フェ6890 ローテックホールディングスの業績について考察してみた

PERAGARU管理人

フェローテックホールディングスの事業概要

同社は半導体関連装置の製造・販売を行っている。
真空シールやサーモモジュールで世界シェアトップを誇り、シリコンウェーハなどに積極的な投資を行い競争力を維持している。1980年に創業し、従業員はグループ全体で7,775人。
・沿革
1980年、米国企業の子会社として、コンピュータシール、真空シール、磁性流体の輸入販売を目的として設立し、1987年に独立。そして1992年1月に中国杭州市、1995年5月に中国上海市に子会社を設立。その後、1996年に日本証券業協会に登録。1997年7月にシンガポール子会社の設立を経て、1999年11月に元親会社を買収している。さらに2004年にジャスダック証券取引所に上場、中国への子会社設立を複数行いながら、2015年7月に株式会社アドマップの株式を、2016年7月には株式会社アサヒ製作所の株式を取得。2017年に株式会社フェローテックホールディングスに社名変更している。
・株主構成
2020年9月時点での大株主は、同社の代表取締役会長を含む代表者達で7%、銀行や証券会社などで10%程度を保有している。
・取締役会構成
同社の取締役は8名 (うち社外取締役2名)、監査役は3名 (うち社外監査役2名)であり、監査役会を原則月1度行っている。
・代表取締役の経歴
代表取締役社長の賀賢漢氏は中国上海市出身、生年月日は1957年10月14日(63歳)。日本大学の大学院を修了し、1993年フェローテックホールディングス入社。2001年に取締役、2011年に代表取締役副社長、そして2020年6月に代表取締役社長に就任。
・報告セグメントと事業の構成、ビジネスモデル
現在のセグメントは半導体等装置関連と、電子デバイスの2つ

中国に5つの製造拠点を持ち、半導体装置関連を軸にしつつ、自動車業界へのマーケティングを強化している。
・競合他社
真空シールやサーモモジュールはニッチ市場で世界シェアトップ、また磁性流体を利用した製品についても同社のシェアが高く競合が少ない状態。その他の製品については、石英製品は信越化学工業、セラミックスは京セラなど、それぞれ強力な競合がいるため、シェアとしては小さくなる。
・連結の範囲
国内の連結会社は株式会社フェローテックマテリアルテクノロジーズ、アリオンテック株式会社、フェローテック・アリオン株式会社、株式会社アサヒ製作所、東洋刃物株式会社の6社、海外では中国を始めアメリカやヨーロッパにも連結子会社が設立されている。
・事業モデル
主な製品は石英製品、セラミックス製品、真空シール、磁性流体、パワー半導体用基板、サーモモジュール、CVD-SiC製品、シリコンウェーハの8つであり、当該製品を原価より高く販売した分が同社の粗利益になるビジネスモデルである。
・強みや弱み
真空シールやサーモモジュールの市場にて、圧倒的な世界シェアを保有している。さらにM&Aにて獲得した半導体製造装置向け冶具・消耗材や、積極的に投資している半導体ウエハー事業などが成長し、売上に貢献している。これから「スーパーサイクル」に入り需要の増加が期待される半導体市場にて、売上高、利益を増やしていくことが期待される。対して、売上高の大半が半導体製造装置関連のため、半導体の需要によって大きな影響を受けることが弱みになる。ただし、消耗品交換の需要は一定数あるため、ある程度安定した需要は見込める。
・事業の盛衰
同社は過去の主力セグメントとして太陽電池があったが、赤字の拡大を受けて2019年に撤退し、M&Aも駆使しながら半導体製造装置のセグメントを成長させてきた。
現在ではコア技術を活用してIoT、自動運転、ビッグデータなどの新しい技術に対応していく動きを取っており、その成否で将来の業績も大きく変わってくると思われる。
・KPI
2022年度に向けた中期業績目標を発表しており、その目標によると、最終年度の業績は売上高125,000百万円、営業利益12,500百万円、営業利益10%超、ROE10%超、ROIC6%超、自己資本比率40%超を掲げていた。これらの業績を達成するための手段として、好調な半導体マテリアル(石英・シリコン・セラミックス・CVD-SiCによる治具・消耗品)で約100億円、多額の設備投資を行っている半導体中・大口径ウエハーの増産で約200億円、市場開拓中で売上を順調に伸ばしているパワー半導体、部品洗浄で約100億円の売上増加を見込んでいた。しかしながら、COVID19の影響などで業績予測が困難になったことから、目標設定を改め、再度開示する予定だ。IRにKPIとして開示されてはいないものの、取引社数はKPIとして予想できる。
・懸念点
COVID-19をはじめとする市場要因に影響は受けているが、半導体市場の需要に支えられ大きな影響には至っていない。半導体市場の落ち込み、IoT、ビッグデータなどの技術革新への対応、また力を入れている自動車業界への進出などの成否によって業績が悪化する可能性がある。また中・大型ウエハーを始め、パワー半導体、部品洗浄の売上向上のため、工場新設など多額の設備投資を行っており、自己資本比率が18年3期~20年3期にかけて18%減少している。
・業績の進捗
米中経済摩擦やCOVID-19などの影響、それによる企業の設備投資控えなどにより、2020年度の収益は全体的に悪化している。ただし設備投資に力を入れている装置部品洗浄、パワー半導体の分野においては順調に事業拡大が継続しており、これからも増産していく予定。