7921 TAKARA &COMPANYの業績について考察してみた

7921 TAKARA &COMPANYの業績について考察してみた

PERAGARUアナリスト

沿革

1952年6月に野村正道氏がディスクロージャー関連書類印刷の専門会社として株式会社宝商会を東京都港区で設立、1960年4月に宝印刷株式会社となる。1967年8月には証券研究会を設置し、現在の主力事業となるディスクロージャー関連書類の事例収集と分析に注力。2007年4月、証券研究会を発展的に改組し、総合ディスクロージャー研究所(現株式会社ディスクロージャー&IR総合研究所)を開設。2012年4月には、株式会社野村総合研究所と共同で、IR向けコミュニケーションツール「e-AURORA XIRCLE」の販売を開始。2013年10月に、アジア各国への日本企業進出に絡むビジネスチャンスを調査する目的で、香港に駐在事務所を新設。2019年12月、持株会社体制移行に伴い商号を株式会社TAKARA & COMPANYへ変更し、同時に事業運営会社として宝印刷株式会社を新会社として設立。1988年12月、日本証券業協会へ店頭登録、1998年4月、東証二部上場、2003年5月、同一部へ市場変更。

株主構成

有価証券報告書によると、2021年5月末時点での筆頭株主は、創業者一族の資産管理会社と見られる株式会社野村で4.82%保有。以下、銀行、生保、信託銀行の信託口など国内の金融機関、社員持株会、個人などが続く。なお、創業者一族と推測される野村朱実氏も個人名義で1.36%保有。外国人株式保有比率は10%未満

取締役会

取締役は6名(社内3名、社外3名)、監査役は3名(1名は常勤で社内、他2名は非常勤で社外)、監査役会設置会社である。代表権を持たない社内取締役2名は、三井信託銀行株式会社(現三井住友信託銀行株式会社)出身者ならびに野村證券株式会社出身者。社外取締役には、三洋電機株式会社元代表取締役社長、株式会社資生堂元常務、コンサルティング会社のDigital Entertainment Asset Pte. Ltd(シンガポール)CEOが就任。

代表取締役の経歴

代表取締役社長の堆誠一郎氏は1953年12月生まれ。慶應義塾大学卒業後、1986年1月に入社。取締役経理部長、常務取締役などを経て2002年8月より現職

報告セグメント

「ディスクロージャー関連事業」、「通訳・翻訳事業」の2セグメントで構成される。2021年5月期の売上高24,777百万円の構成比は、ディスクロージャー関連事業76.6%、通訳・翻訳事業23.4%であった。また、同期の調整前セグメント利益は、ディスクロージャー関連事業2,510百万円、通訳・翻訳事業▲438百万円であった。売上高、セグメント利益の両面でディスクロージャー関連事業が主力となる。なお、地域別では国内の売上高が連結売上高の90%以上を占める。

事業モデル

ディスクロージャー関連、コンサルティング、システム開発、通訳・翻訳など事業領域は多岐に及ぶが、主力はディスクロージャー関連であり、同事業を担う子会社である宝印刷株式会社の売上高の連結売上高に占める割合は72.9%に達する。株式上場申請書類などのIPO関連サービスから金融商品取引法や投資信託法関連サービス、株主総会招集通知などの会社法関連サービスに加え、IR、SRなどを手掛ける。主要製品に、決算プロセス自動化ツール「WizLabo」がある。
通訳・翻訳関係では子会社の株式会社サイマル・インターナショナルが中心となって、国際会議等のイベントにおける通訳サービスのほか、翻訳サービスも提供する。翻訳に関しては、一般的な案件に加え、日本へ進出する欧米企業向けのマーケティング色の強い翻訳にも対応する。

2021年5月期決算説明会資料 p.32

競合他社

7893 (株)プロネクサスが、有価証券報告書、四半期報告書、決算短信、招集通知等の法廷開示書類を中心にディスクロージャー関連事業を主力とする点で競合する。売上高24,997百万円(2021年3月期)。

連結の範囲

同社グループは、同社及び子会社23社(うち連結子会社11社)で構成される。連結子会社のうち宝印刷株式会社ならびに株式会社サイマル・インターナショナルは売上高の連結売上高に占める割合が10%を超える。各社の割合は、前者72.9%、後者13.9%

強み・弱み

コーポレート・ガバナンスを取り巻く制度整備やESG情報の開示に関する対応要請は近年ますます高まっており、ディスクロージャー関連事業のさらなる発展が期待される点は強み。また、グローバル化に伴い、企業活動に係る文書の翻訳や海外上場のサポートなど通訳・翻訳事業の需要増加も期待できる。一方、顧客企業の開示前情報を扱うため、それらの管理には細心の注意が要求され、万一情報漏れが発生した場合には信用失墜を招く。

KPI

ソフトウェア販売実績などがKPIと見られる。
・開示書類作成支援ツール導入社数:1,161社(2021年5月期)

2021年5月期決算説明会資料 p.20

業績

売上高、利益とも順調に拡大、直近5期で売上高は1.6倍、営業利益は1.8倍となった。2021年5月期は、売上高24,777百万円(前期比+29.6%)、営業利益2,707百万円(前期比+20.5%)、経常利益2,881百万円(前期比+21.9%)と、過去最高を記録。営業CFは恒常的にプラス、投資CFは恒常的にマイナス。直近決算期の自己資本比率は70.8%。