2025年3月期第1四半期決算後レポート 4732 ユー・エス・エス

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PERAGARUアナリスト

8月8日に発表されたユー・エス・エスの2025年3月期第1四半期決算を受けて業績予想のアップデートを行った

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まずユー・エス・エスが発表した実績値と我々の予想の差異について確認していく。

実績値と我々の予想の差異

売上高は-3%、経常利益は-1%と四半期単体では実績に対してほぼ同水準の着地となった。

オートオークション事業については、成約手数料が-4%,落札手数料が-6%と予想を下回り、売上高が実績に対して-3%の結果となった。落札手数料がマイナスに乖離した理由は、モデルを作成した際、24年4月から開始したインターネットからの落札手数料値上げに加え、落札全体の20%を占めるテレビからの落札手数料が20%増加することを仮定しモデルを作成し、値上げが起こらなかったからだ。中古車自動車買取販売事業については、売上高が+18%とプラスに乖離した。これは販売台数が増加や堅調なオークション相場により台当たり粗利益が増加したことで増収増益となったからだ。リサイクル事業については、売上高が-36%と大幅なマイナス方向への乖離となった。これはプラントリサイクル事業において大規模解体工事の受注件数が減少した影響を受けたからだ。

オートオークション事業については、1Qにおいて新車販売台数減により出品台数が減少するも、成約台数が大幅に増加し、また価格改定が浸透したことで堅調な成長を見せた。これを受けて、同社は決算開示と同時に通期の連結業績予想の上方修正を発表した。前回の我々の予想においてもQoQで出品、成約、落札手数料が徐々に伸びていくと予想し、会社予想を超過する収益を見込んでおり、今回の業績の修正で我々の予想に近づく形となった。

以下の表に、会社予想と我々の予想の1Q前後での比較を示す。

会社予想とPERAGARU予想、四季報予想との比較

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今回の決算開示を受け、業績予想モデルの更新を行ったので紹介する。変更した点は以下である。

  • オートオークション事業のテレビからの落札手数料の値上げが2Qでは起こらないと仮定した。
  • リサイクル事業は大規模解体工事の受注件数に大きな影響を受けるので24年3月期と同水準の売上高を置いた。
ユー・エス・エス 業績予想(クリックで拡大)

オートオークション市場全体で出品台数が減少しているが、比較的使用年数の浅い高単価車両を扱うなど成約率向上に努め、加えて価格改定で利益率向上を推進しているため、今後もオートオークション事業は成長が期待できる。一方でリサイクル事業については工事の受注件数が安定せず、売上高の予測が難しい事業であるため、売上を安定させるための同社の施策を見守る必要があるだろう。投資判断を下す際はこのような点を踏まえたうえで慎重に判断するべきである。

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