4022 ラサ工業の業績について考察してみた

4022 ラサ工業の業績について考察してみた

PERAGARUアナリスト

四半期業績推移随時更新中

(単位:百万円) 決算期 売上 営業利益 営業利益率
FY2022.Q3 2021.12 8,730 795 9.11%
FY2022.Q4 2022.03 10,571 1,164 11.01%
FY2023.Q1 2022.06 12,110 1,392 11.49%
FY2023.Q2 2022.09 13,095 1,234 9.42%
(単位:百万円) 決算期 売上 営業利益 営業利益率
FY2017.Q4 2017.03 6,309 526 8.34%
FY2018.Q1 2017.06 6,377 511 8.01%
FY2018.Q2 2017.09 6,463 703 10.88%
FY2018.Q3 2017.12 7,172 748 10.43%
FY2018.Q4 2018.03 7,415 880 11.87%
FY2019.Q1 2018.06 7,158 580 8.1%
FY2019.Q2 2018.09 8,426 617 7.32%
FY2019.Q3 2018.12 7,458 471 6.32%
FY2019.Q4 2019.03 7,957 905 11.37%
FY2020.Q1 2019.06 6,888 363 5.27%
FY2020.Q2 2019.09 8,296 510 6.15%
FY2020.Q3 2019.12 7,125 434 6.09%
FY2020.Q4 2020.03 7,450 564 7.57%
FY2021.Q1 2020.06 7,524 611 8.12%
FY2021.Q2 2020.09 6,739 539 8%
FY2021.Q3 2020.12 6,757 577 8.54%
FY2021.Q4 2021.03 7,958 932 11.71%
FY2022.Q1 2021.06 7,793 749 9.61%
FY2022.Q2 2021.09 8,317 767 9.22%
FY2022.Q3 2021.12 8,730 795 9.11%
FY2022.Q4 2022.03 10,571 1,164 11.01%
FY2023.Q1 2022.06 12,110 1,392 11.49%
FY2023.Q2 2022.09 13,095 1,234 9.42%

沿革

農商務省出身の恒藤規隆氏が、1906年に沖大東島(別名ラサ島)にリン酸系肥料の原料となるリン鉱石を発見し、1911年2月にその採掘及び肥料の生産を目的としてラサ島燐砿合資会社を設立、1913年5月株式会社化。1919年8月東証上場。1934年3月現商号のラサ工業株式会社へ改称。1941年5月、産業機械製造事業へ進出。1954年4月に化成品部門を設立し、順次リン及びその化合物、水処理凝集剤、金属表面処理剤の製造開始。1972 年 4 月、高純度リンを電子材料向けへ提供開始、以降ガリウム、シリコンウェハーなどの電子材料へも注力。一方で、祖業であった鉱山事業ならびに肥料事業からは、1971 年 12 月ならびに1983 年 4 月にそれぞれ撤退した。2022年4月市場区分の見直しにより東証一部からプライム市場に移行。現在は、化成品事業、機械事業、電子材料事業を3本柱としている

株主構成

有価証券報告書によると、2022年3月末時点での筆頭株主は日本マスタートラスト信託銀行の信託口で保有割合10.72%。以降は保有割合5%未満で国内信託銀行、ラサ工業取引先持株会、国内外金融機関、国内生保などが並ぶ。外国人株式保有比率は10%以上20%未満

取締役会

取締役は11名(社内7名、社外4名)、うち4名は監査等委員(全員社外、2名は常勤)、監査等委員会設置会社である。代表取締役を含む社内取締役は7名中6名がプロパー。社外取締役は金融関係中心に、大手企業出身者で構成される。

代表取締役の経歴

代表取締役社長の坂尾耕作氏は1958年12月生まれ。関西大学を卒業後、1983年4月入社。取締役電子材料事業部長などを経て2019年6月より現職。
代表取締役常務取締役の望月哲夫氏は1962年2月生まれ。東京大学を卒業後、1984年4月日本興業銀行入行。2011年6月同社経営企画室長に就任、2022年6月より現職。

