四半期業績推移随時更新中
(単位:百万円) | 決算期 | 売上 | 営業利益 | 営業利益率 |
FY2024.Q3 | 2023.12 | 13 | -169 | -1300% |
FY2024.Q4 | 2024.03 | 31 | -177 | -570.97% |
FY2025.Q1 | 2024.06 | 0 | -189 | 0% |
FY2025.Q2 | 2024.09 | 7 | -184 | -2628.57% |
(単位:百万円) | 決算期 | 売上 | 営業利益 | 営業利益率 |
FY2017.Q4 | 2017.03 | 75 | -780 | -1040% |
FY2018.Q1 | 2017.06 | 35 | -1,261 | -3602.86% |
FY2018.Q2 | 2017.09 | 35 | -819 | -2340% |
FY2018.Q3 | 2017.12 | 68 | -2,616 | -3847.06% |
FY2018.Q4 | 2018.03 | 121 | -655 | -541.32% |
FY2019.Q1 | 2018.06 | 42 | -640 | -1523.81% |
FY2019.Q2 | 2018.09 | 175 | -288 | -164.57% |
FY2019.Q3 | 2018.12 | 118 | -545 | -461.86% |
FY2019.Q4 | 2019.03 | 161 | -329 | -204.35% |
FY2020.Q1 | 2019.06 | 146 | -499 | -341.78% |
FY2020.Q2 | 2019.09 | 147 | -184 | -125.17% |
FY2020.Q3 | 2019.12 | 142 | -249 | -175.35% |
FY2020.Q4 | 2020.03 | 117 | -173 | -147.86% |
FY2021.Q1 | 2020.06 | 129 | -213 | -165.12% |
FY2021.Q2 | 2020.09 | 64 | -297 | -464.06% |
FY2021.Q3 | 2020.12 | 56 | -350 | -625% |
FY2021.Q4 | 2021.03 | 64 | -442 | -690.63% |
FY2022.Q1 | 2021.06 | 74 | -498 | -672.97% |
FY2022.Q2 | 2021.09 | 60 | -534 | -890% |
FY2022.Q3 | 2021.12 | 66 | -472 | -715.15% |
FY2022.Q4 | 2022.03 | 64 | -557 | -870.31% |
FY2023.Q1 | 2022.06 | 20 | -397 | -1985% |
FY2023.Q2 | 2022.09 | 71 | -300 | -422.54% |
FY2023.Q3 | 2022.12 | 51 | -395 | -774.51% |
FY2023.Q4 | 2023.03 | 60 | -154 | -256.67% |
FY2024.Q1 | 2023.06 | 58 | -304 | -524.14% |
FY2024.Q2 | 2023.09 | 33 | -214 | -648.48% |
FY2024.Q3 | 2023.12 | 13 | -169 | -1300% |
FY2024.Q4 | 2024.03 | 31 | -177 | -570.97% |
FY2025.Q1 | 2024.06 | 0 | -189 | 0% |
FY2025.Q2 | 2024.09 | 7 | -184 | -2628.57% |
沿革
1996年6月、ナノテクノロジーの医薬品分野への応用を事業目的として、ナノキャリア株式会社設立。ミセルと呼ばれる水溶液中に浮遊する超微粒子に薬剤を封入する手法を用いて、新方式のドラッグデリバリーシステム(DDS)構築のための研究開発を行う。2004年5月より日本化薬株式会社などのライセンス契約締結先が、抗がん剤を中心に各種高分子ミセルを導入した薬剤の臨床試験を随時開始。2008年3月には、東証マザーズ上場。2012年7月、株式会社アルビオンと化粧品素材の開発及び商業化に関する契約を締結し、化粧品事業へも参入。2022年4月東証の市場区分見直しによりグロース市場へ移行。がん領域に特化した創薬ベンチャー。
株主構成
