY2024.Q4 2024.01 1,915 36 1.88%
(単位:百万円) 決算期 売上 営業利益 営業利益率
FY2018.Q1 2017.04 1,871 265 14.16%
FY2018.Q2 2017.07 1,913 270 14.11%
FY2018.Q3 2017.10 2,609 16 0.61%
FY2018.Q4 2018.01 2,264 93 4.11%
FY2019.Q1 2018.04 1,691 152 8.99%
FY2019.Q2 2018.07 1,752 193 11.02%
FY2019.Q3 2018.10 2,016 203 10.07%
FY2019.Q4 2019.01 3,030 251 8.28%
FY2020.Q1 2019.04 2,190 237 10.82%
FY2020.Q2 2019.07 2,204 311 14.11%
FY2020.Q3 2019.10 1,891 223 11.79%
FY2020.Q4 2020.01 2,649 121 4.57%
FY2021.Q1 2020.04 1,180 -15 -1.27%
FY2021.Q2 2020.07 963 -101 -10.49%
FY2021.Q3 2020.10 1,536 79 5.14%
FY2021.Q4 2021.01 2,448 145 5.92%
FY2022.Q1 2021.04 1,347 26 1.93%
FY2022.Q2 2021.07 1,217 -2 -0.16%
FY2022.Q3 2021.10 1,339 4 0.3%
FY2022.Q4 2022.01 1,668 -40 -2.4%
FY2023.Q1 2022.04 1,374 -27 -1.97%
FY2023.Q2 2022.07 2,610 180 6.9%
FY2023.Q3 2022.10 1,756 74 4.21%
FY2023.Q4 2023.01 1,720 66 3.84%
FY2024.Q1 2023.04 1,801 77 4.28%
FY2024.Q2 2023.07 1,987 117 5.89%
FY2024.Q3 2023.10 1,711 47 2.75%
FY2024.Q4 2024.01 1,915 36 1.88%

沿革

1946年12月、京阪神急行電鉄株式会社(現:9042 阪急阪神ホールディングス)の株主への割当て募集によりオーエス映画劇場株式会社を設立。以後、関西を中心に映画劇場を開館していく。
1969年3月、子会社のオーエス不動産株式会社を設立し、1973年8月に宅地建物取引業を開業。映画興行と並行して不動産・ホテルなどを展開する。1975年8月、現商号へ変更。2013年7月東証第二部に上場する。2022年4月、東証の市場区分見直しにより、スタンダード市場へ移行した。
不動産事業を軸としながら創業事業である映画興行も手がける企業で、9602 東宝の持分法適用関連会社、9042 阪急阪神ホールディングスの関連会社である。

代表取締役の経歴

代表取締役社長の髙橋秀一郎氏は1954年2月生まれ。東京大学工学部を卒業後、阪急電鉄株式会社(現:9042 阪急阪神ホールディングス)へ入社。2003年6月には取締役に就任する。その後は阪急不動産株式会社(現:阪急阪神不動産株式会社)や阪急リート投信株式会社(現:阪急阪神リート投信株式会社)などの要職を歴任し、2015年4月に当社取締役に就任。2016年4月より現職を務める。

報告セグメント

エンタメ・サービス事業」と「不動産事業」の2つに大別される。2024年1月期第2四半期においては全体の売上高に対して各セグメント売上高はほぼ1/2ずつとなっている。

事業モデル

「エンタメ・サービス事業」では、大阪・兵庫を中心に映画館をはじめ飲食店およびアミューズメント施設を経営する。
また「不動産事業」では関西圏と首都圏で不動産賃貸のほか、土地・建物の売買ならびに仲介、ビル総合管理業を営む。基幹事業である賃貸部門は大阪梅田の「OSビル」をはじめとする商業ビルやオフィスビルを保有。販売部門は「プレージア」ブランドの分譲マンションを中心に不動産開発・販売に取り組む。

有価証券報告書 第105期
2021年時点で、国内の映画館のスクリーン数のうちシネコン(1館でスクリーンが5つ以上ある映画館)の割合は9割を超える。コロナ禍前は上昇傾向だった映画興行収入だが、コロナ禍で大きく落ち込んだ。シネコン運営は今後の回復が期待される。

競合他社

都市型シネコンと不動産事業を営む競合として、8842 東京楽天地9636 きんえい9643 中日本興業などが挙げられる。

強み・弱み

創業75年を超える歴史を持ちながら、時代の流れやニーズに合わせて組織形態を変更するなど柔軟な姿勢と、2事業のバランスの良さが強み。
2020年2月にはエンタメ・サービス事業部、不動産事業部ともに縦割り型の組織から横連携型組織へと再編。同時に経営企画部が担っていた事業開発機能を事業企画部として分離し、他事業部と連携を取りやすくする形で各事業の拡大を狙う。
一方、映画館のスクリーン数は増加傾向にあるものの、映画館そのものが減っている点や、作品による興行成績の差異の大きさは懸念材料。映画館に足を運んでもらうために各社さまざまな施策を打っているなかで、顧客のニーズと満足度を満たす新しいエンタメサービスを提供していく必要がある。

KPI

中期経営計画にてキャッシュフロー重視の経営を掲げており、売上高、営業利益、営業利益率はKPIとなりうる。なお数値はすべて2024年1月期第2四半期時点のものである。
①売上高:3,788百万円(前年同期比▲4.9%)
②営業利益:194百万円(前年同期比+26.7%)
③営業利益率:5.1%(2025年1月期目標5%)

業績

2019年1月期~2023年1月期の5期を振り返ると、売上高は2020年1月期の8,934百万円をピークにコロナ禍の影響で5,571百万円まで4割近く落ち込んだ。2023年1月期は7,460百万円とコロナ前の8割まで持ち直している。経常利益も同様の動きをしており、2020年1月期の834百万円をピークに35百万円まで下落。2023年1月期は266百万円まで回復した。
なお2024年1月期第2四半期累計の売上高は3,788百万円(前年同期比▲4.9%)、経常利益は166百万円(同+3.0%)となった。

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