1379 ホクトの業績について考察してみた

1379 ホクトの業績について考察してみた

PERAGARUアナリスト

沿革

1964年7月長野県にてデラップス商事株式会社を設立し、一般包装資材の販売を開始。1968年4月きのこ栽培用のP.P(ポリプロピレン)ビンの製造を開始。1972年2月ホクト産業株式会社に商号変更。1983年12月長野県にきのこ総合研究所を設置。1986年4月えのきたけ新品種ホクトM-50を開発。1990年10月ぶなしめじ新品種ホクト5号菌を開発。1992年8月ひらたけ新品種ホクトY-5を開発。1994年11月日本証券業協会に株式を店頭登録。1995年8月まいたけ新品種ホクトMY-75号、MY-95号を開発。1999年2月エリンギ新品種ホクトPLE-2号を開発。1999年11月東証一部に指定。2002年7月ブナピー新品種ホクト白1号菌を開発。2003年10月ホクト株式会社に商号変更。きのこ栽培用資材やきのこの製造・販売を行う、きのこの総合メーカー

株主構成

有価証券報告書によると2020年9月末時点の筆頭株主は、株式会社北斗で18.79%を保有。次いで日本マスタートラスト信託銀行株式会社(信託口)5.39%、長野県の株式会社八十二銀行4.97%、公益財団法人水野美術館4.73%と並ぶ。そのほかに、代表取締役社長の水野雅義氏、ホクト従業員持株会、キッセイ薬品工業株式会社、モルガン・スタンレーMUFG証券株式会社、信託銀行の信託口などが並ぶ。

取締役会

取締役は8名(社内6名、社外2名)、監査役は4名(社内1名、社外3名、1名は常勤)、監査役会設置会社である。代表権を持たない社内取締役5名は、山一証券株式会社、株式会社八十二銀行、みずほ証券株式会社などの出身者で、取締役開発研究本部長の稲富聡氏のみプロパー

代表取締役の経歴

代表取締役社長の水野雅義氏は1965年9生まれ。青山学院大学を卒業後、1990年4月に同社へ入社。2006年7月に現職へ就任。その後、HOKTO KINOKO COMPANYの代表取締役会長、ホクト産業株式会社の代表取締役会長に就任し、現在も兼任。同社の創業者である水野正幸氏の長男

報告セグメント

「国内きのこ事業」、「海外きのこ事業」、「加工品事業」、「化成品事業」の4報告セグメントに大別され、2021年3月期の売上高73,889百万円の構成比は、国内きのこ事業68.4%、海外きのこ事業6.8%、加工品事業11.2%、化成品事業13.6%である。セグメント利益又は損失は、国内きのこ事業6,939百万円、海外きのこ事業589百万円、加工品事業539百万円、化成品事業▲102百万円であり、全社費用等を差し引くと6,012百万円であった。

事業モデル

国内きのこ事業は、「鮮度の高いきのこ」、「今日収穫したきのこを、翌日にはスーパーの店頭に」を念頭に、きのこ生産センターを日本全国に配置して製造・販売を行う。全国各地の市場、量販店(スーパー)、生活協同組合等との取引を行っており、一日あたりの出荷量は約250万パックとのこと。ブナシメジ、エリンギ、マイタケ、霜降りひらたけを中心に生産する。
海外きのこ事業は、アメリカ、台湾、マレーシアなどを拠点とし、きのこの生産・販売を行う。同社は、海外での販売拡大のため、アジアからヨーロッパまで市場調査や営業活動を行っている。
加工品事業は、主にきのこを使用した加工品の販売を行い、カレーや健康食品を中心とした新商品の開発や市場開拓、通販事業等に注力している。
化成品事業は、きのこ生産に不可欠なP.P(ポリプロピレン)ビン等の栽培用資材をはじめとした農業資材の製造・販売のほか、食品を中心とした包装用の資材、容器、機械の販売等を行う。
同社の事業環境は、労働コスト・原材料コスト・物流コスト・エネルギーコストなどが上昇する厳しい環境にある。健康食材としての訴求により市場拡大に注力してきたが、国内のきのこ市場は2010年頃から頭打ち傾向にある。一歩、内食志向によるOEM製品などは好調なもよう。2022年3月期からの5カ年中期経営計画では、引き続ききのこの付加価値を訴求すると共にホクトブランドを強化すること、海外での販売量拡大に向けた、台湾、ASEAN、北米、欧州での工場新設計画などが示されている。

2021年3月期 決算説明会資料

競合他社

1375雪国まいたけ(直近決算期売上高513億円)などが競合として挙げられる。

連結の範囲

同社グループは、同社及び子会社8社により構成され、「国内きのこ事業」、「海外きのこ事業」、「加工品事業」、「化成品事業」の4事業部門に関係する事業を営む。

強み・弱み

北は北海道・南は九州まで、全国20拠点32工場のきのこセンターや営業拠点を有し、安定した供給が可能な点が強み。また、きのこ市場の約3分の1、特に主力商品「エリンギ」は、全国の総生産量の約46%、ブナシメジは約34%、マイタケは約26%、ブナピーはホクトオリジナルの品種で100%のシェアを有する、業界大手であることも強みである。自然災害、消費動向、気候変動などに左右されやすい点は懸念点である。また、国内市場の縮小への対応として海外進出を打ち出しており、海外を中心とした積極的な設備投資が計画されていることから、今後の償却費の増加なども懸念点となる。

KPI

KPIとみられる開示は下記。
①きのこ生産量
②平均販売単価
③為替動向
④市場取引価格(各きのこ)
⑤市場販売量(各きのこ)

2021年3月期 決算説明会資料

業績

2017年3月期から2021年3月期までの5期をみると、売上高は63,119百万円から73,889百万円、経常利益は4,379百万円から6,526百万円と順調に推移。きのこ生産量が順調に伸びているほか、内食志向によりきのこの販売が順調に伸びている。営業CFは恒常的にプラスとなり、投資CFは恒常的にマイナス。自己資本比率は、50%台で安定推移。