7038 フロンティア・マネジメントの業績について考察してみた

7038 フロンティア・マネジメントの業績について考察してみた

PERAGARUアナリスト

四半期業績推移随時更新中

(単位:百万円) 決算期 売上 営業利益 営業利益率
FY2023.Q4 2023.12 2,758 397 14.39%
FY2024.Q1 2024.03 2,161 63 2.92%
FY2024.Q2 2024.06 2,398 45 1.88%
FY2024.Q3 2024.09 2,189 -16 -0.73%
(単位:百万円) 決算期 売上 営業利益 営業利益率
FY2018.Q3 2018.09 1,035 137 13.24%
FY2018.Q4 2018.12 1,160 90 7.76%
FY2019.Q1 2019.03 1,174 101 8.6%
FY2019.Q2 2019.06 857 -82 -9.57%
FY2019.Q3 2019.09 1,114 114 10.23%
FY2019.Q4 2019.12 1,626 530 32.6%
FY2020.Q1 2020.03 1,214 135 11.12%
FY2020.Q2 2020.06 1,091 -17 -1.56%
FY2020.Q3 2020.09 1,190 -2 -0.17%
FY2020.Q4 2020.12 1,697 464 27.34%
FY2021.Q1 2021.03 1,329 93 7%
FY2021.Q2 2021.06 1,253 -19 -1.52%
FY2021.Q3 2021.09 1,310 2 0.15%
FY2021.Q4 2021.12 1,849 425 22.99%
FY2022.Q1 2022.03 2,224 408 18.35%
FY2022.Q2 2022.06 1,748 135 7.72%
FY2022.Q3 2022.09 1,917 136 7.09%
FY2022.Q4 2022.12 2,026 229 11.3%
FY2023.Q1 2023.03 2,653 480 18.09%
FY2023.Q2 2023.06 2,338 215 9.2%
FY2023.Q3 2023.09 2,276 159 6.99%
FY2023.Q4 2023.12 2,758 397 14.39%
FY2024.Q1 2024.03 2,161 63 2.92%
FY2024.Q2 2024.06 2,398 45 1.88%
FY2024.Q3 2024.09 2,189 -16 -0.73%

沿革

2007年1月フロンティア・マネジメント株式会社として、株式会社産業再生機構の出身者が中心となって、「複雑化・高度化する経営課題につき、多様な専門的手法を駆使して、総合的に解決すること」を目的に東京都で設立。2011年10月中国に頂拓投資諮詢(上海)有限公司(連結子会社)を設立。2017年4月フロンティア・ターンアラウンド株式会社を吸収合併。同年11月株式会社日本政策投資銀行と合弁でFCDパートナーズ株式会社(持分法適用会社)を設立。2018年9月東証マザーズへ上場、2020年9月東証一部へ変更。経営コンサルティング、M&Aアドバイザリー、PMI、事業再生などを手掛ける

株主構成

有価証券報告書によると2020年6月末時点の大株主は、共同経営者の大西正一郎氏と松岡真宏氏がそれぞれ21.9%、同社の執行役員である矢島政也氏が5.5%を保有。そのほかに信託銀行の信託口や、国内外の金融機関などが並ぶ。

取締役会

取締役は4名(社内3名、社外1名)、監査役は3名(全員社外)。監査役会設置会社である。取締役経営管理部長の高橋義昭氏はダイエー出身者で常務取締役、顧問を歴任後、ゴードン・ブラザーズ・ジャパンのMDを経て自身でコンサルタント業を開業、2016年8月より同社へ入社。社外取締役の大杉和人氏は日本銀行出身者で政策委員会室長を務めた経歴を有す。

代表取締役の経歴

代表取締役の大西正一郎氏は1963年9月生まれ。東京大学を卒業後、1990年に東京弁護士会弁護士登録後、奥野総合法律事務所に入所。2003年6月株式会社産業再生機構に入社し、その間ダイエーなど数社の社外監査役や社外取締役も歴任し、2007年1月に同社を設立。奥野総合法律事務所カウンセル弁護士、FCDパートナーズ株式会社の代表取締役も兼任。
代表取締役の松岡真宏氏は1967年9月生まれ。早稲田大学を卒業後、株式会社野村総合研究所に入社。その後、バークレイズ証券、UBS証券の株式調査部長兼MDを歴任し2003年7月に株式会社産業再生機構に入社2007年1月に大西氏と同社を設立。頂拓投資諮詢(上海)有限公司の董事長兼総経理、FCDパートナーズ株式会社の代表取締役、俺の株式会社の社外取締役も兼任。

