1375 雪国まいたけの業績について考察してみた

1375 雪国まいたけの業績について考察してみた

PERAGARUアナリスト

四半期業績推移随時更新中

(単位:百万円) 決算期 売上 営業利益 営業利益率
FY2022.Q3 2021.12 15,954 2,900 18.18%
FY2022.Q4 2022.03 10,623 -476 -4.48%
FY2023.Q1 2022.06 8,201 -163 -1.99%
FY2023.Q2 2022.09 9,312 977 10.49%
(単位:百万円) 決算期 売上 営業利益 営業利益率
FY2021.Q2 2020.09 12,031 2,371 19.71%
FY2021.Q3 2020.12 17,057 3,818 22.38%
FY2021.Q4 2021.03 11,668 725 6.21%
FY2022.Q1 2021.06 8,938 201 2.25%
FY2022.Q2 2021.09 11,566 2,350 20.32%
FY2022.Q3 2021.12 15,954 2,900 18.18%
FY2022.Q4 2022.03 10,623 -476 -4.48%
FY2023.Q1 2022.06 8,201 -163 -1.99%
FY2023.Q2 2022.09 9,312 977 10.49%

沿革

1983年7月に株式会社雪国まいたけとして、まいたけの生産販売を目的に設立。2000年3月に東証二部に上場。2015年6月にBain Capital PEの下で非上場化。経営体制再構築を経て、神戸の米穀の卸売業等を営む株式会社神明ホールディングスを親会社として2020年9月に東証一部に再上場。本社は新潟県。東証プライム市場に区分。まいたけで国内トップシェア

株主構成

2023年3月期第2四半期報告書によると、2022年9月30日時点で筆頭株主は株式会社神明ホールディングスで50.5%、日本マスタートラスト信託銀行株式会社が6.45%、その他は保有割合5%未満で国内外の金融機関が並ぶ。外国人株式保有比率は10%以上20%未満

取締役会

取締役8名(社内3名、社外2名)、監査等委員3名 (社内1名、社外2名)、監査等委員会設置会社へ22年6月の総会をもって移行。常務取締役の三枝俊幸氏は株式会社カミックスを経て、同社の親会社である株式会社神明ホールディングスに入社。取締役の藤尾益雄氏も株式会社神明ホールディングス出身である。その他の社内取締役には金融畑の出身者が多い。

代表取締役の経歴

代表取締役社長の湯澤尚史氏は1971年2月生まれ。千葉商科大学商経学部を卒業後、1995年4月に旧雪国まいたけへ入社。営業や自供企画室などに従事し、2016年7月に常務執行役員を経て、2022年4月に現職へ就任した。

報告セグメント

「茸事業」の単一セグメントであり、「まいたけ」、「エリンギ」、「ぶなしめじ」、「その他の茸」の4つに区分される。また報告セグメントに含まれない事業として「その他」がある。2023年3月期第2四半期の売上収益12,757百万円の内、まいたけが7,051百万円で55.3%、エリンギが1,413百万円で11.1%、ぶなしめじが2,526百万円で19.8%、その他の茸が1,573百万円で12.3%、セグメント外のその他が191百万円。
同社はIFRSでIAS41(農業)を適用しており、きのこ製品である生物資産の公正価値の変動による利得が営業収益の構成要素となる。2023年3月期第2四半期の収益合計は17,513百万円で、営業利益は814百万円となった。

事業モデル

主力のまいたけを中心にエリンギやブナシメジ等の茸類を量産し、小売店への直売を行うまいたけは国内総生産量の54%を占め、トップシェア(2021年)を占める。
独自の種菌・栽培技術で、まいたけに加えてエリンギ、ぶなしめじ等の安定的かつ大規模での生産供給体制を整備する。茸類の品質管理や小売店への直売ルートも独自に持ち、年間販売量を事前に確認し、販売量や価格の安定化を図る。2019年3月には世界初ぶなしめじの栽培に成功したタカラバイオの茸事業を買収。同年10月にはマッシュルームの製造・販売をする株式会社三蔵農林を買収し、本しめじやマッシュルーム等のプレミアム茸の販売強化に注力。本しめじとはたけしめじでは国内トップシェア(2020年)を誇る。
親会社はコメ卸大手の神明ホールディングスであり、西日本での拡販を進める。西日本エリアでの年平均成長率は売上高が9.8%、販売量が9.7%と緩やかに増加傾向にある。
株式会社Mizkanやセブンイレブンとのコラボ商品の企画やTVCMでのレシピ配信を通して、新規需要の創出を狙う。生産現場ではアグリテックを追求し、茸の培養日数の短縮や生産量の増加等、生産性の効率を図る。
その他事業は、2020年2月にこれまで行っていたカット野菜と納豆の生産販売を終了し、規模縮小傾向にある。現在では外部委託で健康食品の製造・販売、レストランや物産館の運営、子会社にて培地活性剤の製造・販売を行う。

2023年3月期第2四半期 決算説明資料

競合他社

茸生産量で国内最大手の1379ホクト (2022年3月期売上高70,932百万円) 、まいたけの生産・販売を行う2904一正蒲鉾株式会社 (2022年6月期同31,636万円)が競合として挙げられる。

連結の範囲

親会社1社と連結子会社3社を持つ。親会社は兵庫県の大手コメ卸の株式会社神明ホールディングスである。

強み・弱み

強みとして茸の安定的な生産・供給体制が挙げられる。同社は栽培が困難であったまいたけの工業生産化を世界で初めて実現し、茸の製造・販売において独自の栽培技術や供給ルートも持つ。本しめじやマッシュルーム等の高単価茸を生産する企業へのM&Aを積極的に実施し、同社の持つ生産供給体制とのシナジー効果を実現する。
懸念点として海外での事業展開の出遅れが挙げられる。同業他社の1379ホクトは売上高の10%前後を台湾やマレーシアを中心とした海外売上で創出している一方で、同社は国内での販売が中心。2022年3月期から4か年の中期経営計画で海外事業への進出を掲げる。

KPI

KPIには①製品別販売量、②製品別単価、③製品別市場シェア、④製品別売上高構成比が挙げられる
①    製品別販売量

2023年3月期第二四半期 決算説明資料

②    製品別単価

2023年3月期第二四半期 決算説明資料

③    製品別市場シェア

2023年3月期第二四半期 決算説明資料

④    製品別売上収益構成比

2023年3月期第二四半期 決算説明資料

業績

売上収益は2019年3月期から2021年3月期にかけて、消費者の健康志向を背景に茸の販売量が伸びて+8.0%に増加した。2022年3月期は最需要期の秋冬が温暖であったことから秋以降の販売が低調に推移した他、他社の増産や外食産業での需要低下に伴う供給過多が生じ、前期比▲6.1%の減少となった。税引前利益は2019年3月期から2021年3月期にかけて+12.7%に増益。2022年3月期は燃料費の高騰に伴うユーティリティー費の増加や広告宣伝費の増加が響き、前期比▲35.9%の減益となった。フリーCFは2019年3月期以降、プラスを推移。自己資本比率は50%台前半を推移する。



関連ありそうな記事