3891 ニッポン高度紙工業の業績について考察してみた

3891 ニッポン高度紙工業の業績について考察してみた

PERAGARUアナリスト

四半期業績推移随時更新中

(単位:百万円) 決算期 売上 営業利益 営業利益率
FY2022.Q3 2021.12 4,448 1,020 22.93%
FY2022.Q4 2022.03 4,506 801 17.78%
FY2023.Q1 2022.06 4,686 1,119 23.88%
FY2023.Q2 2022.09 4,306 810 18.81%
(単位:百万円) 決算期 売上 営業利益 営業利益率
FY2017.Q4 2017.03 3,905 147 3.76%
FY2018.Q1 2017.06 4,379 572 13.06%
FY2018.Q2 2017.09 4,133 385 9.32%
FY2018.Q3 2017.12 4,508 564 12.51%
FY2018.Q4 2018.03 4,108 177 4.31%
FY2019.Q1 2018.06 4,109 376 9.15%
FY2019.Q2 2018.09 3,661 426 11.64%
FY2019.Q3 2018.12 3,487 393 11.27%
FY2019.Q4 2019.03 3,116 151 4.85%
FY2020.Q1 2019.06 3,224 259 8.03%
FY2020.Q2 2019.09 3,132 210 6.7%
FY2020.Q3 2019.12 3,241 251 7.74%
FY2020.Q4 2020.03 3,502 275 7.85%
FY2021.Q1 2020.06 3,758 631 16.79%
FY2021.Q2 2020.09 3,221 528 16.39%
FY2021.Q3 2020.12 4,420 804 18.19%
FY2021.Q4 2021.03 4,519 798 17.66%
FY2022.Q1 2021.06 4,693 1,315 28.02%
FY2022.Q2 2021.09 4,427 930 21.01%
FY2022.Q3 2021.12 4,448 1,020 22.93%
FY2022.Q4 2022.03 4,506 801 17.78%
FY2023.Q1 2022.06 4,686 1,119 23.88%
FY2023.Q2 2022.09 4,306 810 18.81%

沿革

1941年8月にビスコース加工紙「高度紙」の製造・販売を目的として、ニッポン高度紙工業株式会社を設立。1943年4月に電解コンデンサ用セパレータの生産を開始。1987年3月に機能性樹脂事業を開始。2004年2月に大証JASDAQに上場。2013年7月に東証と大証の合併に伴い、東証JASDAQ(スタンダード)に上場。2022年4月東証の市場区分見直しによりスタンダード市場へ移行。本社は高知県。アルミ電解コンデンサ用セパレータで世界シェア首位。車載や産業機器、データセンター向けに販売される、電気絶縁用紙セパレータの専業メーカー

株主構成

有価証券報告書によると2022年3月末時点の筆頭株主は取引先である8032日本紙パルプ商事の持分法適用関連会社の東京産業洋紙株式会社で9.29%。以降は保有割合5%未満で8032日本紙パルプ商事、8387四国銀行、株式会社日本カストディ銀行の信託口、取引先とみられる企業などの保有が並ぶ。外国人株式保有比率は10%未満

取締役会

取締役は6名(社内4名、社外2名)、監査役4名 (社内1名、社外3名)、監査役会設置会社である。社内取締役は四国銀行を経て入社した取締役会長の山岡氏を除き、プロパー入社とみられる。

代表取締役の経歴

代表取締役社長の近森俊二氏は1957年5月生まれ。成蹊大学工学部卒業後、1981年3月に同社入社。管理本部長や営業本部長を経験、2015年6月取締役就任を経て、2021年6月より現職を務めている

報告セグメント

「セパレータ事業」の単一セグメントだが、製品別に「コンデンサ用セパレータ」と「機能材」の2つに分けることができる。2023年3月期第1四半期売上高4,686百万円の内、コンデンサ用セパレータが3,682百万円で78.6%、機能材が1,004百万円で21.4%を占める。製品別の利益内訳は開示されていないが、全体の営業利益率は20%を超える。2021年3月期から2022年3月期の四半期毎業績推移は下図の通り。

2022年3月期決算説明会

事業モデル

主にアルミ電解コンデンサ向けセパレータであるコンデンサ用セパレータと、電池用セパレータや電気二重層キャパタ用セパレータ等の機能材の製造・販売を手掛ける。アルミ電解コンデンサ用は世界シェア6割を誇る。売上高の8割弱を占めるコンデンサ用セパレータは、車載や産業機器、データセンター向けが中心。長期化する世界的な半導体不足による自動車生産への影響が懸念されるが、自動車の電装化、電動化の進展などにより、引き続き関連部品の需要増加が見込まれる
一方、電池用セパレータはスマートメーターや風力発電向けの電気二重層キャパタ用や車載向け大型リチウムイオン電池用の需要が拡大している。生産拠点は国内4拠点とマレーシアに1拠点主要顧客は1972年より業務提携、資本提携を行う王子エフテックス株式会社であり、売上高の66.7%(2022年3月期)を占める海外売上比率は58.2%(同)であり、中国での売上が総売上高の26.2%を占める。

競合他社

リチウムイオン電池用セパレータ専業メーカーの6619ダブルスコープ(2021年12月期売上高29,966百万円)のほか、3407旭化成(2022年3月期売上高2,461,317百万円)、3402東レ(同2,228,523百万円)、3401帝人(同926,054百万円)などの大手素材メーカーの他、中国・韓国メーカーが競合となる。

連結の範囲

アセアンに進出する日系顧客企業への供給網として、マレーシアに連結子会社1社を持つ。

強み・弱み

強みとして、製品開発力と生産体制が挙げられる。高知和紙をもとに高度紙の製造・販売事業からスタートした同社は、高度紙の持つ耐熱性と耐水性を活かしていち早くセパレータの製造に着手。80年に渡る歴史を持つ。現在では主力のアルミ電解コンデンサ用セパレータは国内シェア95%、世界シェア60%を誇り、経済産業省の2020年版「グローバルニッチトップ100選」に選定されている。同社が手掛けるセパレータは350種類以上であり、少量・多品種の製品への対応が可能。工場への積極的な設備投資を実施し、災害や特需の際にも安定供給が可能な生産体制を整える。
懸念点は、売上の7割以上を占めるコンデンサ用セパレータの需要が自動車産業の動向や企業の設備投資意欲に左右されること、パルプ等の原材料価格変動リスクなどが挙げられる。

KPI

KPIには販売先業界の市場規模動向などが挙げられる。
①データセンターサービス市場規模(2020年国内1兆4,518億円、IDC調べ)
②電動車生産台数(2020~2035年CAGR予測15.1%)

2022年3月期決算説明会

業績

過去5期を見ると、2018年6月に連結子会社だったフィリピンのパルプ製造会社を譲渡した影響もあり、売上高は2018年3月期をピークに2020年3月期までに▲23.5%減収も、自動車分野や産業機器向けの需要回復等により以降2期連続増収。営業利益も2020年3月期にかけて落ち込んだが、高付加価値品の売上増加や計画的な生産推進などの取組による原価率低減を受けその後2期連続増益。2022年3月期の営業利益率は一桁パーセント台だったが、2022年3月期は22.4%と大きく良化した。関係会社貸付等により投資CFが大幅マイナスだった2016年3月期以降、フリーCFはプラス。自己資本比率は50%台から2021年3月期は73.8%と上昇傾向

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