7325 アイリックコーポレーションの業績について考察してみた

7325 アイリックコーポレーションの業績について考察してみた

PERAGARU管理人

四半期業績推移随時更新中

(単位:百万円) 決算期 売上 営業利益 営業利益率
FY2023.Q3 2023.03 1,471 -7 -0.48%
FY2023.Q4 2023.06 1,645 57 3.47%
FY2024.Q1 2023.09 1,529 38 2.49%
FY2024.Q2 2023.12 2,048 165 8.06%
(単位:百万円) 決算期 売上 営業利益 営業利益率
FY2019.Q1 2018.09 853 116 13.6%
FY2019.Q2 2018.12 906 108 11.92%
FY2019.Q3 2019.03 1,232 299 24.27%
FY2019.Q4 2019.06 879 40 4.55%
FY2020.Q1 2019.09 973 108 11.1%
FY2020.Q2 2019.12 1,083 138 12.74%
FY2020.Q3 2020.03 1,110 186 16.76%
FY2020.Q4 2020.06 1,003 47 4.69%
FY2021.Q1 2020.09 1,024 20 1.95%
FY2021.Q2 2020.12 1,139 60 5.27%
FY2021.Q3 2021.03 1,231 204 16.57%
FY2021.Q4 2021.06 1,244 81 6.51%
FY2022.Q1 2021.09 1,256 89 7.09%
FY2022.Q2 2021.12 1,282 91 7.1%
FY2022.Q3 2022.03 1,301 117 8.99%
FY2022.Q4 2022.06 1,360 121 8.9%
FY2023.Q1 2022.09 1,299 80 6.16%
FY2023.Q2 2022.12 1,589 57 3.59%
FY2023.Q3 2023.03 1,471 -7 -0.48%
FY2023.Q4 2023.06 1,645 57 3.47%
FY2024.Q1 2023.09 1,529 38 2.49%
FY2024.Q2 2023.12 2,048 165 8.06%

沿革

1995年7月東京都に、保険分析システムの開発及び来店型保険ショップの設立を目的として、株式会社アイリックコーポレーションを設立。1999年12月「生命保険情報ステーション」(現保険クリニック®文京本郷店)をオープン。来店型の「保険クリニック®」サービスを本格始動。2018年9月東証マザーズに上場。2021年3月難しい保険を簡単に教えてくれる保険ロボアドバイザー「いっきゅうファミリーの保険ロボアドバイザー」をリリース。来店型保険ショップ「保険クリニック®」などを展開する

株主構成

有価証券報告書によると2021年12月末時点の筆頭株主は、Nihon IFA Partners Ltd.(常任代理人ファラロン・キャピタル・ジャパン合同会社)が28.38%を保有。次いで、代表取締役社長の勝本竜二氏が17.92%、住友生命保険相互会社(常任代理人株式会社日本カストディ銀行)が6.64%、ネオファースト生命保険株式会社が6.64%を保有。そのほか、取締役副社長の半澤勝広氏や取締役システム本部長の勝本伸弘氏などが並ぶ。外国人株式保有比率は30%以上

取締役会

取締役は9名(社内8名、社外1名)、監査役は3名(全員社外)、監査役会設置会社である。代表権を持たない社内取締役7名は、AIG損害保険株式会社やアクサ生命保険株式会社、カシオヒューマンシステムズ株式会社、三井物産株式会社、みずほ証券株式会社、ミネベア株式会社などの出身者で様々。

代表取締役の経歴

代表取締役社長の勝本竜二氏は1964年3月生まれ。高校を卒業後、共栄信用金庫(現のと共栄信用金庫)に入庫。その後、アメリカン ライフ インシュアランス カンパニー(現メットライフ生命保険株式会社)を経て、株式会社ファイナンシュアランスを設立。1995年7月に同社を設立し、取締役に就任した。2016年7月に現職へ就任。

報告セグメント

「保険販売事業」、「ソリューション事業」、「システム事業」の3報告セグメントに大別される。2022年6月期第2四半期の売上高2,538百万円の構成比は、保険販売事業60.4%、ソリューション事業28.4%、システム事業11.2%である。セグメント利益は、保険販売事業208百万円、ソリューション事業257百万円、システム事業14百万円であり、調整額を差し引いた営業利益は180百万円であった。

