4593 ヘリオスの業績について考察してみた

4593 ヘリオスの業績について考察してみた

PERAGARUアナリスト

四半期業績推移随時更新中

(単位:百万円) 決算期 売上 営業利益 営業利益率
FY2021.Q4 2021.12 11 -1,512 -13745.45%
FY2022.Q1 2022.03 11 -1,429 -12990.91%
FY2022.Q2 2022.06 11 -1,635 -14863.64%
FY2022.Q3 2022.09 8 -1,041 -13012.5%
(単位:百万円) 決算期 売上 営業利益 営業利益率
FY2017.Q1 2017.03 20 -490 -2450%
FY2017.Q2 2017.06 7 -445 -6357.14%
FY2017.Q3 2017.09 0 -862 0%
FY2017.Q4 2017.12 0 -551 0%
FY2018.Q1 2018.03 0 -553 0%
FY2018.Q2 2018.06 0 -2,748 0%
FY2018.Q3 2018.09 0 -732 0%
FY2018.Q4 2018.12 0 -1,030 0%
FY2019.Q1 2019.03 109 -923 -846.79%
FY2019.Q2 2019.06 -34 -1,018 2994.12%
FY2019.Q3 2019.09 7 -1,074 -15342.86%
FY2019.Q4 2019.12 7 -1,282 -18314.29%
FY2020.Q1 2020.03 7 -930 -13285.71%
FY2020.Q2 2020.06 7 -919 -13128.57%
FY2020.Q3 2020.09 7 -1,077 -15385.71%
FY2020.Q4 2020.12 6 -1,257 -20950%
FY2021.Q1 2021.03 9 -1,405 -15611.11%
FY2021.Q2 2021.06 11 -1,038 -9436.36%
FY2021.Q3 2021.09 10 -1,429 -14290%
FY2021.Q4 2021.12 11 -1,512 -13745.45%
FY2022.Q1 2022.03 11 -1,429 -12990.91%
FY2022.Q2 2022.06 11 -1,635 -14863.64%
FY2022.Q3 2022.09 8 -1,041 -13012.5%

沿革

20011年2月、株式会社日本網膜研究所設立、iPS細胞(人工多能性幹細胞)由来網膜色素上皮細胞移植による加齢黄斑変性治療法の実用化戦略を検討開始。2013年2月にiPSアカデミアジャパン株式会社との間でiPS細胞樹立基本技術に関する特許実施権許諾契約を、同年3月には独立行政法人(現国立研究開発法人)理化学研究所との間で、再生医療製品に係る特許実施許諾契約を締結。同年9月に商号を株式会社ヘリオスに変更。2015年6月には東証マザーズ上場。2016年1月、米国Athersys, Inc. (アサシス社)との間で国内における幹細胞「MultiStem」を用いた再生医療等製品に関するライセンス契約を締結。2017年2月7731ニコンと再生医療分野における業務・資本提携契約を締結。2022年4月東証の市場区分見直しによりグロース市場へ移行。体性幹細胞ならびにiPS細胞を活用した再生医薬品の、研究・開発・製造を事業とするバイオベンチャー

株主構成

有価証券報告書によると、2022年6月末時点での筆頭株主は創業者で代表執行役社長の鍵本忠尚氏で45.09%保有。BNY GCM CLIENT ACCOUNT JPRD AC ISG(FE-AC)が6.35%で続き、以降は保有割合5%未満で国内外の金融機関や7731ニコン、4506住友ファーマなどが並ぶ。尚、大量保有報告書によると野村證券の保有割合が6.51%と報告されている。外国人株式保有比率は20%以上30%未満

取締役会

取締役は10名(社内3名、社外7名)、うち3名は監査委員(委員長1名は社外、委員2名は社内社外各1名)、監査委員会設置会社である。代表権を持たない社内取締役は弁護士および金融機関出身者。社外取締役には製薬会社(現4503アステラス製薬)や金融機関出身者などが就任。

代表取締役の経歴

取締役兼代表執行役社長CEOの鍵本忠尚氏は1976年12月生まれ。九州大学卒業後、2003年5月に九州大学病院にて眼科医として勤務。国家公務員共済組合連合会浜の町病院勤務などを経て、2005年4月にアキュメンバイオファーマ株式会社(現アキュメン株式会社)設立、眼科手術補助剤を開発。2011年2月に同社設立、2012年2月には代表取締役社長に就任。2018年3月より現職

