8715 アニコムホールディングスの業績について考察してみた

PERAGARUアナリスト

沿革

2000年7月株式会社ビーエスピーとしてどうぶつ健保の保険事務を受託することを目的に、東京都で創業。2005年1月アニコムインターナショナル株式会社に商号変更。その後2008年1月よりアニコム損害保険株式会社の営業がスタート。2008年6月アニコムホールディングス株式会社に商号変更。2010年3月東証マザーズ上場、2014年6月東証一部へ変更 。ペット向けの保険で10年連続シェアトップ

株主構成

有価証券報告書によると2020年9月末時点の筆頭株主は日本カストディ銀行の信託口で保有比率12.5%、日本マスタートラスト信託銀行の信託口保有比率8.4%と続く。次いで代表取締役で社長の小森伸昭氏の資産管理会社KOMORIアセットマネジメントが6.0%、同氏個人でも2.4%と併せて8.4%を保有する。それ以下は国内外の信託銀行の信託口が中心。

取締役会

取締役は7名(社内3名、社外4名)、監査役は4名(常勤1名、社外3名)、監査役会設置会社である。専務執行役員の百瀬由美子氏は創業時からのメンバーであるが、それ以外は金融庁や日銀出身者、警察庁OBと言った人員で構成されている。

代表取締役の経歴

代表取締役の小森伸昭氏は1969年5月生まれ。京都大学農学部に入学した後、経済学部に転部。経済学部を卒業した後、1992年に東京海上火災保険株式会社(現東京海上日動火災保険株式会社)に入社。2000年7月に同社前身である株式会社ビーエスピーを設立、代表取締役に就任し、現在に至る。

報告セグメント

「損害保険事業」、「ペット向けインターネットサービス事業」の2報告セグメントに大別され、2021年3月期第3四半期の経常収益35,689百万円の構成比は損害保険事業90.9%、ペット向けインターネットサービス事業3.3%、その他(報告セグメントに含まれていない事業セグメント)で5.8%である。

事業モデル

「損害保険事業」では、ペット向けの保険を販売し、保険料収入が主たる収益源である。最大の販売チャネルは代理店契約を締結しているペットショップで、新生児の販売時にペット保険も販売。 その他、Webで直販や代理店を通じての販売や銀行窓口などのでも販売され、飼育されているペットが対象となる。
「ペット向けインターネットサービス事業」は2021年3月期より新たに追加されたセグメント。子会社の株式会社シムネットにおいて、犬や猫を販売するブリーダーと飼い主とのマッチングサイトや保護された犬や猫との里親マッチングサイトを展開している。

競合他社

ペット保険専業の上場企業として7339アイペットホールディングスが挙げられる。ペットのための保険はその他にも複数存在し「PS保険」のペットメディカルサポート株式会社、「フリーペット保険」の株式会社FPC、SBIいきいき少額短期保険株式会社楽天少額短期保険株式会社などが競合する。

連結の範囲

アニコム損害保険株式会社、アニコムフロンティア株式会社、アニコムパフェ株式会社、アニコム先進医療研究所株式会社、アニコムキャピタル株式会社、株式会社シムネットの6社が連結子会社に該当する。株式会社シムネットはペット向けインターネットサービス事業を営む。それ以外の5社は損害保険事業を営んでいる。

強み・弱み

「窓口清算システム」を導入していることが強み。従来は動物病院の窓口で治療費用の全額を支払い、後日請求を行うシステムだったが、窓口でペットの保険証を提示するだけで支払額が治療費のうちの自己負担分だけになる。また、この「窓口清算システム」を導入している全国の動物病院は2020年12月末時点で6500病院にのぼり、全国の動物病院の5割以上を占め保険契約社に高い利便性を提供している点も強みである。グループ全体の売上高の95%が保険事業だが国内は高齢化を背景に犬の飼育頭数は減少が続く。新規契約の獲得数の鈍化や、犬の高齢化に伴う保険金の支払い増加等のリスクは懸念点。

KPI

主要な経営パラメーターの2021年3月期第3四半期実績は下記。
新規契約獲得件数 159,368件(前年同期比 +31.5%
保有契約件数 896,247件(2020年3月末比 +9.8%
対応動物病院数 6,505病院(2020年3月末比 +0.6%

業績

2016年3月期から2020年3月期までの5期間で経常収益は1.5倍となっているが、経常利益は増減がありほぼ横ばい。2021年3月期第3四半期は、経常収益で35,689百万円(前年同期比+16.7%)、経常利益2,169百万円(同+58.0%)、親会社に帰属する四半期純利益で1,300百万円(同+33.1%)となっており、増収増益である。コロナ禍におけるペット需要の増加や、それに伴う通院の増加が背景。自己資本比率は徐々に高まり、2020年3月期で50%を超えたが、足元で社債発行により2021年3月期第3四半期は46.6%へ低下した。営業CFは恒常的にプラス、積極的な投資支出を行っておらず投資CFは過去5期中3期がプラス