報告セグメント

「化成品事業」、「機械事業」、「電子材料事業」の3セグメントで構成。2022年3月期の売上高35,411百万円の構成比は、化成品事業が27,585百万円で77.9%、機械事業が4,766百万円で13.5%、電子材料事業が1,997百万円で5.6%、報告セグメント以外のセグメントが、1,097百万円で3.1%であった。また、同期の全社費用等調整前のセグメント利益4,500百万円の構成比は、化成品事業が2,980百万円で66.2%、機械事業が405百万円で9.0%、電子材料事業が424百万円で9.4%、報告セグメント以外のセグメントが、688百万円で15.3%。なお、連結営業利益は3,475百万円(前期比+30.7%)であった。売上高、セグメント利益ともに化成品事業の構成比が高い

事業モデル

主力は化成品事業であり、同社の原点であるリン系製品を柱に、酸・アルカリその他無機化学系材料を製造する。中でも半導体や液晶に使用される高純度品は付加価値が高いため、近年注力。2022年3月期は連結売上高の45%を半導体関連が占めた。長年のノウハウと原料から製品を一貫して管理・製造できる供給体制の強みにより、半導体グレードのリン酸ではアジア市場で大きなシェアを占める。昨今の消臭ブームに乗り、「シュークレンズ」シリーズなどの消臭剤や、機能性肌着への採用実績を持つ消臭機能材料の製造なども行っている。同社が製造・販売を行っているが、一部は子会社に販売、同社製品を原料として二次製品の製造・販売を行っている。

化成品事業のモデル(公式ウェブサイト内「事業・製品情報」)

機械事業は、かつての鉱山事業で培った技術をベースに、掘削や破砕・選別などさまざまな機械を提供。掘進機は、約35年前から国内で上下水道の整備などに活用され、近年では米国をはじめ、中国、東南アジア、中東などにも採用が広がる。その他には、破砕・粉砕技術を持ち、カレー粉やそば粉、小麦粉など食品分野で高い実績を有す他、農業残渣「もみがら」を粉砕燃料にする設備から熱利用装置を含めた一貫システムを提供するなども行う。
電子材料事業も化合物半導体の原材料となる高純度無機素材を中心に、半導体あるいは液晶パネル製造工程で使用されるレジスト剥離剤や塗布剤などを供給する。
主要顧客は丸善薬品産業株式会社で、2022年3月期は全社売上高の15.8%を占める。海外売上高比率は35.2%
世界的なインフレ懸念や資源価格の高騰などから経済見通しは不透明感が強い。同社は前述の通り半導体関連に注力するほか、今後大幅な増加が期待される5Gや自動運転技術需要を視野に入れた素材の開発等に重点を置いている。

競合他社

4042東ソー(2022年3月期売上高918,580百万円)で競合する「クロル・アルカリ事業」の売上高は361,623百万円。また、連結子会社の燐化学工業(株)はリン酸製品、金属表面処理剤、水処理剤で競合。4023クレハ(同168,341百万円)。酸・アルカリ製品の分野で競合する「化学製品事業」は売上高26,355百万円。

連結の範囲

同社グループは、同社、子会社4社及び関連会社4社で構成される。うち、半導体・液晶用の高純度リン酸の製造販売及び国際貿易などを担当する台湾の理盛精密科技股份有限公司については、売上高の連結売上高に占める割合が10%を超えている。

強み・弱み

原料から製品を一貫して管理・製造できる供給体制は強み。半導体グレードのリン酸のようにアジア市場で大きなシェアを占める製品をもつことや、グローバルな採用実績を有する製品を持つ点も強み。一方で、半導体不況のため2020年3月期には電子材料事業が大幅減収となるなど、変動幅の大きい半導体市況の影響を強く受ける点、化成品の原材料となる黄燐の価格変動(2022年3月期は価格高騰)は弱みとなり得る。

KPI

注力する半導体関連の市況および売上高、設備投資動向(2022年3月期は台湾子会社の生産能力を20億円かけて増強)などがKPIになると考えられる。

2022年3月期決算説明会資料

業績

売上高は2020年3月期、2021年3月期2期連続減収したが、2022年3月期は原材料である黄燐の価格高騰を製品価格に転嫁したことや半導体向け・電子部品向け製品が堅調に推移したことから前期比+22.2%の増収となった。営業利益率は2020年3月期に落ち込んだものの、8~10%程度で推移。フリーCFは安定的な営業CFを背景にプラスの期が多いが、2019年3月期と2022年3月期は設備の新設等に伴いマイナス。自己資本比率は長期的に上昇傾向で2022年3月期末は48.1%。

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