7231 トピー工業の業績について考察してみた

7231 トピー工業の業績について考察してみた

PERAGARUアナリスト

沿革

1921年10月に宮製鋼所を設立し、1922年にサッシ圧延に成功。1926年9月に東京シヤリング株式会社を設立。1934年12月に株式会社東京車輪製作所を設立。1941年10月に株式会社東京車輪製作所と株式会社阿部鉄工所が合併し、車輪工業株式会社に商号変更。1943年10月に株式会社宮製鋼所と東京シヤリング株式会社が合併し、東都製綱株式会社を発足。1949年5月に車輪工業株式会社と東都製綱株式会社が東証に上場。1955年7月に東都造機株式会社、1956年12月に東都鉄構株式会社を設立。1964年7月に車輪工業株式会社と東都製鋼株式会社、東都造機株式会社、東都鉄構株式会社の4社が合併し、トピー工業株式会社を発足、引き続き東証一部に上場する。本社は東京都品川区。商用車ホイールと建機用履板で国内トップシェアを誇る

株主構成

有価証券報告書よると2021年3月末時点の筆頭株主は5401日本製鉄で20.6% 、その他は保有割合5%未満で国内信託銀行信託口、トピーファンド、明治安田生命保険相互会社、トピー工業社員持株会、国内外の金融機関が並ぶ。また5%ルール報告書によると、みずほ銀行と共同保有者の持分が6.9%と報告されている。外国人株式保有比率は10%以上20%未満

取締役会

取締役は7名(社内5名、社外2名)、監査役4名 (社内2名、社外2名)、監査役会設置会社である。常務取締役の山口政幸氏は三田工業株式会社を経て、1999年10月に同社に入社。その他の代表権を持たない社内取締役は全員プロパーとみられる。社内取締役はそれぞれ営業部門や経営企画部門、技術部門、総務部門等を統括する。

代表取締役の経歴

代表取締役社長の高松信彦氏は1955年6月生まれ。東京大学工学部を卒業後、1979年4月に現5401日本製鉄に入社し、2014年8月に副社長に就任。2017年4月に同社専務執行役員社長補佐を経て、2017年6月に現職に就任した。

報告セグメント

「鉄鋼事業」、「自動車・産業機械部品事業」、「発電事業」、「サイエンス事業」、「賃貸事業」の5セグメントに大別される。報告セグメントに含まれない事業として、屋内外サインシステム、土木・建築及びスポーツ施設の運営等を含む「その他」がある。2022年3月期第1四半期の売上高は55,737百万円で、うち鉄鋼事業が15,077百万円で27.1%、自動車・産業機械部品事業が37,831百万円で67.9%、発電事業が1,414百万円で2.5%、サイエンス事業が213百万円で0.4%、その他が1,199百万円で2.2%を占める。賃貸事業では外部顧客への売上はなく、セグメント間の内部売上で構成される。
セグメント別利益は変動大きく、同期は自動車・産業機械部品、賃貸、その他が黒字、その他が赤字だった。
2018年3月期以降のセグメント別構成は下図の通り。

2021年決算期 株主通信

事業モデル

鉄鋼事業では電気炉内において、製鋼から各種条鋼の圧延までを一貫して生産する。建設資材用の一般構造用鋼材や、同社内の自動車・産業機械部品事業向けの異形形鋼を取り扱う。電気炉を利用することで、鉄スクラップのリサイクルすることができる。鉄鋼需要は国内が長期的に縮小傾向である一方で、海外は新興国のインフラ関係を中心に拡大が見込まれる。
自動車・産業機械部品事業では、自動車用スチールホイールやアルミホイール、建設機械用足回り部品、工業用ファスナー等を製造・販売する。自動車用、産業車両用、建設機械用ホイールでは国内 トップシェアを有する。工業用ファスナーは自動車、家電、工業用機械向けを中心に、IT分野に積極的に供給。産業用機械部品では熱処理・加工技術に強みを持ち、建設用履板では国内首位を誇る。世界の自動車・建設機需要は、新興国を中心に中長期的に拡大傾向である。同社では米国、メキシコ、中国、インド、インドネシア等の拠点に加えて、欧州ホイールメーカーであるMWイタリア社との提携によるグローバルでの供給体制を整備する。国内ではアルミホイールの装着率上昇などからスチールホイール需要が減退しており、国内工場の集約を行っている。
発電事業では、愛知県豊橋市にある石炭火力発電設備で発電し、電力の卸販売をする。
サイエンス事業では化粧品に基礎原料である合成マイカや、前後左右異動機能を持つクローラーロボットの開発・製造・販売を行う。
賃貸事業では、連結子会社や関連会社へ不動産を賃貸する。
海外売上高比率は23.1%で、地域ごとでは米国が7.6%、その他が15.5%を占める。(2021年3月期)
主要顧客は7203トヨタ自動車で、連結売上高に占める売上高の割合は10.1%である。(同)

競合他社

日産向け車体プレス大手メーカー5949ユニプレス (2021年3月期売上高234,545百万円)、トラック向けフレームやアクセルで国内首位の7246プレス工業 (同153,725百万円)が競合として挙げられる。

連結の範囲

連結子会社28社、 持分法適用関連会社3社を持つ。原料を同社へ供給する連結子会社のトピー実業株式会社は、連結売上高に占める売上高の割合が10%を超える。

強み・弱み

強みとして一貫生産体制とグローバル展開が挙げられる。素材部門である鉄鋼事業で製造した鋼材を、加工部門である自動車・産業機械部品事業に供給。素材から完成品まで手掛ける一貫生産体制を整備する。取引先や加工部門のニーズに合わせた細やかな製品開発が可能であり、多品種少量の生産対応も実現する。加工部門では海外7か国に17拠点を展開し、海外メーカーの現地調達ニーズに対応できる供給体制を整える。懸念点としては、中国の電炉鋼生産の増加による原料の鉄スクラップ価格の高騰が挙げられる。

KPI

KPIには①地域別売上高と②売上高営業利益、③ROE、④ROA、⑤D/Eレシオが挙げられる
①地域別売上高(2021年3月期)
②売上高営業利益:▲1.3%(同)
③ROE:0.6%(同)
④ROA:▲0.8%(同)
⑤D/Eレシオ:0.75(同)

2021年3月期 通期決算説明資料

2021年3月期 通期決算説明資料

業績

売上高は2017年3月期から2019年3月期にかけて鋼材需要の拡大や建機関連の売り上げ増加に伴い約1.4倍へ増収し、経常利益は1.5倍へ増益となった。一方、2021年3月期にかけては米中貿易摩擦や新型コロナ流行による自動車や建機需要の低下が響き、2割ほど減収した。経常利益は2020年3月期に自動車・産業機械部品事業での販売数量の大幅減少により、▲61.6%の減益を記録し、2021年3月期は、鉄スクラップ価格高騰の影響を受けて赤字転換▲575百万円の損失となった。フリーCFは期によって変動が大きい。2021年3月期は有形固定資産の取得によりマイナスに転換。自己資本比率は30%台後半から40%台前半を推移する