6737 EIZOの業績について考察してみた

6737 EIZOの業績について考察してみた

PERAGARUアナリスト

沿革

1968年3月、羽咋電機株式会社を石川県にて設立。家庭用テレビ及び関連機器の委託生産を手掛け、その後はテーブル型ゲームやVTRなども生産。1985年5月、コンピュータ用CRT(ブラウン管)モニターを開発・製造し、自社ブランド「EIZO」として欧州で販売開始する。1997年3月にはコンピュータ用液晶モニターを開発し、販売をはじめる。2002年3月、東証二部へ上場、翌年3月に東証一部へ市場変更。2013年4月、EIZO株式会社に商号変更。2016年7月パナソニック ヘルスケア株式会社より手術室および内視鏡用モニター事業を譲受。高品質な映像機器、システムやサービスをディスプレイソリューションとしてヘルスケア、クリエイティブワーク、アミューズメントなど幅広く提供する会社。

株主構成

有価証券報告書によると、2021年9月末時点の筆頭株主は日本マスタートラスト信託銀行株式会社の信託口で、12.4%を保有する。続いて株式会社日本カストディ銀行の信託口が9.2%を保有。ほか、保有割合5%未満で国内銀行や、創業家関係の個人・企業がならぶ。保有比率の高い特定の株主はいない。外国人株式保有比率は10%以上20%未満。

取締役会

取締役は7名(社内4名、社外3名)、うち4名が監査等委員(社内1名、社外3名)。監査等委員会設置会社である。代表権を持たない社内取締役3名全員が経理部長を経て執行役員、取締役に就いており、うち2名はプロパー社員とみられる。

代表取締役の経歴

代表取締役社長の実盛祥隆氏は1944年4月生まれ。神戸大学法学部を卒業後、6981村田製作所へ入社。米国、ドイツへの赴任経験を持つ。1994年5月、同社常務取締役に就任し、代表取締役副社長を経て2001年6月より20年間にわたり現職を務める。

報告セグメント

映像機器及びその関連製品の開発・生産・販売を主とし、実質的に単一セグメントだが、市場別にB&P(Business & Plus)、ヘルスケア、クリエイティブワーク、V&S(Vertical & Specific)、アミューズメント、その他と6分野へ展開する。以下に市場区分と2022年3月期第2四半期の売上高構成を示す。

2022年3月期 第2四半期 連結決算説明資料

2022年3月期 第2四半期 連結決算説明資料

事業モデル

映像機器及びその関連製品を100%自社開発・自社生産している。また海外での販売に関しては「一国一販売代理店制」を採用。海外20社と販売代理店契約を結び、EIZOブランドを展開する国・地域は100を超える。金融機関やオフィスなどをターゲット顧客とするB&P市場向け製品が同社製品すべての基本となっている。モニター、カメラ、ビデオエンコーダの各製品群で構成する「撮影、記録、配信、表示」のImaging Chainをシステム事業として展開。システム事業を強くすることで製品を強く、製品を強くすることでシステム事業を強化していく、EVS(EIZO Visual Systems)と称したビジネスモデルで事業領域の拡大を目指す。
同社の強みであるヘルスケア市場については、先進国では読影環境の改善を目的に、高解像度モニターの需要が高まっている。また中国や新興国においても医療需要の増加により、同様に医療用モニターの需要は高まる見込み。さらに先端医療の進展から手術用モニター、術野カメラ、映像記録・配信システムなどの映像関連機器も需要が高まるとみられる。

同社HP TOP > 会社概要 > ビジネスモデル

競合他社

医療用モニター、クリエイティブワーク(グラフィック用途)向けモニターで世界的にもトップシェアを持つグローバルニッチ企業であり、国内上場企業での厳密な競合は見当たらない。

連結の範囲

連結子会社は16社あり、国内6社、海外10社で構成される。このうち主要な子会社は映像表示システムおよびアミューズメント用モニターなどの生産、電子回路基板の生産をおこなうEIZOエムエス株式会社、ヘルスケア市場向け製品の開発、生産、販売を手掛ける、ドイツのEIZO GmbHである。

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強み・弱み

複数のニッチな市場で高いシェアを持つ点が強み。アミューズメント市場が縮小する中で、ヘルスケアやクリエイティブワーク、船舶用途など、ほかの市場で高いシェアを持ち、収益のバランスを保つ。またM&Aも戦略的に実施しており、事業領域を拡大し、需要を取り込むことで新たな収益の基盤をかためている。しかし、2022年3月期第2四半期で売上高の31.4%を構成するアミューズメント市場は法規制の厳しさと遊技人口の減少から市場は縮小傾向にあり、販売台数の大きな減少が懸念される。

KPI

2023年3月期に向けた中期経営計画において、売上高88,000百万円、営業利益13,200百万円の目標を掲げているため、売上高、営業利益はKPIとなりうる。
2022年3月期第2四半期の数値を以下に示す。
①売上高:43,743百万円(前年同期比+38.0%)
②営業利益:6,610百万円(前年同期比3.5倍)

業績

過去5期分の経営状況をみると、売上高は78,284百万円からピークは2018年3月期の84,057百万円、翌2019年3月期には72,944百万円まで落ち込んだが、2021年3月期は76,565百万円まで戻している。経常利益も同様の動きをしており、7,105百万円から2018年3月期の9,505百万円をピークに、2019年3月期に5,710百万円まで下げたものの、2021年3月期は8,814百万円と、トータルで見て+24%の成長となった。5期を通して自己資本比率は74%以上と高い水準をキープ。投資CFは恒常的にマイナス、営業CFはプラスで推移している。

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