4917 マンダムの業績について考察してみた

4917 マンダムの業績について考察してみた

PERAGARUアナリスト

沿革

1927年12月大阪府にて香水、化粧品、石鹸の製造販売を目的として金鶴香水株式会社を設立。1958年4月にフィリピンにて技術提携会社を稼働させて以降、アジア各国に事業展開している。1959年4月に丹頂株式会社、1971年4月に株式会社マンダムへ商号変更。1978年7月には男性化粧品ブランド『ギャツビー』を発売。2002年1月に東証二部に上場、2003年3月に東証一部へ変更となった。現在は東証プライム。男性用化粧品の大手

株主構成

有価証券報告書によると2022年3月末時点の筆頭株主は、日本マスタートラスト信託銀行の信託口で保有割合14.49%。同社代表取締役会長の西村元延氏が理事長を務める公益財団法人西村奨学財団が8.00%で続き、以降は保有割合5%未満で、国内信託銀行信託口、海外金融機関、先述の西村元延氏、マンダム従業員持株会が名を連ねる。また、変更報告書によると、海外ヘッジファンドのLindsell Train Limitedの保有割合が6.06%であると報告されている。外国人株式保有比率は20%以上30%未満

取締役会

取締役は8名(社内5名、社外3名)、監査役は4名(社内2名は常勤、社外2名)、監査役会設置会社である。社内取締役の全員がプロパー出身者で構成される。

代表取締役の経歴

代表取締役会長の西村元延氏は1951年1月生まれ。明治学院大学中退後、1977年4月同社に入社。1984年6月に取締役に就任、1990年6月代表取締役に就任した。尚、西村家は同社の創業家で、元延氏は4代目に当たる。
代表取締役社長執行役員の西村健氏は1982年5月生まれで、元延氏の子息である。早稲田大学人間科学部スポーツ科学科を卒業後、2008年4月同社に入社。同社人事部欧州駐在時の2017年5月にIESE Busines School(スペイン)にてMBA課程を修了。2018年4月より取締役常務執行役員、2021年4月より代表取締役を務める

報告セグメント

「日本」、「インドネシア」、「海外その他」の3報告セグメントに大別され、生産・販売体制を基礎とした地域別セグメントから構成さる。2022年3月期の 売上高構成比は下図の通りで、海外売上高比率は43.2%。日本は天候不順により季節物の商品の需要が伸びなかったこと、インドネシアは大衆層をターゲットに事業展開し、現地通貨安と競争激化で利益率が低下傾向にあったことに加え、コロナ禍のロックダウンによる減収の影響を受けた。利益は日本、インドネシアが赤字となった。

2022年3月期決算説明会資料

事業モデル

一般消費者向けにヘアスタイリング剤やスキンケア用品、ボディケア用品等の製造、販売を行う。男性事業のブランドとしてヤング男性向け『ギャツビー』、ミドル男性向けの『ルシード』を展開し、売上高の約6割を占める(2021年3月期)。女性向けはクレンジング・洗顔ブランド『ビフェスタ』、インドネシアで展開する『ピクシー』などのブランドを持つ。

マンダムレポート 2021

販売チャネルは小売店の店頭が中心で顧客ターゲットは大衆層。海外は各現地法人が経営を担い、生産拠点は日本、インドネシア、中国に持ち、アジア各国のニーズに合わせた商品を供給している。化粧品の生産コストに占める比率が大きい容器も生産拠点毎に自社で成型工場を抱える。相手先別販売実績には国内の化粧品・日用品卸売事業者8283PALTACが3割強、インドネシアの正規販売代理店とみられるPT. Asia Paramita Indahが2割弱と報告されており、現地での商品供給は専門卸や代理店を活用しているもよう。
コロナ禍以降、一定のワクチン接種が進み個人消費活動回復の兆しが見えた局面もあったが、新たな変異株の出現等もあり、同社を取り巻く環境は国内外ともに不透明な状況が続いている。

競合他社

化粧品製造・販売を主たる業務とする企業として、4911資生堂(2021年12月期売上高1,035,165百万円)、4922コーセー(2021年12月期売上高224,983百万円:変則決算)などが挙げられる。

連結の範囲

2021年3月末現在、連結の対象となる子会社を17社持つ。そのうち、香港の輸出販売先で持分法適用関連会社を除き、他は海外現地法人で各国の販売を担う。中でもPT MANDOM INDONESIA Tbkは、同社のインドネシア事業を担う連結子会社で、2021年3月期の売上高は20,660百万円と連結売上高に占める割合が10%を超える。

強み・弱み

男性化粧品の国内トップメーカーで、『ギャツビー』など高い知名度を持つブランドを保有することが強み。一方で近年、国内の男性に化粧品離れがみられた中での、ニューノーマルや、インバウンド需要減といった外部環境の変化、インドネシア事業の落ち込みへの対応により、直近2期連続で拡大傾向にある営業損失の解消が喫緊の課題

KPI

①国内男性化粧品シェア(ギャツビー18.3%、ルシード4.8%:2021年3月期)
②化粧品出荷販売金額 (約1,262億円:2021年12月※経済産業省生産動態統計より)
③インドネシア・中国の一人当たりGDPの推移
④インドネシアルピア・中国元の為替動向

業績

増収傾向が続いていたが、2018年3月期の売上高81,386百万円を境に頭打ちがみられる。コロナ禍で国内外で消費低迷の影響が出て前期比▲22.6%の減収により赤字転落した2021年3月期に続き、2022年3月期も売上高は前期比▲9.4%で赤字幅は▲2,308百万円まで拡大している。従前は営業利益率9~10%を維持していた収益性の回復が喫緊の課題。フリーCFは、工場の新生産棟建設工事のため投資額が嵩んだ2020年3月期以外はプラス。また、同期に自己株式取得(50億円)を行った。自己資本比率については近年概ね70%台前半で推移。

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