7157 ライフネット生命保険の業績について考察してみた

PERAGARU管理人

ライフネット生命保険の事業概要

・沿革
2006年10月に生命保険準備会社として「ネットライフ企画株式会社」が設立された。2008年3月に「ライフネット生命保険株式会社」に商号変更し、4月に生命保険業免許取得し、5月から営業を開始している。そして、2012年3月に東京証券取引所マザーズに株式を上場している。その後、2015年4月にKDDI株式会社と資本業務提携契約を締結や2019年12月にはauフィナンシャルホールディングス株式会社を加えた資本業務提携契約締結。2020年2月には株式会社セブン・フィナンシャルサービスと業務提携契約の締結を発表している。
・株主構成
同社の大株主はauフィナンシャルホールディングス株式会社となっており、24.92%保有している。その他証券会社などが保有しており、先述した株式会社セブン・フィナンシャルサービスが6.32%を保有している。上位10株主で71.98%となっている。
・取締役会構成
取締役会は8名で構成されており、社外取締役が半数の4名となっている。また、監査役は3名で過半数を超える2名が社外監査役となっており、独立性を担保している。
・代表取締役の経歴
同社の代表取締役の森氏は1984年生まれで、2007年4月にゴールドマン・サックス証券株式会社に入社。その後、5年半後、同社に入社し、経営戦略本部長、営業本部長を経て、代表取締役社長に就任している。
なお、以前の代表取締役は岩瀬大輔氏であり、1998年東大法学部卒業(在学中に旧司法試験合格)、ボストンコンサルティンググループ勤務やハーバードビジネススクール留学などを経て同社を創業している。
・報告セグメントと事業の構成、ビジネスモデル
同社の報告セグメントは生命保険事業の単一事業としている。なお、同社の事業は生命保険事業に関連する業務として①保険引受業務、②資産運用業務、③業務の代理・事務の代行業務を行なっている。
・競合他社
同社は生命保険業務を行なっており、上場の競合他社は第一生命ホールディングス、T&Dホールディングスやかんぽ生命など生命保険を行なっている会社となる。
・連結の範囲
同社は連結子会社や関連会社はなく、連結財務諸表も作成していない。
親会社のauフィナンシャルホールディングスとなっており、auフィナンシャルホールディングスの関連会社となっている。

生命保険事業

同社は生命保険事業の単一セグメントとなっている。
・事業モデル
同社は代理店チャネルを拡大するとともに同社の強みであるインターネットを活用したオンラインでのサービスを活用して拡大をしている。オンラインで保険相談などを行うことで安くて便利な商品・サービスを提供している。
・強みや弱み
同社の強みはオンラインでのサービス・商品を提供することで安価でわかりやすい保険の販売を行なっていることである。
弱みとしてはオンラインを中心に事業を展開しているため、オンライン販売が浸透していない保険市場では代理店が少ないことが挙げられる。
・事業の盛衰
オンラインでの保険販売が浸透してきており、過去5年間で保険料等収入が約180%となっている。保険は人口に応じて契約数が変動するため、人口が減少している日本ではパイが減少している中では、シェアを獲得して収益が増加したとしても、その後収益は減少することになると考えられる。
・KPI
同社は一度契約すると解約することに対してハードルが高い。一度契約すると安定して収益を獲得することができる。同社は新規の契約件数をKPIとしていると考えられる。
また、合わせて解約失効率もKPIとしていると考えられる。これは新規の契約を増やすとともに解約件数を減らし、安定した収益を獲得すると考えられるためである。
・業績の進捗
同社は先述した通り、保険料等収入は増加傾向となっている。これは新規の契約件数が過去最高を更新しており、それに伴い、収益も増加している。一方、保険金等の支払額や事業費など経費が収入を上回る割合で増加しており、収益状況は悪化している。
過去最高の契約数を獲得しているものの、経費が収益を上回っており、赤字が継続している。
次に、B/SやC/Sの観点で分析すると赤字が拡大している状況のため、直近では営業CFは減少傾向になっている。保険準備金の積立額が増加しているため、営業CFはプラスにはなっている。また、保険事業においては獲得した営業CFを有価証券などで運用するため、営業CFと投資CFがほぼ同様の動きとなっている。直近は営業CFが減少しているため、投資CFも減少している。
B/S面は先述したことにも関連しているが、資産側は有価証券の増減が大きく、負債側は保険積立金の増加がメインとなっている。
保険事業という特性を考えると責任準備金を積み立てることがP/Lの悪化に繋がり、CFについてはプラスになる。また、有価証券の運用により、投資CFに影響するとともにBSの増減に影響している。
なお、2021年3月期の中間期において相変わらず新規契約数は増加しており、その結果、前年よりも順調な業績で推移している。新型コロナの影響は生命保険ニーズの高まりという形で受けているため、順調な業績の後押しをしている。