四半期報告書によると、2022年9月末時点で5%以上を保有する株主はなく、筆頭株主は東京短資株式会社で保有割合2.49%。ポリマーの開発に関する共同研究契約を締結している4063信越化学工業、創業者で前代表取締役社長の中冨一郎氏、SBI証券、7744ノーリツ鋼機、ファストトラックイニシアティブ(ライフサイエンス・ヘルスケア分野のVC)2号投資事業有限責任組合などが並ぶ。外国人株式保有比率は10%未満。
取締役会
取締役は11名(社内4名、社外7名)、うち3名は監査等委員(社内1名、社外2名)、監査等委員会設置会社である。代表権を持たない社内取締役は、りんかい日産建設株式会社、4151協和キリンなどの出身者。社外取締役には、当該分野における著名な研究者であり、同社の主要技術であるミセル化ナノ粒子技術を発明した医学部名誉教授の片岡一則氏などが就任。
代表取締役の経歴
代表取締役社長の松山哲人氏は1962年7月生まれ。北海道大学卒業後、1986年4月に8058三菱商事入社。株式会社メディカル・プロテオスコープ代表取締役社長、日東紡績株式会社参与・理事などを歴任後、2014年12月に同社顧問に就任。取締役CFO、取締役CSFOなどを経て2019年11月より現職。
報告セグメント
「医薬品等の研究開発及び製造販売並びにこれらの付随業務」の単一セグメント。商品及び原材料等の販売(7割弱)と共同開発契約(3割強)に収益は分解される(括弧内は2023年3月期第2四半期累計期間における各収益割合を示すもの)。また応用分野別に「低分子抗がん剤」、「核酸医薬品」、「化粧品」にも大別される。商品及び原材料等の販売には化粧品原材料の供給が含まれている。
事業モデル
高分子ミセルによって効能を向上させたDDS製剤の開発を事業とする。同社が「ミセル化ナノ粒子」と呼ぶ高分子ミセルに主剤を封入することで、粒子サイズを主剤そのものの分子サイズより増大させ、これによって患部へ選択的に到達する機能を与えることが技術面でのポイントである。サイズ上の特徴は、主剤の分子より大きく赤血球より小さい点である。
がん組織が作る毛細血管は栄養を取り込むために急激に成長するため、血管壁の構造が荒くなり150~300nmの隙間があることが知られている。同社のミセル化ナノ粒子はこの隙間を通り抜ける大きさに制御されており、がん組織に集積する。これがEPR効果と呼ばれる現象で、この性質を利用し、主にがん領域での開発を中心として行っている。
がん組織にナノサイズの粒子が集積するため薬剤を患部に直接大量に運ぶことができ、そのため正常な組織へのダメージを抑制し副作用の軽減が可能。ミセル化ナノ粒子は目標部位に到達した後に分解し、内部の主剤が放出され患部に作用する。これにより、より多くの薬剤を使用することができ、有効性の向上が見込まれる。
他には化粧品事業として株式会社アルビオンに当社技術を応用した原材料の供給を行っている。同社の収入は自社開発、自社販売による当該製品の販売収入、共同研究による提携先からの研究開発協力金収入、ライセンスアウトに伴う収入(提携時のアップフロント、所定の開発段階に到達した際のマイルストーン収入、製品上市後の当該製品販売高に対するロイヤリティ収入)によって構成される。
競合他社
高分子ミセルを導入したDDS製剤はユニークで、同社は当該分野における魁のため直接的に競合する他社はないが、例えば株式会社LTTバイオファーマ(非上場)は高分子ミセルDDS製剤などを開発するベンチャーである点で競合し得る。売上高5百万円(2022年3月期)。
連結の範囲
mRNA医薬の開発パートナー、アクセリード株式会社と共同で設立した株式会社PrimRNAが連結子会社に該当する。その他に同社グループは非連結子会社1社で構成される。
強み・弱み
抗がん剤そのものに比較して開発期間が短く、他の主剤への応用も可能なDDS製剤に特化している点は、リスク低減と新市場開拓に寄与している。一方、創薬ベンチャー全般に該当することではあるが、臨床試験段階における有害事象の発生等による、開発中止や遅延等の可能性が常に存在する。
KPI
2022年9月時点のパイプラインは下図の通り。
業績
上場来赤字のままである。化粧品材料の売上高が一定程度あるものの、マイルストーン収入は安定せず、2020年3月期以降2期連続減収。2022年3月期は、売上高264百万円(前期比▲15.7%)、営業利益▲2,061百万円(前期比▲759百万円)、経常利益▲1,925百万円(前期比▲647百万円)。フリーCFは恒常的にマイナス。有利子負債の増加により自己資本比率は前期比で低下し77.5%(2022年3月期末)。