2022年6月期第1四半期 決算説明資料

事業モデル

「保険販売事業」は、直営店部門と法人営業部門から構成される。直営店部門は、来店型保険ショップ「保険クリニック」直営店52店舗(2021年6月末)において、保険分析・検索システム「保険IQシステム®」を活用する事で、顧客が加入中の保険商品を分析し、複数の保険会社の保険商品の中から希望にあった保険商品をリストアップし、ご意向に基づいて絞り込みを行う。また、顧客が視覚的に比べて選ぶことが出来るようなコンサルティングを通じて、最適な保険選びをサポートする保険販売を行う。集客方法はホームページ経由や直接来店等を経由したものなど。法人営業部門は、法人、法人経営者及び富裕層をサポートすべく、保険の有効活用等に関する提案・保険販売を行う訪問型営業を行う。同事業の収益の流れは、同社と「代理店業務委託契約」を締結する保険会社の保険商品を販売することで、顧客と当該保険会社との間で保険契約が締結され、顧客より支払われる「保険料」に従って、当該保険会社から同社に対し「保険手数料」が支払われる
「ソリューション事業」は、AS部門とFC部門から構成される。AS部門は、金融機関・保険代理店・企業代理店等に対して、生命保険の現状把握・検索提案システム「ASシステム」及び「AS-BOX」を提供しており、2021年12月末のID数は、保険代理店及び銀行向けが4,981ID、保険会社向けが3,758ID、合計8,739IDに到達した。また既存のシステムユーザーに対するサービスとして、教育を含む保険販売コンサルティング、金融機関向けOCRサービス、その他ソリューションも提供する。同部門の収益の流れとしては、金融機関・保険代理店・企業代理店等と「システム利用契約」を締結し、上記システムを提供することで、「登録料」及び「月額利用料」が支払われる。また、保険販売コンサルティング売上・OCR売上・その他ソリューション売上を、サービス提供に応じて計上する。FC部門は、全国1957店舗(2021年12月末)の「保険クリニック®」FC店に対し、「保険IQシステム®」及び保険申込ナビゲーションシステム「AS-BOX」を提供し、教育・研修や情報提供、店舗運営ノウハウ、プロモーション等のサポートを行い、直営店と同等のサービスを全国で展開する。同部門の収益源としては、FC運営代理店から支払われる「初期登録料・基本料金・店舗料金」、「ロイヤリティ」及びノベルティ売上・教育研修売上等がある。
「システム事業」は、保険分析・販売支援等のシステム開発及びその他ソフトウエア受託開発や「スマートOCR®」の開発及び販売を連結子会社である株式会社インフォディオが行う。同事業の収益の流れとしては、同社またはその他企業より、システム・ソフトウエアの開発を受注し、当該会社から「開発費」を受け取り、「スマートOCR®」に関しては提供先企業からサブスクリプション方式で使用料を受け取る
日本の生命保険市場においては、世界的に見て高水準な保険加入率や高齢化・少子化の進展を背景として、保険料収入全体が大きく増加する状況は期待しにくいものとなっている。一方、来店型保険ショップや通信販売、金融機関の窓口販売、様々なチャネルを通じて、消費者が自ら保険商品を比較・選択する傾向は一段と強まっている。また、健康寿命長期化を背景に、消費者の保険に求めるニーズが死亡保障中心の保険から医療保険・介護保険・生存保障中心の保険へと変化している。複数の保険会社から自分に合った保険を選びたいというニーズは一段と高まっており、この傾向は更に続くものと考えられる。

競合他社

テレマティクス保険代理店大手7169NFCホールディングス(直近決算期売上高284億円)、生損保代理店大手8798アドバンスクリエイト(直近決算期売上高110億円)などが競合として挙げられる。

連結の範囲

同社グループは、同社及び連結子会社1社(株式会社インフォディオ)により構成され、保険販売事業、ソリューション事業、システム事業を営む。

強み・弱み

文字を読み取りPC利用可能なデジタル文字コードに変換するOCR技術が強み。取引保険会社による審査基準の強化等に伴い保険契約の成約率が低下する可能性や、取引保険会社の営業政策の変更や財政状態の悪化等の理由により代理店手数料率が見直される可能性があることが懸念される。

KPI

2022年6月期第2四半期におけるKPIは下記。
保険事業
①     直営店舗推移 57店舗
②     直営店集客数 6,301人
③     直営店成約率 56.6%
④     一世帯当たりの成約単価 165千円
ソリューション事業
①     ASシリーズID数推移 8,739ID
②     FC店舗推移 197店舗
③     FC他業界の動向

業績

2017年6月期から2021年6月期までの5期をみると、売上高は2,848百万円から4,638百万円と順調に推移、経常利益は213百万円から374百万円となっているが、来店型のビジネスモデルのため集客が感染症の影響を受け、業績のピークは2019年6月期の546百万円。営業CFは恒常的にプラス、投資CFは恒常的にマイナス。2022年6月期第2四半期の自己資本比率は84.6%。

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