6794 フォスター電機の業績について考察してみた

6794 フォスター電機の業績について考察してみた

PERAGARUアナリスト

沿革

1949年6月東京都にて信濃音響研究所を創立、スピーカーの製造販売を開始する。1953年5月信濃音響株式会社に改組、1959年5月にフォスター電機株式会社に改称。1962年5月に東証二部上場。1964年4月ヘッドホンの製造販売を開始。1965年2月には香港に関係会社を設立し、以後積極的にアジア、欧米等へ展開し、1988年8月には中国での委託加工を開始。1999年9月東証一部に変更米アップルに供給実績を持つ音響・車載用スピーカー部品・製品の専業メーカー

株主構成

有価証券報告書によると2021年3月末時点の筆頭株主は、日本マスタートラスト信託銀行の信託口で保有割合11.82%。。以降は保有割合5%未満で国内信託銀行信託口、メガバンク2行、国内信託銀行、海外金融機関が並ぶ。尚、5%ルール報告書によると、野村證券と共同保有者の持分が7.21%になる模様。外国人株式保有比率は30%以上

取締役会

取締役は8名(社内5名、社外3名)、監査役は4名(社内1名、社外3名)、監査役会設置会社である。後述の代表取締役である成川氏を除き、社内取締役はプローパー入社とみられる。

代表取締役の経歴

代表取締役は2名。代表取締役会長CEOの吉澤博三氏は1954年2月生まれ。中央大学卒業後、1976年3月同社入社。関連会社の代表取締役や同社代表取締役社長などを経て、2020年6月より現職を務める
代表取締役社長COOの成川敦氏は1959年5月生まれ。慶應義塾大学卒業後、1982年4月富士銀行(現みずほ銀行)入行。海外業務を中心とした行内要職を歴任後、2015年5月同社顧問に就任。2020年6月より現職を務める

報告セグメント

「スピーカ事業」、「モバイルオーディオ事業」、「その他事業」の3報告セグメントに大別される。2021年3月第1四半期売上高21,860百万円の構成比はスピーカ事業75.7%、モバイルオーディオ事業16.0%、その他事業8.2%だった。利益面は連結赤字で、黒字だったのはその他のみ。モバイルオーディオ事業は19年3月期から赤字が続いている。スピーカ事業は前年度も第1四半期は赤字だったが通期では黒字化した。

事業モデル

同社製品は全量海外生産。主な製造拠点は中国、韓国、ベトナム、ミャンマー、米国、ブラジルに持つ。海外売上比率も高く、2021年3月期の地域別売上高構成は日本20.9%、中国25.2%、アジア21.6%、アメリカ16.5%、ヨーロッパ14.5%で残りがその他だった。
スピーカ事業はオーディオ用、テレビ用、車載用製品等、モバイルオーディオ事業はヘッドセット、ヘッドホン、小型スピーカおよび業務用マイクロホン等の製造販売を行う。委託者ブランドの製品を生産するOEMや、設計・生産するODM方式をとっている。
その他事業は警報音用ブザーや自社ブランド「FOSTEX」製品の製造販売、物流サービス等の提供を行う。
スマホ市場は一時のような勢いを失い、新製品発売のたびに爆発的に売れる時代は終わろうとしている。一方で車載用スピーカはハイブリッド車に使用される警報音や接近通報音など用途、規模ともに拡大が見込まれる。

競合他社

車載向け音響機器を手掛けるメーカーとして、6770アルプスアルパイン(2021年3月期売上高718,013百万円)、7951ヤマハ(同372,630百万円)、6632JVCケンウッド(同273,609百万円)などが挙げられる。

連結の範囲

連結子会社28社および持分法適用関連会社1社。国内販売を行うフォスター電子株式会社の他、海外に多数の製造・販売子会社を持つ。

強み・弱み

有名オーディオブランドのOEMを数多く手掛ける高品質なものづくり、それを可能にする仕入から最終製品までの一貫生産体制が同社の強み。一方で全量海外生産のため、為替リスク、地政学リスクを持つ。2021年3月期ではミャンマーの生産拠点が政情不安により休止することとなった。またスマホ業界の主要顧客商品の販売動向により同社業績は大きく左右されることが弱みだった。事業ポートフォリオの見直しにより需要増が見込まれる車載用製品、特にマーケットの拡大が見込まれる中国向けを強化する。

KPI

①車載用スピーカ売上高、中国向け比率(2021年3月期第4四半期14,985百万円、19%)
②為替(米ドル、ユーロ、タイバーツ等)

2021年3月期決算説明会資料

業績

2016年3月期以降主要顧客向けヘッドセット販売の数量減少などから売上高低下が続く。営業利益も当該顧客商品の発売時期は販売動向に左右される部分が大きく安定しないが低下傾向。フリーCFは棚卸資産が増加した2017年3月期と固定資産減損や早期退職募集による特別退職金等の特別損失により最終赤字となった2021年3月期がマイナス。最終赤字により自己資本減るも、有利子負債削減もあり自己資本比率は60%前後を維持。