6104 芝浦機械の業績について考察してみた

6104 芝浦機械の業績について考察してみた

PERAGARUアナリスト

沿革

1938年12月に株式会社芝浦製作所(現:東芝(6502))の出資によって芝浦工作機械株式会社を創立、1949年3月に企業再建整備法に基づき沼津工場を母体として株式会社芝浦機械製作所を設立、1949年8月に東京証券取引所に上場、1961年6月に芝浦工機株式会社と合併して社名を東芝機械株式会社に変更した。その後、国内事業・子会社再編や海外展開も推進し、2017年3月に東芝が保有していた同社株式を買い取って東芝グループから離脱、2020年4月に商号を芝浦機械株式会社に変更、2021年4月に東京本社と沼津本社の二本社体制とした。成形機を主力に大型工作機械なども展開する大手産業機械メーカー(旧:東芝機械)である。

株主構成

有価証券報告書によると、2021年3月31日現在の筆頭株主は日本マスタートラスト信託銀行株式会社(信託口)で自己株式除く発行済株式総数に対する所有割合は9.27%、ついで株式会社日本カストディ銀行(信託口)で同7.03%である。2021年6月21日更新のコーポレート・ガバナンス報告書によると外国人株式保有比率は合計20%以上30%未満

取締役会

取締役12名(社内5名、社外7名)、うち3名が監査等委員(社内1名、社外2名)、監査等委員会設置会社である。メガバンクや大手証券会社等の金融畑で経歴の長い取締役最高財務責任者専務執行役員の大田浩昭氏を除く4名の社内取締役はプロパー出身者とみられる。
社外取締役の佐藤潔氏は東京エレクトロン株式会社代表取締役社長等を歴任し、マツダ株式会社と稲畑産業株式会社の社外取締役を兼任、岩崎清悟氏は静岡ガス株式会社代表取締役社長および会長等を歴任し、スター精密株式会社と株式会社村上開明堂の社外取締役および静岡ガスの特別顧問を兼任、井上弘氏は株式会社東京放送ホールディングス代表取締役会長等を歴任、寺脇一峰氏は大阪高等検察庁検事長等を歴任し、キューピー株式会社、株式会社商工組合中央金庫、鹿島建設株式会社の社外監査役を兼任、早川知佐氏はカルビー株式会社財務経理・IR本部長を兼任。
監査等委員で社外取締役の宇佐美豊氏は監査法人出身で、株式会社チヨダ社外監査役や産業ファンド投資法人監督役員等を兼任、今村昭文氏は弁護士(グリーンヒル法律特許事務所パートナー弁護士)で、JBCCホールディングス株式会社社外取締役(監査等委員)等を兼任している。

代表取締役の経歴

代表取締役会長の飯村幸生氏は1956年6月生まれ。1980年4月同社入社、同社代表取締役社長等を経て、2017年4月同社代表取締役会長に就任(現任)した。
代表取締役社長最高経営責任者の坂元繁友氏は1958年5月生まれ。1983年4月同社入社、同社代表取締役副社長執行役員等を経て、2020年2月同社代表取締役社長最高経営責任者に就任(現任)した。
なお、2021年6月21日の株主総会を経て、飯村氏は最高経営責任者の職を退任し、坂元氏がその任へ就いた。

報告セグメント

成形機、工作機械、制御機械の3セグメントとしている。2021年3月期の構成比は、売上高が成形機69.4%、工作機械22.5%、制御機械6.3%、その他1.7%で、営業利益は成形機が太宗を占め、工作機械と制御機械は赤字であった。成形機が収益柱である。なお地域別売上構成比は日本44.1%、米国13.0%、中国23.7%、その他アジア15.2%、その他地域4.0%だった。

事業モデル

成形機は射出成形機、押出成形機、ダイカストマシン、工作機械は門型マシニングセンタ、研削盤、制御機械は産業用ロボット、電子制御装置などの製造・販売を行っている。
生産拠点は国内の沼津本社(静岡県沼津市)、相模工場(神奈川県座間市)、御殿場工場(静岡県御殿場市)、子会社の東栄電機株式会社、株式会社不二精機製造所、および中国、タイ、インドに展開している。

競合他社

産業機械業界は多くの企業が得意分野において受注確保に努めている。同社は成形機を主力として、同分野で高い市場シェアを確保している。競合する有力企業には、成形機では日本製鋼所(5631)、東洋機械金属(6210)、日精樹脂工業(6293)、住友重機械工業(6302)など、工作機械のマシニングセンタではオークマ(6103)、DMG森精機製作所(6141)、ヤマザキマザック(非上場)などがある。

連結の範囲

2021年3月期末時点でグループは同社、連結子会社13社、非連結子会社で持分法非適用会社9社、関連会社で持分法非適用会社1社、合計24社で構成されている。主要な連結子会社はSHIBAURA MACHINE CAMPANY,AMERICA(米国イリノイ州)である。

強み・弱み

創業以来培ってきた精密加工・モノづくり技術をベースに、開発力・品質力を強みとして顧客から高い信頼を得ている。なお事業の選択と集中で、印刷機、繊維機械、油圧機器、食品機械、半導体製造装置などの分野は事業譲渡して撤退している。リスク要因として、産業機械業界は景気や製造業の設備投資の影響で受注が変動しやすいという特徴がある。受注変動は採算性にも影響する可能性がある。

KPI

過去3期間の受注高および売上高の推移を見ると、米中貿易摩擦激化やコロナ禍の影響で全体として減少傾向となっている。ただし2021年3月期から中国や米国において回復傾向である。

経営戦略資料

業績

過去5期間(2017年3月期~2021年3月期)の連結業績の推移を見ると、2021年3月期はコロナ禍の影響を受けて売上高、利益とも大幅に落ち込んだ。これを除けば売上高は概ね1,100億円台で推移しているが、利益率が低下傾向となっている。経常利益は2018年3月期の6,982百万円から2020年3月期に3,825百万円まで減少した。持分法適用会社だったニューフレアテクノロジーの株式売却(2020年1月)も一因となった。
同社は2020年2月に策定した経営改革プランに基づいて、2024年3月期に売上高1,350億円、営業利益率8%、ROE8.5%を目指すとしている。生産性向上や固定費削減などで利益率を改善することが当面の課題となる。
自己資本比率は概ね50%台で推移し、2021年3月期には61.2%まで上昇した。営業キャッシュ・フローは2019年3月期にマイナスに転じたが、2020年3月期にはプラスに回復している。財務の健全性に大きな懸念はないだろう。