7245 大同メタル工業の業績について考察してみた

7245 大同メタル工業の業績について考察してみた

PERAGARUアナリスト

沿革

1939年11月に大同メタル工業株式会社設立(大同軸受工業株式会社へ商号変更していた時期もあったが、1946年に社名を戻した)。1940年6月より自動車用エンジン軸受事業を、1968年8月より船舶用エンジン軸受事業を開始。1971年4月から、同業他社のナガトメタル工業株式会社、日本メタル工業株式会社、株式会社アジアケルメット製作所を吸収合併もしくは子会社化。1968年1月台湾へ現地法人を設立したことを封切りに海外へ進出を開始、タイ、米国、韓国、インドネシア、英国、インド、中国等へ展開。1961年10月に名証二部上場、1997年9月には名証一部へ市場変更。2004年3月に東証二部上場、2005年3月には東証一部へ市場変更。自動車エンジン用を主力に軸受及び周辺部品の製造・販売を事業とする金属部品メーカーである。

株主構成

有価証券報告書によると、2021年3月末時点での筆頭株主は日本マスタートラスト信託銀行株式会社信託口で5.36%保有。以下は5%未満の保有率で、信託銀行や損保などの金融機関、同社持株会、機関投資家など続く。外国人株式保有比率は10%以上20%未満

取締役会

取締役は5名(社内4名、社外2名)、監査役は4名(1名は常勤で社内、他2名は非常勤で社外)、監査役会設置会社である。代表権を持たない社内取締役2名はいずれもプロパー。社外取締役には日本銀行OB、藤田保健衛生大学学長が就任。

代表取締役の経歴

代表取締役は2名。代表取締役会長の判治誠吾氏は1942年1月生まれ。慶應義塾大学卒業後、1965年4月に入社。取締役社長などを経て2007年6月より現職
代表取締役社長の三代元之氏は1955年9月生まれ。早稲田大学卒業後、1979年4月に株式会社富士銀行(現株式会社みずほフィナンシャルグループ)入社。2008年9月に同社入社、取締役などを経て2021年6月より現職

報告セグメント

「自動車用エンジン軸受」、「自動車用エンジン以外軸受」、「非自動車用軸受」、「自動車用軸受以外部品」の4セグメントで構成される。2021年3月期の売上高84,720百万円の構成比は、自動車用エンジン軸受55.1%、自動車用エンジン以外軸受18.8%、非自動車用軸受12.1%、自動車用軸受以外部品12.2%、その他1.7%であった。また、同期のセグメント利益7,806百万円の構成比は、自動車用エンジン軸受77.5%、自動車用エンジン以外軸受23.4%、非自動車用軸受18.7%、自動車用軸受以外部品は1,852百万円の赤字、その他4.1%であった。売上高、セグメント利益の両面で自動車用エンジン軸受が主力セグメントといえる。なお、地域別売上構成比は、国内46.7%、北米8.9%、アジア(中国除く)19.7%、中国10.1%、欧州10.7%、その他3.9%であり、海外が50%以上を占め、中でもアジア地域が30%近くに及ぶ

事業モデル

部品メーカーであり、自動車メーカーを始めとする各種メーカーへの製品販売を事業とする。総売上高の80%以上が軸受であり、用途別に自動車用ならびに非自動車用に大別される。自動車用はさらにエンジン用途及びエンジン以外用途に、非自動車用は船舶・建設機械用途及び一般産業用途に分類される。
軸受はボールベアリングに代表される転がり軸受とすべり軸受に大別され、同社はすべり軸受の製造に特化している。すべり軸受には摩耗による寿命短縮が起こるため、エンジン内部のような油脂で潤滑される条件下や回転数が限定される部位に使用される。したがって、同じく自動車用であっても車軸の軸受などには用いられず、同社製品の対象外である。
自動車用エンジン軸受のうち、クランクシャフトを支えるメインメタル、クランクシャフトとコネクティングロッドを結合するコンロッドメタルなどの主要軸受には「半割メタル」が使用される。半割メタルで世界トップシェア(33.5%)を誇る。さらに、船舶用低速ディーゼルエンジンの軸受においても、世界トップシェア(58.0%)を達成している。

2021年3月期通期決算説明会資料 p.33

競合他社

6470 大豊工業(株)が、自動車用エンジン軸受を主力製品とする点で競合する。主要納入先はトヨタ自動車(株)。売上高92,945百万円(2021年3月期)。6282 オイレス工業(株)も、自動車用軸受を主力製品とする点で競合し得る。売上高52,977百万円(2021年3月期)。

連結の範囲

同社グループは、同社、子会社36社(うち連結子会社33社)、持分法適用関連会社3社で構成される。

強み・弱み

国内外において高いシェアを誇る点が強み。また、世界各地に拠点を持つ点は、高いシェアの維持には有利。一方、長期的な世界情勢は電気自動車へのシフトを示唆しており、エンジン搭載車の減少が予想される点は同社にとって不利。

KPI

シェアなどが主要KPIと見られる。
・主力の自動車エンジン用など3分野で世界首位(2020年)

2021年3月期通期決算説明会資料 p.16

業績

中長期的にみれば売上高は2019年3月期までは増加基調で推移していたが、2020年3月期より減少へ転ずる。利益は、粗利率の変動により安定せず、2012年3月期の9,523百万円の水準を回復できないまま、足元では新型コロナウイルス感染症による経済活動低迷の影響をうけている。2021年3月期は売上高84,720百万円(前期比▲15.4%)、営業利益1,315百万円(前期比▲68.4%)、経常利益874百万円(前期比▲76.1%)であった。営業CFは恒常的にプラス、投資CFは恒常的にマイナス。直近決算期の自己資本比率は36.3%。