報告セグメント

同社の事業は単一セグメントだが、売上分類は「経営コンサルティング事業」、「ファイナンシャル・アドバイザリー事業」、「再生支援事業」、「その他事業」に区分される。2020年12月期の売上高5,192百万円の構成比は、経営コンサルティング事業が2,416百万円で46.6%、ファイナンシャル・アドバイザリー事業が1,778百万円で34.3%、再生支援事業が944百万円で18.1%、その他事業が54百万円で1.0%を占める。分類別の営業利益の開示はない、連結で580百万円であった。

事業モデル

会計士、税理士、コンサルタント、アナリスト、弁護士等の経験者で約6割を構成する専門家集団として、小売・卸、飲食・サービス、消費財メーカー、産業財メーカー、インフラなど業種の偏りなく多様な業界へサービスを提供
「経営コンサルティング事業」は、顧客企業の経営戦略の立案、中期経営計画の策定から実行支援、常駐型で実行支援を行う経営執行支援、M&Aに関連して実施される事業デュー・デリジェンス(事業等に関する調査・分析)等のサービスを提供。顧客ニーズの高まる、BPO(アウトソーシング)・AI(人工知能)・RPA(ロボットによる業務自動化)を活用した業務効率化の推進支援も業務拡大中。
「ファイナンシャル・アドバイザリー事業」は、顧客企業が行うM&Aや組織再編に関する業務全般に対して助言・補佐業務を提供。同事業は大手金融機関と並ぶ実績を有し、Bloomberg 日本M&Aマーケットレビュー・アドバイザー・ランキングのM&A件数では2011~2019年において10以内にランキングされ続けている。
「再生支援事業」は、再生支援を必要とする企業に対し、事業再生計画策定や実行支援などのトータルサポートを提供。
「その他事業」は、再生支援事業やファイナンシャル・アドバイザリー事業に関連する調査業務や助言業務、事業会社や金融機関の役職員を対象とした教育研修事業「フロンティア・ビジネススクール」、関連会社FCDパートナーズ株式会社を通じた、ファンドによる資金支援業務などを提供。
中国を含むアジア企業及びそれら地域への進出を目指す日本企業へのサービス提供のため、上海に100%子会社を設立しており、クロスボーダー案件へも対応可能。2012年にシンガポール支店、2017年にニューヨーク支店も開設済み、収益化はこれから。

2020年12月期 決算説明資料

競合他社

同社の事業は参入障壁が低く、競争の激しい分野となるため、大小さまざまな先と競合する。

連結の範囲

同社グループは、同社と連結子会社1社及び持分法適用子会社1社の計3社で構成される。連結子会社である中国の頂拓投資諮詢(上海)有限公司は、経営コンサルティングやM&A等の各種経営支援サービスを提供している。持分法適用子会社であるFCDパートナーズ株式会社は、顧客への資金支援サービス(ファンドによる投資)を提供している。

強み・弱み

会計士・税理士のみならず、各種コンサルタント・産業アナリスト、投資銀行や事業会社出身者などの幅広い専門家が在籍し、さまざまな業界に精通した専門家によるワンストップ型企業支援が可能な点が強み。ファイナンシャル・アドバイザリー事業において、大型案件の成功報酬の多寡が業績に与える影響が大きい点は課題。

KPI

同社では優秀な専門家人材の採用・育成の強化を目指しており、従業員数がKPIとなり得る。
期末従業員数 2020年12月期末時点227名(前期比+50名

2020年12月期 決算説明会資料

業績

売上高・利益ともに安定的な成長を継続しており、2016年12月期から2020年12月期までの4年間で売上高は1.4倍、経常利益は104倍となった。提出会社単体で売上高が30億円を下回り経常赤字、連結でも当期純損失を計上した2016年12月期を除いて、営業CFはプラス。投資CFの拠出額は建物の取得により2020年12月期のみ203百万円と大幅なマイナス、その他の期は10~30百万円程度のマイナス。2020年12月期の自己資本比率は64.6%。

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