5341 アサヒ衛陶の業績について考察してみた

5341 アサヒ衛陶の業績について考察してみた

PERAGARUアナリスト

沿革

1950年12月に丹司製陶株式会社として、衛生陶器の製造販売を目的に大阪府に設立。1964年1年にアサヒ衛陶株式会社に商号変更。1967年大証二部へ上場、2013年4月東証二部へ上場。1972年6月に洗面化粧台の製造を開始。現在はファブレスで衛生機器や洗面機器を海外の生産委託先より仕入れて販売。2019年に公表した中計に基づき業績は改善傾向にあるが過去5期中4期が赤字計上で疑義注記銘柄

株主構成

有価証券報告書によると2020年11月末時点の筆頭株主は、日本証券金融株式会社で7.6%を保有。次いで個人投資家の星野和也氏が3.8%、野村證券株式会社が2.8%、その他にアサヒ衛陶取引先持株会が2.0%、株式会社SBI証券が2.0%、そのほか外資系証券会社等が並ぶ。外国人株式保有比率は10%未満。

取締役会

取締役は6名(社内3名、社外3名)、うち社外3名は監査等委員、監査等委員会設置会社である。代表取締役社長を除く社内取締役2名はいずれもプロパー社員である。

代表取締役の経歴

代表取締役社長の石橋孝広氏は1972年10月生まれ。京都産業大学経済学部を卒業後、1995年4月同社へ入社。国内外の営業部門に長く携わり、2017年2月取締役就任を経て、2020年11月現職へ就任。

報告セグメント

「住宅設備機器事業」の単一セグメントである。住宅設備機器事業で扱う製品は、トイレの便器やその周辺機器の「衛生機器」と、洗面化粧台やその周辺機器の「洗面機器」の2つに大別される。2020年11月期の売上高は、衛生機器が1,190百万円で59.4%、洗面機器が799百万円で40.0%、不動産賃貸収入が12百万円で0.6%を占める。海外展開を進めているが、本邦顧客への売上高が90%以上を占めており、地域別の売上高等の開示はない

事業モデル

衛生陶器や水洗便器等の衛生機器と、洗面化粧台や化粧鏡等の洗面機器を中国、韓国、台湾、タイ、ベトナムの生産委託先から仕入れ、販売を行う。設計から販売、施工まで一貫したサービスを提供。生産設備は中国や東南アジア諸国の生産委託先に集約しており、香川事業所では製品の組立業務を行う。仕入れは直接または双日建材などの総合建材商社を通じて調達しており、主要顧客はホームセンター大手のコーナン商事株式会社で、2020年11月期では総販売実績の18.1%を占める
2011年にはベトナムに販売子会社を設立。ベトナムとその周辺諸国をメインターゲットに現地代理店の発掘と育成により営業を強化し、アジアへ進出。現在は東アフリカ諸国や中東諸国への販路拡大にも注力。
2017年にはヤマダ電機を展開する株式会社ヤマダホールディングスと業務提携、オリジナルトイレやショールーム向けの洗面化粧台を提供する。

競合他社

衛生機器国内最大手の5332TOTO株式会社(直近決算期売上高596,497百万円)、住宅設備最大手の5928株式会社LIXIL(同1,694,439百万円)、衛生陶器中堅メーカの5342ジャニス工業株式会社(同5,166百万円)などが競合として挙げられる。

連結の範囲

連結子会社は海外販売事業を行うベトナムのビVINA ASAHI CO.,LTD.社の1社である。アジアを中心とする発展途上国への販売拠点として機能しており、アフリカ・中東地域への販路拡大を進める。

強み・弱み

成長の見込める海外市場における販売網が強みである。同社は海外に持つ生産委託先と販売子会社を活かして、海外で生産から販売まで行う。販売拠点のあるベトナムでは戸建てやアパート中心に、大口受注も獲得。競合他社の日本メーカーがアジアを中心に高価格帯の商品を展開する一方、同社は現地のニーズに応じたロープライス商品も国別に応じて販売し差別化を図る。国内市場は、住宅着工件数減少に伴い需要が縮小しており、商品ミックスの改善により採算性の改善を図れるかが課題である

KPI

2019年発表の中期経営計画では、2022年11月期における海外子会社での売上高1,600万円までの拡大を計画しており、現地の営業体制が整えばベトナムのマンション着工状況などが参考となる。当面は海外売上高の推移がKPIとして挙げられる。

業績

過去5期分の経営状況を見ると、売上高は2017年11月期を頭打ちに、緩やかに減少。経常利益は赤字が続いていたが、2020年11月に経費削減等の事業スリム化により黒字転換。営業CFはマイナスが続いたが、2020年11月期にプラス転換。投資CFは2019年11月期を除き、マイナスが続く。財務CFは2017年11月期と2019年11月期を除いてプラス。 2020年11月期末の自己資本比率は49.4%。