報告セグメント

「医薬品事業」の単一セグメントであるが、製品分野別に「体性幹細胞再生医薬品」ならびに「iPS細胞に関連する技術を活用した再生医療等製品(iPSC再生医薬品)」に大別される。それぞれの売上高、利益等は開示されていない。

事業モデル

前述のとおり、体性幹細胞再生医薬品とiPSC再生医薬品の開発を事業とする。体性幹細胞再生医薬品は、生体の様々な組織に存在する幹細胞である体性幹細胞を利用して、現在有効な治療手段がない疾患等に対する新たな治療法の提供を目的とする。主力製品は「MultiStem」(HLCM051)であり、脳梗塞、急性呼吸窮迫症候群などを治療対象とする。同製品は同社開発品ではなく、上記アサシス社から供給を受け同社が国内販売する予定。MultiStemは、作用機序及び投与方法の両面で従来型医薬品に近いため、後述のiPSC再生医薬品に比較して扱いやすい点が特長である。

公式ウェブサイト内「事業分野」>「体性幹細胞再生医薬品」

一方、iPSC再生医薬品の研究開発に関しては、同社が中心的役割を果たし自社内研究も実施している。対象疾患は、固形がん、加齢黄斑変性、代謝性感疾病など。iPS細胞(iPSC)は生体を構成するすべての組織や臓器に分化誘導することができるため、例えば皮膚などの採取が容易な部位に由来するiPS細胞を、肝細胞など他の臓器等の細胞へ誘導することも可能である。このような特性を利用して、機能不全に陥った細胞等を置換して機能を回復することが、iPSC再生医薬品の目的である。
同社ではまた、iPS細胞を応用した独自のユニバーサルドナーセル(UDC)を開発し、次世代プラットフォームに位置づけている。UDCは免疫拒絶反応を人工的に抑えた細胞のため、患者以外から採取した細胞由来の他家iPS細胞を、免疫抑制剤の併用なしに移植可能である。

事業計画及び成長可能性に関する事項

競合他社

iPS細胞を利用した再生医薬品の分野では、4901富士フイルムホールディングス(2022年3月期売上高2,525,773百万円)が、ベンチャーではないものの一部製品で競合し得る。ベンチャーに限れば、7774ジャパン・ティッシュ・エンジニアリング(同2,103百万円)、4592サンバイオ(2022年1月期売上高ゼロ)などが、再生医薬品開発を事業とする点で挙げられる。

連結の範囲

連結子会社5社を持つ。連結子会社のうち、米国Healios NA, Inc. は医薬品の開発等を事業とし、同社100%出資で取締役兼執行役CFOのリチャード・キンケイド氏が社長を務める。その他に国内1社、再生医療関連分野への投資を事業内容とする子会社を米国に1社、ケイマンに2社保有する。

強み・弱み

独自の遺伝子編集iPS細胞を用いたプラットフォームを確立、また神戸研究所にPh.D取得者30名以上を含む約100名の体制を持ち革新的な研究開発技術を持つこと、7731ニコンや大日本住友製薬株式会社などグローバル企業との長年に渡り提携関係を構築していること、製薬業界出身者など豊富な人材、および臨床開発の経験を持つことなどを同社は強みとして挙げている。一方でバイオベンチャー全般の課題だが、医薬品開発は長期化・大規模化の傾向にあり、延期や資金繰りによっては開発が中止となる可能性が常に考えられる。

KPI

製品上市前のため、パイプライン進捗状況が主要KPIと見なせる
・体性幹細胞再生医薬品:MultiStem(HLCM051)は、それぞれの治験結果に基づき、独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)と承認申請に向けた協議を継続している。
・iPSC再生医薬品:治験開始に向けPMDAと相談中。2022年9月には米国バイオテクノロジー企業のRxCell社と同社の商業用iPS細胞を非独占的に提供するライセンス契約を締結。

2022年12月期第2四半期決算説明資料

業績

いずれの製品も上市に至っていないため、先行投資を回収できない状況にある。上場以来、売上高は100百万円未満で経常利益は赤字。2021年12月期は、売上高41百万円(前期比+51.8%)、営業利益▲5,384万円(前期比▲1,201百万円)、経常利益▲4,462百万円(前期比+916百万円)。営業CFは恒常的にマイナス、投資CFもほぼマイナスでフリーCFもマイナス。2019年12月期以降11,000百万円台の有利子負債を計上しており自己資本比率が低下、2021年12月期末は36.0%

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